在庫管理術
副資材の管理【副資材とは?定義・主資材との違いと在庫管理の最適解】
副資材とは、製品の主要な構成要素にはならないものの、製造・施工・出荷などの工程を円滑に進めるために必要な補助材料のことです。梱包材・ネジ・テープ・手袋・接着剤などが代表例として挙げられます。
主資材と異なり製品原価に直接組み込まれないため見落とされがちですが、品目数が多く消費も速いため、管理を怠るとコスト膨張・欠品・生産停止のリスクに直結します。本稿では、見落とされがちな副資材コストを適切に管理し、利益と業務効率を高める方法や事例を紹介します。
副資材とは?
このパートをまとめると!
副資材とは、製品の主要な構成要素ではなく、製造・施工・出荷を補助するために使う材料のことです。製品ごとに原価を集計しにくく、原価計算上は主に間接材料費(製造間接費)として扱われます。業界別の具体例と、消耗品・備品・間接材との違いを押さえておきましょう。
副資材の定義と管理の意義
副資材(ふくしざい)とは、製品の主要な構成要素(主資材)ではなく、製造・施工・出荷などの業務を円滑に進めるために使用する補助的な材料のことです。段ボール・緩衝材・テープ・ネジ・接着剤などが代表例です。ボタンやビスのように製品に組み込まれるものもありますが、その場合も役割は補助的なものにとどまります。

副資材は製品ごとに直接集計されにくく、原価計算上は製造間接費として配賦されるため、コストが見落とされがちです。単品で見ると金額は小さいものの、調達量・保管スペース・廃棄コストが積み重なると利益を圧迫しやすい点が、副資材管理の特徴です。
副資材と主資材との違いを理解し、適切に管理することでコスト最適化と業務効率化が期待できます。
| 項目 | 主資材 | 副資材 |
|---|---|---|
| 用途 | 製品を構成 | 製造・保護・包装など補助的 |
| 代表例 | 金属部品、樹脂素材 | テープ、ラベル、緩衝材 |
| 会計処理 | 主要材料費・買入部品費(直接材料費) | 補助材料費・工場消耗品費など(間接材料費) |
副資材の主な例
副資材に当たるものは業界によって異なります。代表的な例は次のとおりです。
- 梱包・出荷:段ボール、緩衝材、梱包テープ、ラベル
- 製造工程:接着剤、マスキングテープ、研磨材、潤滑油、作業用手袋
- 建築・工事:養生テープ、養生シート、ビス、パッキン、コーキング材、土嚢袋
- 服飾:ボタン、裏地、ファスナー、芯地、タグ
業界別に見る副資材の具体例と役割
副資材は業界ごとに使われ方も管理ポイントも大きく異なります。代表的な3業界の具体例と、現場での役割・管理のコツをまとめました。
●建築業(工事における副資材)
工事における副資材とは、鉄筋・コンクリート・木材などの主要な構造材以外で、施工や仕上げ、現場の養生を支える材料のことです。工期遅延や強度不足を招かないよう、現場近くに使い切り単位で副資材を配備すると、欠品とロスを同時に削減できます。
| 主な副資材 | 役割 | 管理ポイント |
|---|---|---|
| パッキン | 配管やサッシのすき間を密閉し、気密・防水性を確保 | 劣化が早いのでロット/使用期限管理が必須 |
| ビス(ねじ) | 部材同士を固定し、構造強度を高める | サイズ・素材別に在庫を区分し、現場への払い出し記録を徹底 |
| モルタル添加剤 | 強度・作業性を向上させる混和剤 | 入荷ロットごとに品質証明書を保管し、先入れ先出しで使用 |
●製造業
副資材の消費量は、製造間接費を通じて製品原価に影響します。ロール単位で出庫データを取得し、使用量の標準化を図りましょう。
| 主な副資材 | 役割 | 管理ポイント |
|---|---|---|
| 緩衝材(エアキャップ・フォーム材) | 出荷時の製品保護 | 製品サイズ別の使用量をデータ化し、月次で適正在庫を再計算 |
| マスキングテープ | 塗装・加工工程での保護や位置決め | 作業ラインごとに“標準長さ”を設定し、消費量を見える化 |
●服飾業界
デザイン変更が多く、色番を切り替えるたびに余剰副資材が発生しがちです。型番ごとの在庫可視化と廃番ルールの整備が鍵となります。
| 主な副資材 | 役割 | 管理ポイント |
|---|---|---|
| ボタン | デザイン性と機能性を付与 | 品番・カラー・サイズをタグで管理し、欠品防止の安全在庫を設定 |
| 裏地 | 着心地と耐久性を向上 | ロール長と残布を追跡、裁断ロスを最小化 |
| ファスナー | 開閉機能と装飾性を兼ねる | 金属/樹脂、務歯色で分類し、縫製ラインへ供給 |
副資材・消耗品・備品・間接材料の使い分け
会計処理や耐久性・用途の違いを押さえると、混同しやすい言葉の線引きがクリアになります。下表で主要ポイントを整理しました。
| 区分 | 期間・頻度 | 主な用途 | 代表的な勘定科目 |
|---|---|---|---|
| 副資材 | 中〜短期で消費 | 製造・施工を補助 | 補助材料費・工場消耗品費など (製造間接費) |
| 消耗品 | 短期で消費 | 事務・現場で日常的に使用 | 消耗品費(販管費) ※工場で使うものは工場消耗品費 |
| 備品 | 1年以上使用し、取得価額10万円以上のものは資産計上 | 業務遂行に必要な設備・器具 | 工具器具備品/ 減価償却費 |
| 間接材料 | 原価計算上の区分 | 補助材料・工場消耗品・消耗工具器具備品などの総称 | 間接材料費 (製造間接費) |
「副資材」は現場や購買での呼び方、「間接材料」は原価計算上の区分です。製造に使う副資材の多くは、原価計算上は間接材料に該当します。
副資材と間接材の違い
間接材とは、製品の原材料(直接材)以外で企業活動に使うモノの総称で、工場の消耗品・工具・設備の補修部品・事務用品などが含まれます。副資材は、そのうち製造・施工・出荷を補助する材料を指すことが多く、間接材の一部と位置付けられます。
副資材の勘定科目と会計処理
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製造に使う副資材は「補助材料費」「工場消耗品費」などの製造原価、事務・販売で使う物品は販管費の「消耗品費」に分けて処理するのが基本です。使用可能期間1年未満または取得価額10万円未満のものは、少額の減価償却資産として一括で費用にできます。
副資材の勘定科目の選定
副資材の勘定科目は、どこで使うかによって分かれます。
- 製造工程で使う副資材:製造原価の「補助材料費」「工場消耗品費」など。原価計算上は間接材料費として製造間接費に含めます。社内で「副資材費」という独自の科目を設ける企業もあります
- 事務・販売部門で使う物品:販売費及び一般管理費の「消耗品費」
副資材の経費処理のポイント

