在庫管理術
貯蔵品とは?製造業の現場担当者・経理担当者が知っておくべき管理の全知識
「決算のたびに貯蔵品の残量把握に追われている」「消耗品・副資材が貯蔵品なのか消耗品費なのか判断に迷う」——製造業の経理担当者・現場管理者からよく聞かれる悩みです。
貯蔵品とは、未使用の消耗品・副資材・切手・収入印紙などを資産として計上するための勘定科目です。正しく管理することで、決算の正確性が上がるだけでなく、現場の欠品リスクと過剰在庫の両方を防ぐことができます。
本記事では、貯蔵品の定義・具体例・仕訳方法・棚卸資産との違いを解説したうえで、製造業の現場で見落とされがちな「貯蔵品の現物管理」の課題と、IoT活用による解決方法まで紹介します。
この記事でわかること
- 貯蔵品の定義・具体例・勘定科目としての位置づけ
- 消耗品費・棚卸資産との違いと使い分け方
- 貯蔵品の仕訳方法(購入時・決算時・翌期首
- 製造業における貯蔵品管理の課題と現場での実態
- IoT在庫管理による貯蔵品管理の自動化と工数削減事例
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貯蔵品とは?定義と勘定科目としての位置づけ
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貯蔵品とは、事業に関わる商品・原材料以外の物品のうち、未使用のまま期末時点で手元に残っているものを資産として計上するための勘定科目です。流動資産に分類され、貸借対照表(B/S)に計上されます。
貯蔵品の定義
貯蔵品(ちょぞうひん)とは、会計上の勘定科目のひとつで、以下の条件を満たすものが該当します。
-
事業に使用するために購入した物品である
-
商品・製品・原材料など売上に直結する棚卸資産ではない
-
期末(決算日)時点で未使用のまま手元に残っている
つまり、「購入したが、まだ使っていない消耗品・副資材・金銭的価値のある物品」が貯蔵品です。
貯蔵品の貸借対照表上の位置づけ
貯蔵品は流動資産に分類されます。一般的に1年以内に消費されることが前提のため、固定資産ではなく流動資産として計上されます。
| 分類 | 勘定科目 | 内容 |
|---|---|---|
| 流動資産 | 現金・預金 | 現金・銀行預金 |
| 流動資産 | 売掛金 | 未回収の売上代金 |
| 流動資産 | 棚卸資産 | 商品・原材料・仕掛品など |
| 流動資産 | 貯蔵品 | 未使用の消耗品・副資材・切手・収入印紙など |

貯蔵品に該当するもの・しないもの
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貯蔵品は「金銭的価値のあるもの」と「消耗品・副資材」の2種類に大別されます。ただし「期末時点で未使用であること」が前提条件です。
貯蔵品に該当するもの


製造業で特に注意が必要な貯蔵品
製造業の現場では、以下のような品目が大量に存在するため、貯蔵品管理が複雑になりやすいです。
-
ネジ・ボルト・ナットなどの小物部品
-
消耗工具(ドリル・砥石など)
- 清掃・衛生用品(ウエス・洗浄剤)
- 梱包・包装資材(段ボール・緩衝材・ラップ)
- 安全保護具(手袋・保護メガネ・ヘルメット)
貯蔵品に該当しないもの
| 品目 | 理由 | 正しい勘定科目 |
|---|---|---|
| 販売目的の商品 | 売上に直結する棚卸資産 | 商品・棚卸資産 |
| 製品製造用の原材料 | 棚卸資産に該当 | 原材料 |
| 10万円以上の備品 | 固定資産として計上 | 工具器具備品 |
| 期中に使い切った消耗品 | 費用として計上済み | 消耗品費 |
貯蔵品と消耗品費・棚卸資産の違い
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貯蔵品と混同しやすい「消耗品費」「棚卸資産」との違いは、「期末時点で未使用かどうか」と「売上に直結するかどうか」で判断します。

貯蔵品 vs 消耗品費
最も混同しやすい組み合わせです。判断基準は「期末時点で使い切ったかどうか」です。
| 項目 | 貯蔵品 | 消耗品費 |
|---|---|---|
| 状態 | 期末時点で未使用 | 期中に使い切った |
| 計上区分 | 資産(流動資産) | 費用(販管費) |
| 具体例 | 期末に棚に残っているコピー用紙 | 期中に使い切ったコピー用紙 |
| 決算時の処理 | 未使用分を貯蔵品に振り替え | そのまま費用として計上 |
貯蔵品 vs 棚卸資産
| 項目 | 貯蔵品 | 棚卸資産 |
|---|---|---|
| 売上との関係 | 売上に直結しない | 売上に直結する |
| 具体例 | 梱包用段ボール・副資材 | 販売用商品・製造用原材料 |
| 製造業での位置 | 製造を支える消耗品・副資材 | 製品・原材料・仕掛品 |
💡 専門家の視点からアドバイス:現場運用の落とし穴
製造業の現場では「これは貯蔵品か、棚卸資産か」の判断に迷うケースが多くあります。判断に迷ったときは「その物品が製品に直接組み込まれるか(棚卸資産)」「製造を支援するために消費されるか(貯蔵品)」で区分するのが基本です。ただし、業種・会社の会計方針によって異なるため、顧問税理士・公認会計士に確認することをお勧めします。
貯蔵品の仕訳方法(3ステップで解説)
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貯蔵品の仕訳は「購入時」「決算時(未使用分を資産振替)」「翌期首(資産を費用に戻し入れ)」の3ステップで処理します。実務で最も多い「購入時に費用処理する方法」を中心に解説します。

