在庫管理術

棚卸減耗【原因・計算方法・仕分方法・棚卸減耗損や商品評価損・正確な棚卸に役立つIoT】

目次

棚卸減耗とは

棚卸減耗とは棚卸減耗(読み方:たなおろしげんもう/英語:Inventory depletion)とは、帳簿上の在庫数と実地棚卸を行って数えた在庫数との差のことです。

そして、棚卸減耗により発生する損失のこと棚卸減耗費と言います。

棚卸減耗は、保管中や運送中などにおける盗難や紛失といったさまざまな原因で発生すると考えられています。

具体的にイメージすると…。

帳簿のデータ上は500個の在庫がある
実際に棚卸をして数えてみると497個しかない

という場合は、3個の棚卸減耗になるということです。

この記事では、棚卸減耗の原因、計算方法、仕分方法、棚卸減耗損や商品評価損についてわかりやすく解説していきます。

また、棚卸減耗の発生を防ぐために欠かせない正確・効率的な棚卸をサポートする今、話題のIoT機器についてもあわせてご紹介!

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棚卸減耗の原因

棚卸減耗の原因棚卸減耗が発生する原因には以下のようなことが挙げられます。

  • 入出庫漏れ

    入庫・出庫したのにその数量をきちんと記録していない。

  • 品質低下

    賞味期限のある食品や品質の期限がある資材や製品など、在庫として使用できなくなったものを現場判断で捨ててしまい、その数量を記録していない。

  • 紛失

    5S3定が徹底されていない倉庫などで、どこに置いたがわからなくなってしまう在庫。実際に棚卸をした際に行方不明となってしまう。

  • 盗難

    無人の倉庫やセキュリティ対策がしっかりされていない場合や、外部業者などの出入りが激しい場合などに発生する危険性アリ。

  • 破損

    運搬中や作業中にうっかり破損。人手不足や倉庫・作業スペースに問題があることも。

  • 在庫管理ミス

    数え間違い、書き間違い、入力間違い、伝達忘れや伝達漏れなど人為的ミスのほか、適正在庫を維持できていない。

  • 棚卸ミス

    数え間違い、書き間違い、入力間違い、伝達忘れや伝達漏れ。RFIDやバーコードやハンディターミナルのスキャン漏れなども

上記それぞれの原因をしっかり把握して、対策を講じることが重要です。

棚卸減耗費の計算方法

棚卸減耗費の計算方法は以下の通り。

棚卸減耗費 =(帳簿棚卸在庫数量 ー 実施棚卸在庫数量)× 在庫単価

具体例で見てみると…。


帳簿棚卸在庫数量が30個、実施棚卸数量が27個、在庫単価が1,000円だった場合の

棚卸減耗費は
(30-27)×1,000=3,000となります。

棚卸減耗の仕訳方法

仕訳とは、経理業務の一つです。

商品の販売や給与の支払、物品の購入など、お金が出入りするやり取り(取引)記録するのが簿記です。

簿記ではすべての取引を借方と貸方に分けて記録しますが、この記録作業が仕訳です。

そして、棚卸減耗費は、材料費ではなく間接経費に分類されます。

棚卸減耗費は、売上原価に含める場合は仕入(売上原価で計算する場合は売上原価)勘定科目で処理し、売上原価に含めない場合は棚卸減耗損勘定科目*で処理します。

次の章では、この棚卸減耗損について解説します。

*勘定科目:日々の取引を仕訳し帳簿に記入する時に使われる項目。

棚卸減耗損とは

棚卸減耗とは、棚卸実施時に、在庫台帳上の理論在庫と実際の在庫数量との間に発生する差異(棚卸差異)のこと。


棚卸差異とほぼ同じ意味ですが、棚卸減耗は、理論在庫より実際の在庫が少ないことによるロス(損失)を意味し、このロス(損失)を棚卸減耗費、棚卸減耗費の会計処理を棚卸減耗損と呼んでいます。

棚卸減耗損の計算式は、以下の通り。

棚卸減耗損=(帳簿数量 - 実地数量)× 帳簿単価

商品評価損とは棚卸減耗費と商品評価損

商品評価損とは、時間経過や在庫過多などが原因でその価値が低下した時に行う会計処理のこと。

仕入時の商品価値よりも商品価値が低下した場合の差額が商品評価損となります。

棚卸減耗損は、数量の減少が原因で発生するのに対し、商品評価損は単価(評価)の減少が原因で発生します。

商品評価損の計算式は以下の通り。

商品評価損=(帳簿単価 - 実地単価)× 実施数量

棚卸減耗が経営に与える影響と棚卸の重要性

棚卸減耗の発生額を小さくすることは、原価の適正性を高めることにつながるだけでなく、生産・販売効率を高めることにもつながるため、健全な経営を行うためにはとても重要な意味を持ちます。

そして、帳簿棚卸だけでは棚卸減耗による在庫の減少を把握できないため、在庫が過大になったり、棚卸減耗損が計上されないため、利益(売上総利益)も過大になってしまいます。

逆に、実地棚卸だけの場合は、実際の在庫数量にもとづき売上原価を計算するため、棚卸減耗による損失は売上原価に含まれてしまい、売上総利益が正しく計算できない可能性も。

そのため、「帳簿棚卸」と「実地棚卸」の両方の棚卸を行うことが基本とされています。

棚卸減耗を防ぐIoT機器

在庫不足は売上の減少に、過剰在庫は倉庫スペースの圧迫や在庫ロスに繋がるため、在庫管理は必要不可欠な業務です。

新型コロナウイルス人手不足などさまざまな問題に直面している状況下において、いかに効率化して正確に在庫管理を行うことができるかが重要となります。

そこで注目され、近年続々と各企業で導入されているのが在庫管理の自動化であり、その最も有効な方法として以下の2つが大きなキーワードとされています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)

企業の営みや産業全体をデジタルの力でよりよくしていく取り組み

IoT(Internet of Things)

IoT=「モノのインターネット化」

IoT機器を導入することにより、「自動化」や「見える化」が可能になり、棚卸、現場作業の改善、在庫管理、工程管理、品質管理なども効率的に行えるようになります。

このように稼働状況や生産状況、在庫などのデータを分析することで、人力では発見しにくい問題や傾向なども把握できるようになり、生産性の向上やロスタイムの削減につながります。

デジタルテクノロジーを駆使して、企業経営や業務プロセスそのものを根本的に改善していくDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するためにIoTは欠かせない要素となります。

また、新型コロナウイルス対応などで業務に忙殺されている医療分野や調剤薬局、リモートワークを取り入れたい現場スタッフをサポートすることも大いに期待されています。

次の章では置くだけで在庫の見える化が可能!今、話題のIoT機器「スマートマットクラウド」をご紹介します。

棚卸減耗をなくし、正確な棚卸をサポート!スマートマットクラウド

スマートマットクラウドのイメージ

現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、簡単に自動化が可能です。スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。

あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます

さまざまな自動発注に対応

お客様の発注先に合わせた文面でメール・FAXの送信が可能です

在庫圧縮を促進

推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します

置く場所を選びません

スマートマットはA3サイズ〜A6サイズまでの4サイズ展開。ケーブルレスで、冷蔵庫・冷凍庫利用も可能。

API・CSVでのシステム連携実績も多数

自社システムや他社システムと連携を行い、より在庫管理効率UPを実現します。

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