●使用目的の明確化
副資材が製造工程で使用されるのか、一般業務で使用されるのかを明確にし、適切な勘定科目を選定します。
●金額基準の確認
法人税法上、使用可能期間が1年未満、または取得価額が10万円未満のものは「少額の減価償却資産」に当たり、資産計上せずに事業に使った年度に全額を損金算入できます(国税庁タックスアンサーNo.5403)。このほか一括償却資産などの取扱いもあるため、判断に迷う場合は税理士に確認しましょう。
●社内ルールの統一
同様の副資材について、部署や担当者によって異なる処理が行われないよう、社内で統一した会計処理ルールを策定・周知徹底します。
副資材管理の基本と重要性
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副資材は点数が多く出入りも激しいため、紛失・過剰在庫・在庫切れが起きやすい資材です。管理を怠ると、生産停止や隠れコストの膨張、管理の属人化といったリスクにつながります。
管理の甘さが隠れコストに
副資材は点数が多く出入りも激しいため、「いつ・どこで・いくつ使ったか」が曖昧になりやすい資材です。適切な管理を怠ると、次のようなリスクが発生し利益を圧迫します。
| 潜在リスク | 具体的な影響 | よく起きる原因 |
|---|---|---|
| 紛失・所在不明 | 急な追加購入で仕入コスト増 | 倉庫・現場間の移動記録がない |
| 過剰在庫 | キャッシュフロー悪化・保管スペース逼迫 | 使用量の見込みが曖昧、先入れ先出しが徹底されない |
| 在庫切れ | 作業ストップ・工期遅延 | 安全在庫ラインが設定されていない |
少額の印象が強い副資材ですが、ロスや二重発注が積み重なれば粗利を下げる「隠れコスト」になります。
副資材管理を怠ると起きる3つのリスク
リスク① 生産ラインの停止
包装材や緩衝材が欠品すると、製品が完成しても出荷できない状態に陥ります。調達リードタイムが長い副資材ほど、欠品が発覚してからでは間に合わないケースが多く、納期遅延・顧客クレームに直結します。
リスク② 隠れコストの膨張
副資材は1品目あたりの金額が少額なため、二重発注や過剰在庫が放置されがちです。品目数が数百〜数千に及ぶ製造現場では、小さなムダが積み重なり、年間では無視できない金額になることがあります。
リスク③ 管理の属人化と引き継ぎリスク
「あの担当者しか発注タイミングを知らない」という状況は副資材管理で特に起きやすく、担当者の離職・異動で在庫管理が崩壊するリスクがあります。