ステップ①:購入時の仕訳
消耗品・副資材を購入した時点では、消耗品費(費用)として計上するのが一般的です。
例:コピー用紙5,000円分を購入した場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 5,000円 | 現金(または買掛金) | 5,000円 |
ステップ②:決算時の仕訳(未使用分を貯蔵品に振り替え)
期末(決算日)に在庫確認を行い、未使用のまま残っている分を費用から資産(貯蔵品)に振り替えます。
例:期末に未使用のコピー用紙が2,000円分残っていた場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 2,000円 | 消耗品費 | 2,000円 |
この処理により、使い切った3,000円分だけが当期の費用(消耗品費)として計上されます。
ステップ③:翌期首の仕訳(貯蔵品を費用に戻し入れ)
翌期の期首(会計年度の最初)に、前期末に資産計上した貯蔵品を再び費用(消耗品費)に振り戻します。
例:前期末に貯蔵品として計上した2,000円分を翌期首に戻す場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 2,000円 | 貯蔵品 | 2,000円 |
切手・収入印紙の仕訳例
金銭的価値のある切手・収入印紙は、購入時に貯蔵品として計上し、使用時に費用に振り替える方法が原則です。
切手1,000円分を購入した場合(購入時)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 1,000円 | 現金 | 1,000円 |
切手600円分を使用した場合(使用時)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 通信費 | 600円 | 貯蔵品 | 600円 |
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製造業における貯蔵品管理の実態と課題
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製造業の現場では、副資材・消耗品などの貯蔵品が数百〜数千品目に及ぶことも珍しくありません。手作業・エクセルによる管理では、決算時の棚卸工数・欠品リスク・過剰在庫の3つの課題が繰り返されます。
製造業の貯蔵品管理が難しい理由
製造業の貯蔵品は、一般のオフィスと比べて以下の特性があり、管理が複雑になります。
-
品目数が多い:ネジ・工具・洗浄剤・梱包材など数百〜数千品目
-
消費スピードが不規則:生産量・品種によって消費量が大きく変動
- 小物・軽量品が多い:バーコード管理が難しく、目視・手書き管理に頼りやすい
- 保管場所が分散:複数の棚・倉庫・工程内に分散して保管

課題①:決算時の棚卸工数が膨大
決算時には未使用の貯蔵品を正確に把握し、貯蔵品として資産計上する必要があります。しかし品目数が多い製造現場では、棚卸だけで数時間〜数日かかるケースが珍しくありません。
詳しくは「棚卸減耗損|算出の目的や計算方法・発生原因・対策方法」をご参照ください。
課題②:欠品リスク——副資材切れで製造ラインが止まる
手作業・エクセルで貯蔵品を管理している現場では、在庫がリアルタイムで把握できないため、「使おうとしたら切れていた」という状況が発生します。副資材・消耗品の欠品は製造ラインの停止に直結します。
課題③:過剰在庫——「念のため」発注でコスト増
欠品を恐れるあまり「念のため」多めに発注するケースが増え、過剰在庫が発生します。小物・消耗品は単価が安いため見落とされがちですが、品目数が多い製造現場では積み重なると無視できないコストになります。
詳しくは「棚卸資産|分類・貸借対照表に計上するポイント・評価方法・計算方法」をご参照ください。
💡 専門家の視点からアドバイス:現場運用の落とし穴
貯蔵品管理の改善というと「棚卸のデジタル化」に目が向きがちですが、最も重要なのは「リアルタイムの残量把握」です。決算時だけでなく、日々の消費状況をリアルタイムで把握することで、欠品と過剰在庫の両方を同時に防ぐことができます。
貯蔵品の現物管理を自動化する方法
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SmartMat Cloudは「置くだけ」で貯蔵品・消耗品・副資材の残量をリアルタイム自動計測するIoTサービスです。欠品アラート・自動発注・棚卸自動化により、製造現場の貯蔵品管理工数を大幅に削減します。
手作業管理が生む「見えない欠品リスク」
製造現場の貯蔵品は、バーコードや品番管理が難しい小物・消耗品が多く、以下の問題が繰り返されます。
-
担当者が棚まで行って目視確認・手書き記録する作業が毎日発生
-
「減ってきた」と気づいた時には欠品寸前、または欠品後
- 発注が「感覚・経験」頼りになり、欠品と過剰在庫が交互に発生
詳しくは「副資材の管理|副資材とは?定義・主資材との違いと在庫管理の最適解」をご参照ください。
SmartMat Cloudが貯蔵品管理を変える3つのポイント
① 貯蔵品・消耗品の残量をリアルタイム自動計測
SmartMatの上に置くだけで重量から残量を自動計測。ネジ・ボルト・消耗品・副資材など、バーコード管理が難しい小物も確実に把握できます。
② 発注点アラートで欠品をゼロに
残量が設定した発注点を下回った瞬間に自動アラートを送信。「気づいたら切れていた」という状況を根本から防ぎます。
③ 棚卸工数をゼロに——決算時の貯蔵品計上が劇的に楽になる
SmartMatが常時自動計測するため、決算時の手動棚卸が不要に。期末時点の残量データが自動で記録されており、貯蔵品の資産計上処理が大幅に効率化されます。
詳しくは「在庫管理システムの選び方【製造業の現場にとって使いやすい在庫管理システムとは】」をご参照ください。

