在庫管理術
不動在庫【発生の原因と処理方法とは?医薬品の不良在庫を減らすのに有効なIoT】

不動在庫とは
不動在庫とは、英語ではデッドストック(dead stock)と呼ばれています。
その名前通り、ずばり、不動在庫とは「動かない在庫」のこと。
わかりやすく具体的に言うと、長い期間、工場や倉庫などの在庫保管場所で販売・出荷・使用されずに、残っている在庫です。
なお、不動在庫は、停滞在庫や不良在庫とも呼ばれ、ほぼ同じ意味合いで使われています。
この記事では、滞留在庫との違い、増える理由と処理方法、デメリット、薬局における医薬品の不動在庫とは?など不動在庫に関することをわかりやすく解説していきます。
不動在庫と滞留在庫の違い
不動在庫と似た用語に滞留在庫があります。一見、同じような意味合いのように思えますが、両者には違いがあります。
不動在庫は、すでにご紹介した通り、「動かない在庫」のことですが、まだ売れる(使用する)可能性・見込みがある在庫です。
滞留在庫も長い期間動かない在庫であることに変わりはありませんが、賞味期限(使用期限)が迫っていたり、品質の劣化や損傷により、売れる(使用する)可能性・見込みがない在庫のことを指します。
不動在庫の原因・理由
不動在庫が発生する具体的な原因・理由には、次のようなものが挙げられます。
- 品切れによる販売(提供)ロス=機会損失を少なくしたい
- 原材料や部品がなくて生産ができなくなるのを避けたい
- 他社との競合を意識してしまい、多く生産してしまう
- 需要予測(顧客ニーズ)を把握していない
- 流行の変化によるモデルチェンジ・バージョンアップで旧バージョンが売れない
- そもそも在庫の正確な数を把握できていない
- 過剰な販売計画による過剰生産
このような理由から、多めに生産・製造してしまったり、発注ミスをすることが不動在庫につながります。
不動在庫のデメリット
不動在庫が発生し、抱えてしまうことは以下のような多くのデメリットを生みます。
- 不動在庫維持のための手間とコスト
- 不動在庫を処理する手間とコスト
- 収益悪化による経営圧迫
- 棚卸資産として形状しなければならないため、税金がかかる
- 在庫回転率の悪化・キャッシュフロー(現金や預金の流れ)の悪化
このように多くのデメリットを生んでしまう不動在庫。次の章では、不動在庫を減らす・処理する方法をご紹介します。
不動在庫を減らす方法・処理
- では、抱えてしまった不動在庫を減らす・処理する方法と対策を見ていきましょう。
このように不動在庫を発生させない対策を講じる、発生してしまった不動在庫は販売や買取などで上手に処理することが重要です。
薬局における医薬品の不動在庫とは
ここまで製造業や小売業などにおける不動在庫について解説してきましたが、薬局の経営を大きく圧迫することになるため、医療業界では大きな課題となっている医薬品の不動在庫についてもご紹介しておきます。
薬局における不動在庫とは、処方されずに使用期限まで調剤室の棚などの保存場所を占有し、最終的に薬剤の廃棄ロスにつながる可能性の高い在庫のことを指します。
厚生労働省の調査では、薬局に保存されている医薬品が使用期限を迎えて廃棄されるリスクは、年間約280億円といわれています。
医薬品の不動在庫が増える理由
では、なぜ医薬品の不動在庫は増えてしまうのでしょう。主な理由として挙げられるのは以下の通り。
処方箋や医師・看護師・スタッフなどと情報を共有しながら、発注・保管する医薬品の品目や数量を決めるのが一般的ですが、この工程において、
- 処方できずに、患者に迷惑がかかるリスクを恐れ、余分に在庫を持ってしまう
- 手書きやエクセル管理などによる人為的発注ミス
- 医薬品は販売包装単位ずつの購入が原則とされており、開封済みの医薬品は品質管理上、返品が難しい
- 処方する予定の患者が来院しなくなってしまった
- 症状が異なり、これまでと違う処方に変更してしまった
…などといった理由で不動在庫が増えてしまうようです。
医薬品の不動在庫の買取・販売
医薬品の不動在庫を処理する対策として実際に多くの薬局や病院が利用しているサービスをいくつかご紹介します。
二次流通サービス Pharmarket(ファルマーケット) |
調剤薬局の『不動在庫』を、シート単位で買い取りし、販売している医療機関限定の会員制サイト |
リバイバルドラッグ | 薬局であまった医療用医薬品を、それを必要とする別の薬局や病院へ販売する会員制サイト。 |
デッドストックエクスチェンジ(不動在庫消化サービス)特許取得* | メディカルシステムネットワークが行なっている廃棄リスクの高い不動在庫を加盟店同士で売買できる独自のシステム。 |
*特許第6078193号
上記のようなサービスの利用が、不動在庫からの医薬品廃棄ロスや経営圧迫といった課題解消に。
IoT機器は、在庫管理・棚卸・発注の有効な解決策に
在庫不足は売上の減少に、過剰在庫は倉庫スペースの圧迫や在庫ロスに繋がるため、在庫管理は必要不可欠な業務です。
新型コロナウイルス、人手不足などさまざまな問題に直面している状況下において、いかに効率化して正確に在庫管理を行うことができるかが重要となります。
そこで注目され、近年続々と各企業で導入されているのが在庫管理の自動化であり、その最も有効な方法として以下の2つが大きなキーワードとされています。
企業の営みや産業全体をデジタルの力でよりよくしていく取り組み
● IoT(Internet of Things)
IoT=「モノのインターネット化」
IoT機器を導入することにより、「自動化」や「見える化」が可能になり、棚卸、現場作業の改善、在庫管理、工程管理、品質管理なども効率的に行えるようになります。
このように稼働状況や生産状況、在庫などのデータを分析することで、人力では発見しにくい問題や傾向なども把握できるようになり、生産性の向上やロスタイムの削減につながります。
デジタルテクノロジーを駆使して、企業経営や業務プロセスそのものを根本的に改善していくDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するためにIoTは欠かせない要素となります。
また、新型コロナウイルス対応などで業務に忙殺されている医療分野や調剤薬局、リモートワークを取り入れたい現場スタッフをサポートすることも大いに期待されています。
スマートマットクラウドで在庫管理を自動化
現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、貴院でも簡単に自動化が可能です。
スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます。
さまざまな自動発注に対応
「スマートマットクラウド」は、メール・FAXに加え、医薬品やディスポーザブル製品の受発注などに広く使われている標準商品コード「メディコード」を使ったAPI連携により、貴院で現在お取引のある主要ディーラーに対し自動で発注を行うことができます。
スマートマットのサイズは、A6サイズ〜A3サイズまで
- 倉庫室のラック上
- 診療エリア備え付けの棚の中
- 引き出しの中
貴院のスペースや使用状況、導線に合わせた設置が可能です。
不動在庫を軽減!スマートマットクラウド導入事例
スマートマットクラウドは、現在多くの医療機関に導入いただいています。導入をきっかけに不動在庫の軽減に成功した事例をご紹介します。