副資材の管理方法【エクセルから専用システムまで】
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副資材の管理方法は、表計算ソフト、棚卸チェックリスト、クラウド型在庫管理システム、MROプラットフォームの4つです。品目数や求める精度、調達コストまで最適化したいかどうかで選びましょう。
エクセルから専用システム/MROまで、中小企業でも実践しやすい副資材管理の4つの選択肢を紹介します。

表計算ソフト(Excel・スプレッドシート)
品目マスターをエクセルやグーグルスプレッドシートで管理します。バーコードを使用して入庫・出庫を読み取り、CSV連携も可能です。初期費用がかからず、スモールスタートに最適な方法です。
ただし、複数人で入力する際には、データの整合性を保つための工夫が必要です。
棚卸チェックリスト
アナログ管理にプラスαで差異を減らす方法が棚卸チェックリストです。SKUごとに棚番号を設定し、リストに従って棚卸を行います。棚卸後は、Excelの在庫表に差異を記録、原因を分析します。具体的には、差異が発生した場合、「紛失/二重出庫/入力ミス」のカテゴリに分類し、翌月の改善策を明確にします。
クラウド型在庫管理システム
精度とスピードを両立させたいなら、アナログ管理からステップアップしましょう。RFIDや重量センサーと併用すると自動で入出庫を記録でき、画面から在庫数・ロットを即時確認できます。
MROプラットフォーム
MRO※とは、設備の保守・修理・運用に使う工具・補修部品・消耗品などの間接資材の総称です。MROプラットフォームは、こうした副資材・間接資材をカタログ化し、購買や在庫をまとめて管理する仕組みです。取引先を集約して購買コストを削減したり、使用実績を分析して標準化・削減施策を立案したりできます。在庫管理にとどまらず、副資材の調達コストまで最適化したい場合に適しています。
※MROはMaintenance, Repair & Operationsの略
副資材管理の課題
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目視+棚ラベル、定期棚卸+Excel、単品バーコード出庫といった従来の方法では、使いかけの残量まで把握できません。そのため帳簿と実在庫のズレが生じやすいのが共通の課題です。
従来、多くの現場では副資材を『目視+棚ラベル方式』で管理してきました。担当者が残量を目で確認し、ラベルやホワイトボードに手書きで補充メモを残すやり方で、初期コストはかかりませんが、書き忘れや担当者の勘に頼る場面が多く、在庫精度がばらつきやすいのが難点でした。
次に、週次や月次で数えた在庫数を Excel に入力する「定期棚卸+Excel管理」。この方式は帳簿を整えやすい反面、棚卸のたびに作業を止めて全品目を数える必要があり、人数や品目数が増えるほど工数が膨らみます。さらに棚卸の合間は実在庫が見えないため、差異が発生しても早期発見が難しいという課題がありました。
改善策として導入が進んだのが「単品バーコード出庫」です。箱やロール単位でバーコードを貼り、出庫時にスキャンして帳簿へ反映する仕組みで、数量の記録漏れは減ります。しかしテープや袋などは途中で使いかけになることが多く、使いかけの残量までは把握できません。その結果、帳簿と実在庫に徐々にズレが生じ、最終的に再棚卸でギャップが発覚する、というのが従来管理に共通する悩みでした。

