在庫管理術
在庫管理と重量センサ【重さで在庫を管理する方法とメリットとは】
重量センサは、重さを感知し数値化することで、在庫管理の自動化など多岐にわたる分野でその利点を発揮します。この記事では、重量センサの基本原理、在庫管理への応用、そして重量センサを使用した在庫管理自動化システムについて、具体的な事例と共に詳しく解説します。
重量センサのしくみ
ものの重量を数値化するためのセンサを重量センサといいます。重量センサにはいくつかの種類がありますが、現在は力の大きさを電気信号に変える変換器、ロードセル方式の計測が主流になっています。
ロードセルの中でもっとも使われているひずみゲージロードセルは、金属の加えられた力によって電気の流れが変化するという性質を利用しています。荷重がかかっている金属製のロードセルの電圧を測定し、重量を逆算するしくみになっています。
重量センサの使用上の注意点
正しく重量センサーを働かすためには、次の3つのポイントを守ります。
- 使用前に0kg補正(0点補正)を行う
- 装置を水平な場所に設置する
- 規定の重量範囲内で使用する
0kg補正とは重量計の計測誤差を解消する目的で、使用を開始する前に測定器のスタートを0kgに補正する作業のことをいいます。
在庫管理と重量センサ
在庫管理では定期的な棚卸が必須です。
しかし目視と手作業で大量の在庫を確認するため、作業時間がかかりすぎる、数え間違いや記録ミスが発生する、本当に必要な頻度で棚卸を実施できない、という課題が発生します。
課題の多い棚卸の作業を人の替わりに正確に実施できるのが、重量センサを搭載した在庫管理ツールです。
重さから在庫個数を割り出す、つまり「数える」作業を手動から重量センサに切り替えることで棚卸を効率化することができます。
在庫管理に重量センサを利用するメリット
数えにくいものを効率よく数える
重量センサを使った在庫管理ツールを使うと、ネジやボルトなど大量の部品を早く正確に数えることができます。人的ミスの影響を抑えるだけでなく、単調で時間を取られるカウント作業から解放することで、従業員体験を向上させるというメリットもあります。
数えられない在庫を見える化する
重量センサで管理すると、「1個、2個」という単位では管理しきれなかった物品を数値で管理することができます。個数で管理できないものは液体、粉末、ワイヤー・ケーブルの在庫が該当します。
重量センサによってこれまで把握できていなかった在庫を見える化。さらに数値化・データ化によって在庫分析や在庫情報の共有がスムーズに行えるようになります。
現場にスムーズに導入できる
新しいシステムを導入する場合、通常はオペレーションの大幅な変更が発生します。
「自動でモノの重さから在庫数を割り出し記録する」という仕組みは、現場のオペレーションを変えないため、現場に負担をかけずに導入できます。大掛かりなシステムの入れ替えが発生せず、既存のシステムとの連携も可能です。
載せっぱなしでOK。24時間365日在庫を見続ける「スマートマットクラウド」
在庫管理ソリューション「スマートマット」は重量センサを利用した在庫管理・発注自動化サービスです。スマートマットは、24時間365日リアルタイム実在庫を監視します。
これまで在庫管理では「人が在庫のある場所まで移動する」「在庫を動かす」「在庫を数える」作業が不可欠でした。
当社の在庫管理システム「スマートマット」は在庫を載せっぱなしで、遠隔管理OK。重さから実在庫数を計測し続け、データを自動保存します。
在庫が閾値を下回った場合や、異変をキャッチした場合は速やかにアラートを送信。タイミングを逃さずに、欠品や過剰在庫を回避するアクションを起こせます。
ブラウザからどこでも在庫管理
スマートマットクラウドはリアルタイムの在庫数や在庫推移をブラウザから確認できます。在庫の推移を折れ線グラフ、在庫量を赤・黄色・青の3色に色分けし、わかりやすく表示します。
重量物・長物在庫にも対応
スマートマットは重量物や長物にも対応します。複数のスマートマットを組み合わせたマルチマット機能で100kg以上の在庫も計測可能です。
重量センサで在庫管理の効率化に成功した導入事例
重量センサで在庫管理の効率化に成功した事例をご紹介します。
▼過酷な倉庫での作業時間を大幅減 東京ガスネットワーク株式会社
導入前は約800種類にも及ぶ工材を目視で確認。膨大な労力に加え、数え間違いが発生。夏は暑く冬は寒い倉庫での長時間作業が問題になっていました。RFIDのシステムも検討しましたが弊社の工材管理業務には適さないという結論に至りました。インターネットで重量計測という方法を見つけ、設定が簡単でWi-Fiを設置するだけという点が魅力的でした。
▼消費予測が困難な部品在庫を見える化 株式会社SUBARU
車の生産に必要な消費スピード予測が困難なバランスウェイトという部品があり、計画と実際の使用数にブレが生じていました。導入以前は緊急手配をなくすため、毎日社員が1.5hの工数をかけて数を確認し、発注をしていました。
スマートマットクラウドの導入によって、バランスウェイトを毎日手作業で数えることなく、在庫を見える化。年間244日、1日1.5時間にも及ぶ作業時間を削減することができました。
この記事を書いた人
スマートマットクラウド メディア編集部
スマートマットクラウド メディア編集部です。業務効率化や業務の課題解決などをわかりやすく解説します!
【スマートマットクラウドとは?】
スマートマットの上にモノを置き続け、重さで数を数えるIoTサービスです。
ネジなどの部品、副資材・仕掛品・粉モノや液体の原材料まで、日々の在庫確認や棚卸・発注まで自動化します。