在庫管理術
過剰在庫とは【原因・リスクやデメリット・処分方法・削減対策】

この記事では、経営に大きく関わる過剰在庫の原因やリスク・デメリット、処分方法、改善策などをわかりやすく解説します。
過剰在庫の対策ツールとして今、話題のIoT機器についてもご紹介しますので、ぜひチェックしてください。
過剰在庫とは
過剰在庫(英語:excess inventory)とは、需要を上回る在庫を倉庫などの保管場所に所持している状態のことです。
製造業や販売業、ホテル・飲食業、医療などあらゆる業界において、必要量以上の在庫を保有する、在庫過多の状況は、キャッシュフロー(現金の流れ)の悪化や経営の圧迫などさまざまなリスクをもたらします。
余剰在庫・滞留在庫との違い
過剰在庫と似た言葉に余剰在庫がありますが、
・余剰=必要量を越えた余り
・過剰=多すぎて余ること
この意味の定義の意味を見てもわかる通り、両者は同じ意味を持ちます。
一方、
・滞留=ある場所にとどまる。滞って動かない
という意味の定義であり、少し意味合いが異なります。
過剰在庫、余剰在庫、滞留在庫の違いを簡単にまとめると以下のようになります。
-
●余剰在庫 過剰在庫と同じ意味。倉庫などに保管されているが在庫で、まだ売れる(使える)見込みがある在庫。
●滞留在庫 同じく倉庫などに保管されている在庫だが、品質劣化や消費期限などにより、販売や使用の見込みのない在庫。
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過剰在庫を抱えるとどうなる?リスクやデメリット
在庫が多いとなぜ悪い?
過剰在庫になることで、具体的に企業にどのようなリスクやデメリットがあるのか見ていきましょう。
キャッシュフローの悪化
在庫はお金を払って仕入れる資産の一つです。しかし、販売や消費が見込めない過剰在庫の状態ということは、売上による利益が得られないことになります。
過剰在庫が増えるということは、仕入れの支出だけが増え、その他の事業に使える資金が減っていく状態になるため、キャッシュフローの悪化を招きます。
この状態が続くと運転資金が不足し経営が悪化、最悪の場合、倒産の危険性すら出てしまいます。
不良在庫が増え、在庫の価値が低下
いつまでも販売できずに保管された在庫は、品質が劣化、流行や市場のニーズに合わなくなってしまい不良在庫になってしまいます。
不良在庫は、価値が下がって陳腐化し、本来得られるはずだった利益を生みません。
余計なコストがかかる
過剰在庫を保管するスペース代や在庫管理するための人件費など無駄なコストがかかってしまいます。
これらの費用は放っておくと、やがて経営そのものにも悪影響を及ぼしかねません。
過剰在庫の原因
では、なぜ過剰在庫が発生するのか、主な原因をご紹介します。
需要予測のミス
過去の販売実績などのデータや流行や季節など市場の動向やニーズを予測することが、必要な在庫、適正在庫を維持するためには必須です。
在庫管理で最も重要な業務の一つとも言われるこの需要予測にミスがあったり、見極めが外れてしまうと過剰在庫に陥ります。
在庫管理・発注のミス
在庫管理や発注業務に無駄やミスがあると、適正在庫を維持できなくなります。
在庫管理や発注業務が正確に行えない背景に、現場の人手不足や人為的ミスなどの課題があります。
機会損失を恐れて、多めに仕入れてしまう
いざ販売しようというタイミングで商品(製品)が不足・欠品し、機会損失を回避しようとするあまり、必要数以上に仕入れてしまうケースが見られます。
過剰在庫が起こりやすい商品
過剰在庫になってしまいがちな商品には以下のような特徴があります。
季節限定商品
夏にしか売れない浴衣などの場合、コロナなど思いがけない事態が生じ、祭りや花火大会が中止されると売れなくなり、過剰在庫になる可能性があります。
季節限定商品の大量仕入れ・発注には入念なリサーチや予測が不可欠。
競合商品
自社の製品や商品と似たもの=競合商品が多かったり、その競合商品の人気が高まると、自社商品の売り上げに大きく影響します。
競合商品の調査、競合より優れた商品の開発・製造が不可欠に。
カラーやサイズ展開が豊富な商品
カラー&サイズバリエーションが豊富な商品は、特定のカラーやサイズに人気が集中します。定番人気のサイズやカラー以外の特殊なものは過剰在庫になりがちです。トレンドや需要を調査・予測が必要です。
過剰在庫の処分方法
過剰在庫になってしまった場合、どう対応すれば良いのでしょうか?
販売や返品の見込みがなく、長期間、保管されていた過剰在庫は、一般的に以下のような方法で処分されています。
安売り販売
予定していた販売価格より値下げして販売。
本来の商品価値より下げた価格にせざる得ないため、利益はマイナスに。
廃棄処分
安売りやセールでも売れない場合は、最終的に廃棄するしかありません。
廃棄するのも費用はかかるため、利益はマイナスに。
専門業者に買い取りしてもらう
どの市場に流通するか分からず、企業のイメージを損なうリスクがある、買い取り価格は予定していた販売価格とはかけ離れてしまうというデメリットがあります。
過剰在庫の改善策・削減の方法
過剰在庫を減らし、今後生み出さないようにする改善策として最も有効なのが、「在庫管理を徹底する」ことです。
在庫管理のルールや業務の流れ、人員などを見直し、精度の高い在庫管理を行うようにしましょう。
在庫管理システムを導入し、活用することで、
-
- 需要予測の精度を上げる
- 在庫状況を可視化する
- 適正在庫数、正確な発注数の把握する
- ことが可能になります。
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