副資材に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 副資材とは何ですか?
A. 副資材とは、製品の主要な構成部品ではなく、製造や業務を支える補助的な材料・用品を指します。例えば、梱包材・接着剤・ネジ・緩衝材などが該当し、製品そのものの主要な原材料ではないものの、製造・出荷工程において不可欠な役割を果たします。
Q2. 副資材の例は?
A. 製造業では段ボール・緩衝材・梱包テープ・接着剤・マスキングテープ、建築業では養生テープ・ビス・パッキン・コーキング材・土嚢袋、服飾業界ではボタン・裏地・ファスナーなどが代表的な副資材です。
Q3. 副資材と主資材の違いは何ですか?
A. 主資材は製品の主要な構成要素となる原材料や部品です。副資材は製品の主要な構成要素ではなく、製造・配送・保管などを円滑に進めるための補助材料です。ボタンやビスのように製品に組み込まれる副資材もありますが、その場合も役割は補助的です。副資材はコストが少額でも点数が多く、適切に管理しないと“隠れコスト”となる点に注意が必要です。
Q4. 副資材と間接材の違いは何ですか?
A. 間接材は、製品の原材料(直接材)以外で企業活動に使うモノの総称で、工具・補修部品・事務用品なども含みます。副資材は、そのうち製造・施工・出荷を補助する材料を指すことが多く、間接材の一部といえます。
Q5. 工事における副資材とは?
A. 鉄筋・コンクリート・木材などの主要な構造材以外で、施工・仕上げ・養生を支える材料のことです。ビス、パッキン、コーキング材、養生テープ、土嚢袋などが該当します。
Q6. 副資材の在庫管理で気をつけるポイントは何ですか?
A. 副資材の在庫管理では、まず品目数が多く、消費タイミングもバラバラという特性を理解することが重要です。エクセルや紙で管理していると、転記ミスや在庫ズレ、重複発注のリスクが高まります。そこで、棚卸ルールや発注基準を設けるとともに、ITツールやシステムを活用して在庫の「見える化」を進めることが、効率化・コスト削減に直結します。
Q7. 副資材とMROはどう違いますか?
A. MROはMaintenance(保守)・Repair(修理)・Operations(運用)の略で、設備の保守・修理・運用に使う工具・補修部品・消耗品などの間接資材の総称です。副資材は製造・施工・出荷を補助する材料を指し、梱包材や接着剤など設備保全とは直接関係しないものも含みます。実務では両者が重なる部分も多く、副資材を含む間接資材の購買を一元管理する仕組みを「MROプラットフォーム」と呼ぶこともあります。
重量管理で副資材管理の課題を解消
このパートをまとめると!
スマートマットクラウドは、マットに載せた副資材の重さから残量を自動で計測し、少なくなるとアラート送信や自動発注を行います。テープや袋など、使いかけで数えにくい副資材の管理に向いています。

在庫管理システム「スマートマットクラウド」は、重量センサーを搭載しています。スマートマットが重さで副資材の残量をリアルタイムで検知し、残量が少なくなったら、アラート送信もしくは自動発注をします。欠品させたくない副資材の管理に最適です。

スマートマットクラウドは重量で、目視で数えにくい部品や液体、巻物、重たいもの、かさばる副資材の残量を自動かつ正確にカウントします。
副資材の在庫管理改善に成功したスマートマットクラウド導入事例
このパートをまとめると!
製造業の井上工具様は、梱包用資材の自動発注で副資材の管理時間を大幅に削減しました。建設業の戸田建設様は、残量が減ると通知が届く仕組みで、欠品による手待ちを解消しました。
スマートマットクラウドの機能を活用して、副資材在庫管理の課題を解消できた事例をご紹介します。
井上工具株式会社様の事例(製造業)
●対象副資材:製品梱包用資材(副資材は700種以上)
●Before:手動管理のため重複発注や欠品といったトラブルが発生。定期的に簡易棚卸が必要
●施策:A3タイプを中心に100台のスマートマットを導入。商材ごとに閾値を設定し、基準を下回った場合は自動発注
●After:自動発注で副資材の管理時間を大幅削減。在庫状況は管理画面で一元的に把握
戸田建設株式会社様の副資材管理事例(建設業)
●対象副資材:養生テープ・ガムテープ・土嚢袋
●Before:現場ごとに使い切ってから連絡があり、欠品により作業待機・段取り替えが発生
●施策:各副資材をスマートマットで重量管理し、残量が少なくなると現場の担当者に通知が届く仕組みを構築
●After:欠品と資材の補充待ちによる作業の遅延を回避















