在庫管理術

棚卸資産【分類・貸借対照表に計上するポイント・評価方法・計算方法・棚卸資産管理の効率化とは】

棚卸資産とは
目次

棚卸資産とは?わかりやすく解説

棚卸資産とは

棚卸資産(英語:Inventory)とは、一般的には「在庫」とも呼ばれ、企業が販売する目的で一時的に保管している商品・製品・原材料・仕掛品の総称です。

顧客への販売を予定していなくても、販売収益を得るために使用する事務用消耗品なども棚卸資産に含まれます。

損益計算書、キャッシュ・フロー計算書と並ぶ主要な決算書である賃借対照表においては、資産の中の流動資産に含まれる項目です。

流動性資産は、流動性が高い=現金化しやすい資産のことで、企業が保有する資産のうちで主に1年以内に現金として回収される、企業にとっては大切な財産です。

この記事では、企業にとって重要な棚卸資産について、種類や貸借対照表に計上するポイント、評価方法、計算方法などをわかりやすく解説。

最後に棚卸資産管理を効率化するIoTソリューションもご紹介!

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棚卸資産の分類・種類

棚卸資産は主に以下の5つに分類されます。

棚卸資産の分類

原材料

原材料には主要原材料(鉄板や銅板など)補助原材料(クギやボルト、塗料など)があります。どちらも製品を製造するために欠かせません。

仕掛品

製造途中の段階で未完成の状態の製品のことであり、原材料を少しでも加工している製品。まだ加工する必要があり、製品としては販売できないもの。

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半製品

仕掛品と同様に製造途中の状態ではあるものの、製品として販売できるもの。

仕掛品と混同しやすいが、わかりやすく違いをまとめると、同じように製造途中だが、「仕掛品はそのままでは販売できない」、「半製品はそのままでも販売できる」ということ。

商品・製品の在庫

すでに、加工が終わっている完成済みの製品や商品で、販売されずに社内に保管されている在庫

貯蔵品

自社で使うために購入した消耗品などが使用されずに社内に残っているもの。

切手、印紙、未開封のコピー用紙などの事務用品で、未使用のものを指します。

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それぞれ、評価方法(会計処理)が異なりますが、棚卸資産の状況を正確に把握して管理することは、効率的かつスムーズな企業経営にとって欠かせません。

棚卸資産を貸借対照表に計上する方法

棚卸資産を貸借対照表に計上するには、「実際に在庫が存在していること」と、「販売価額が下落していないこと」が前提となります。


貸借対照表とは、決算日時点の財政状態を表す書類。ある一定の時点における企業の財産や負債の状況を示すもので、企業が事業に使う資金をどのように調達し、どのように保有しているかがわかります。

貸借対照表は、

  • 右側(資産)=資金をどうやって調達したか
  • 左側(資本・負債)=調達した資金を使って何を買ったか、それともそのまま保有しているか

が示されていて、左右が必ず同じ金額になるような仕組みになっていることから、「バランスシート(B/S)」と呼ばれます。

棚卸資産を貸借対照表に計上する方法

そして、棚卸資産を貸借対照表に計上するために必要なのが棚卸高です。棚卸高とは、棚卸資産(在庫)として残った製品や商品を貸借対照表に計上し、売上原価の算出から外して、翌期へと繰り越す棚卸資産(在庫)の総額です。

棚卸高の求め方は、以下の通り。

棚卸高=棚卸資産の数×棚卸資産の単価
  •  

棚卸資産の数を確定するために行うのが実地棚卸であり、価値を確定する作業が棚卸資産の評価です。

棚卸資産の評価方法(会計処理・仕訳)【原価法・低価法・取得金額の評価方法】

棚卸の評価方法には、大きく分けて「原価法」と「低価法」があります。

  • 原価法=残った在庫を購入した際の原価を基にして計算する方法
  • 低価法=対象在庫を購入した際の原価とその時点での原価を比較して、いずれかの安い方を用いる方法

原価法と低価法では算出される金額が異なるので、方法を正しく理解し、自社にあった方法を選ばなければ、税金が高くなるなど思いがけない損失につながる可能性も。

原価法と低価法のどちらを採用するかは、自分で申請する必要があります。申請がない場合は、原価法が採用されるので、不安な場合は税理士など専門家に相談しましょう。

そして、原価法に必要な棚卸資産の取得価額の求め方には以下の6つの評価方法があります。

棚卸資産の評価方法

①最終仕入原価法

期末に最も近い日に取得した仕入れ単価を基準に計算する方法。

計算はとても簡単な点がメリット。期末まで評価ができない、価格変動が多い場合は、実際かかったお金との誤差も大きくなるというデメリットも。

②個別法

各仕入時の価格で評価する方法。

規格に応じて価額が違うものなどには認められていない。個別の商品を実際の仕入・払出のとおりに計算するので、数や種類が多い場合は手間がかかる。

宝石・貴金属や不動産販売業者の販売する土地などの評価に適している。

③先入先出法

商品や資産は、仕入れた順に売れていく」と考えのもとで計算する方法。

実際の資産の流れに近い状態で計算できるが、物価の変動があった場合、インフレ時には利益が多く評価され、デフレ時には小さく評価されてしまう。

④総平均法

前期の繰り越し資産と当期中の資産総額を総数量で割った価格を取得価格と考える方法。

物価変動による影響を受けにくいが、期末後にしか計算ができない。

⑤移動平均法

仕入れ(資産取得)ごとにその時点の在庫と仕入れから棚卸資産の平均単価をその都度、計算して評価していく方法。

常に現状を把握できるが、毎回計算をしていくことになるため、計算が複雑で手間がかかる。

⑥売価還元法

販売価格の合計に原価率を掛けて算出した金額で評価する方法。

原価率=(期首の棚卸資産の取得価額+期中の仕入棚卸資産の取得価額)÷(期末の棚卸資産の販売額+期中に販売した棚卸資産の販売価額)

取扱商品が多い場合など、商品ごとの原価を調べるのが難しい場合に便利なため、値札がついているスーパーや百貨店など小売業で取り入れられている。原価率の類似した商品グループに分けるのが大変。

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期首棚卸高【期末棚卸高との違い・売上原価の計算・期末棚卸高との差額や不一致・勘定科目と仕訳】

棚卸資産の評価損とは【棚卸資産評価損の計上】

棚卸資産評価損とは、棚卸資産(在庫)の劣化による損失のことです。

仕入れた商品は仕入れ値よりも高い金額で販売するため、損失が生じることはありませんが、破損した商品や流行性の高い商品は仕入れた時点よりも価値が下がり損失が生じます。

実際の金額的な損失は販売しない限り発生しないため、在庫の評価損を損金として計上することはできませんが、以下のケースでは、棚卸資産評価損の計上が認められています。

  • 災害によって著しい損傷を受けた場合
  • 破損や型くずれなどの品質劣化がある場合
  • 流行性が極めて強い場合
    (クリスマスや正月向けの商品などの季節商品は認められない)

そして、棚卸資産評価損は以下の計算式で求めます。

棚卸資産評価損=棚卸資産評価額-販売した価格

次の章では、棚卸資産管理の効率化に欠かせないIoTソリューションをご紹介します。

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