製造業の在庫管理の特徴
製造業の在庫の種類
製造業で管理する在庫の種類は、大きく直接材と間接材に分けられます
直接材は、自社の製品として組み込まれる材料や部品。間接材に含まれる在庫は幅広く、直接材料費に組み込まれないすべてのものを指します。
区分 |
在庫の種類 |
直接材 |
原材料、部品、仕掛品 |
間接材 |
工具、消耗品、部材、燃料、資材等 |
製造業における在庫管理の課題
製造業のもつ部品の中で特に管理が難しいのは部品と仕掛品です。
仕掛品(しかかりひん)とは、製造の途中で、組立や加工を行う過程にある製品をさします。
加工が不要でそのまま使用できるねじやボルト等の一般部品や製品在庫と違い、特注部品は調達のため、あらかじめ別会社に生産を依頼したり、仕掛品は前工程を担当する部署が製造をしたりする必要があります。
特注部品や仕掛り在庫の発注は調達リードタイムを考慮する必要があります。
製品や原材料の在庫管理はできても、仕掛品在庫の管理は難しく、
- 十分に在庫管理ができずに欠品が発生し、生産ラインが停止
- 機会損失を恐れて、現場の担当者が過剰に在庫を持ちがち
- 生産ラインとラインの間で滞留しやすく、保管費高騰や棚卸負担に直結
という問題が発生しています。

仕掛品管理以外にも次のような課題もあります。
- 管理するものの大きさや重さ、在庫の形状がバラバラで数えにくい
- 管理が必要な部品の点数が多く、数量も多いので、部品管理に時間がかかる
- 人手不足の工場が多く、現場への在庫管理や棚卸の負担が大きい
- 在庫管理業務が属人化しやすく勘に頼った発注で在庫金額が膨らみがち
製造業の在庫管理の課題を解決する方法
かんばん方式
かんばん方式は、必要なものを、必要なときに、必要なだけ作ることを目的としてトヨタ自動車が開発した生産管理の方法です。
かんばん方式で使用するかんばんには部品の名前と、数量が書かれています。
▼かんばん方式を使った在庫管理
- 後工程で部品を使用した時に、前工程へかんばんを送る
- 後工程から前工程へ届いたかんばんが生産指示となり、生産を開始する
- 生産したら、後工程で次に使用する部品の在庫を発注・補充する
在庫管理システム
製造業特有の在庫管理の課題を解決する手段として注目されているのが在庫管理システムです。
在庫管理システムを導入することで、製造業には3つのメリットがあります。

- 見える化: データを集めて統計的に分析し、数値やグラフによって状況を可視化
- 制御: 「見える化」で集めたデータを元に、生産性を高める体制で機械をコントロール
- 自動化: 人の手を介して行なっていた「制御」を機械やコンピューターによる処理で実行
在庫管理システムには業界に特化したシステム、部品在庫管理システム、という具合にさまざまな選択肢があります。
- 理論在庫をもとにした在庫管理システムは実際の数量と在庫差異が出ることがある
- 工場で働く従業員が高齢化、多国籍化の傾向があり、在庫管理システムが使いこなせるようにするには教育コストが発生する
という理由で、在庫管理システムの導入が失敗に終わることもあります。
現場にとって使いやすいシステムかどうかという点も、製造業の在庫管理システム選びの重要なポイントと言えます。
製造業の在庫削減に有効な在庫管理システム
欠品させずに在庫削減を実施したい、現場の在庫管理負担を軽減させたい場合は、AI、IoTツールを使った在庫管理システムの導入がおすすめです。
数量管理や棚卸、発注といった定型業務を自動化することで、負担を軽減し、適正在庫管理を可能にします。
またIoTならクラウド上に在庫変動データを蓄積できます。
データを活用することで、実際の消費量に見合った正確な在庫計画を立てることが可能になります。
担当者の勘や経験に頼って発注を繰り返した結果、過剰になった在庫を削減したい企業にとって、IoTツールはおすすめできる在庫管理方法と言えます。
工場に欠かせないIoTとは

IoT(アイオーティー)とは、Internet of Thingsの略で、「モノのインターネット」という意味です。
あらゆるモノをインターネット(あるいはネットワーク)に接続する技術のことで、具体的には以下のようなことを可能にします。
- 離れた場所からモノを操作する
- 離れた場所からモノの状態を把握する
- モノや人の動きを検知する
- モノとモノとを繋ぐ
IoTを使った家電や設備には、センサーやカメラなどが搭載されており、モノの状態や周辺環境といった情報を感知・収集し、インターネットを介して、それらのデータを人やモノに伝えます。
工場にIoTを導入することで、在庫の消費状況を把握し、課題解決の実現が可能になります。
IoTに搭載されているセンサは、機器によって光センサや温度センサ、重量センサなどさまざまです。
次の章では、重量センサ(重さを測る仕組み)で効率的な在庫管理が可能な話題のIoT機器をご紹介していきます。
工場での在庫管理の課題を解消!スマートマットクラウド

スマートマットクラウドは、重量型センサを搭載した在庫管理専用のIoT機器です。
棚卸と発注を自動化し、在庫管理をミスなく簡単に実施することができます。
スマートマットクラウドは在庫の変動を見える化し、あらかじめ発注点を設定しておくことで自動注文まで行います。
※スマートマットクラウドの詳しい説明は こちら
スマートマットクラウドの発注機能に関する詳しい説明はこちら

スマートマットクラウド導入のきっかけ



スマートマットクラウドは現在、町工場からスマート工場まで幅広い工場に対応。
実際に利用しているお客様の実際の声をもとに、スマートマットクラウド導入のきっかけをまとめてみました。