SmartMat Cloud 導入事例:貯蔵品・消耗品管理の現場改善
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貯蔵品・副資材・消耗品の在庫管理を自動化することで、棚卸工数の削減・欠品リスクの解消・過剰在庫の圧縮を同時に実現した事例を紹介します。
事例① 株式会社SUBARU|毎日1.5時間の部品・消耗品確認作業を自動化
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課題: 消費スピードが不規則な消耗品・部品を、担当者が毎日1.5時間かけて手作業で確認・発注していた。欠品による生産ラインへの影響リスクを常に抱えており、緊急手配も頻発していた。
-
SmartMat Cloud導入後:70種類の品目の在庫をリアルタイム自動計測。毎日1.5時間(年間約360時間)の手作業確認が不要になり、欠品によるライン停止リスクも解消。従来比1.5倍の費用対効果を実現した。
💡 このケースの教訓
「毎日1.5時間の確認作業」は積み重なると年間360時間のロスです。担当者が在庫確認ではなく本来の製造業務に集中できる環境を作ることが、現場全体の生産性向上につながります。
事例② 積水成型工業株式会社|クリーンルームの消耗品確認を遠隔化・月80時間削減
-
課題:クリーンルーム内の消耗品・資材確認のたびに入室準備が必要で、確認作業に多大な工数がかかっていた。在庫状況をリアルタイムで把握できず、欠品による生産への影響リスクが高かった。
-
SmartMat Cloud導入後:月80時間の発注・在庫確認業務を削減。クリーンルームへの入室なしで遠隔リアルタイム確認が可能になり、欠品による生産停止リスクも解消。決算時の棚卸処理も自動データを活用することで大幅に効率化された。
💡 このケースの教訓
「場所的な制約」による在庫確認の困難さは、貯蔵品の実態把握を難しくし、決算時の計上ミスのリスクも高めます。IoT化によって制約を取り除くことが、正確な貯蔵品管理の最短ルートです。
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貯蔵品に関するよくある質問(FAQ)
Q. 少額の消耗品でも必ず貯蔵品として計上しなければなりませんか?
A. 金額的に重要性が低い場合は、期末に未使用分が残っていても貯蔵品に振り替えず消耗品費のまま処理することが認められています(重要性の原則)。ただし、金額の基準は会社の規模・会計方針によって異なるため、顧問税理士・公認会計士に確認することをお勧めします。
Q. 貯蔵品の棚卸は毎月行う必要がありますか?
A. 法的な義務としては決算時(年1回)が最低限ですが、製造業の現場では月次で実施している企業が多くあります。月次棚卸を行うことで在庫の実態把握・欠品防止・過剰在庫の早期発見が可能になります。IoT重量計を活用すれば、棚卸の手間なく常時リアルタイム管理が実現します。
Q. 貯蔵品を資産計上することで税務上のメリットはありますか?
A. 貯蔵品として資産計上した分は、その期の費用(損金)から外れるため、当期の課税所得が増えます。一方、翌期に費用として戻し入れると翌期の課税所得が減少します。節税の観点では、利益が多い期に未使用品をできるだけ費用計上し(貯蔵品に計上しない)、利益が少ない期に資産計上するという方法もありますが、これは会計処理の継続性・重要性の原則との兼ね合いで判断が必要です。顧問税理士にご相談ください。
まとめ:貯蔵品は「会計処理」と「現物管理」の両輪で管理する
貯蔵品とは、期末時点で未使用のまま手元に残っている消耗品・副資材・切手・収入印紙などを資産計上するための勘定科目です。消耗品費・棚卸資産との違いを正しく理解し、適切な仕訳・棚卸・資産計上を行うことが、正確な決算と節税効果につながります。
特に製造業の現場では、品目数が多く消費が不規則な副資材・消耗品の管理が課題になりやすいです。貯蔵品管理を正しく運用するためのポイントをまとめます。
-
「期末時点で未使用かどうか」で貯蔵品か消耗品費かを判断する
-
購入時・決算時・翌期首の3ステップで仕訳を行う
- 製造業では副資材・消耗品の品目数が多く、手作業管理の限界を認識する
- IoT在庫管理でリアルタイム把握を実現し、棚卸工数・欠品・過剰在庫を同時解決する
▼ 製造業各社の導入事例はこちら 副資材・消耗品の在庫管理を自動化し、棚卸工数削減と欠品ゼロを同時に実現した事例を多数掲載しています。
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