在庫管理術
衛生材料の在庫管理|欠品させずにコスト削減!管理課題を解消する方法とは

衛生材料とは
衛生材料とは、医療・介護現場で患者や医療従事者の衛生と安全を確保するために用いられる消耗性資材の総称です。
使用前から滅菌あるいは清潔な状態が保たれていることが前提で、感染リスクを最小化するために一度(またはごく少回)使用した後は廃棄するディスポーザブル(使い捨て)品として設計されているものが大半です。
具体的には医療用の衛生材料とは、次のような物品のことを言います。
●衛生材料一覧
- ガーゼ ・脱脂綿
- ドレッシング材※
- 綿棒・綿球
- 絆創膏・包帯
- テープ類
- マスク
- 手袋
※ドレッシング材:創傷面に貼付し、保湿・保護・吸収などの機能で創傷治癒を促進する被覆材。フォーム材やハイドロコロイド材など種類が多く、在庫管理の難易度が高い点が特徴
衛生材料の在庫管理が重要な理由
病院や歯科医院では、ガーゼや手袋などの衛生材料を適切な数量・タイミングで確保することが、診療の質と経営効率を左右します。もし在庫管理が不十分だと、次のようなリスクが発生します。
- 欠品による診療停滞
必要な資材が不足し、治療や処置が予定どおり行えなくなる - 廃棄ロスの増大
期限切れ・保管ミスで未使用のまま廃棄となり、医療コストが肥大化する。 - 院内感染リスクの上昇
手袋・マスクなどが不足し、標準予防策を徹底できず感染リスクが高まる。 - 緊急発注による調達コスト増
急な追加発注は単価や送料が割高になり、通常仕入れよりコストを押し上げる。
こうしたリスクを避けるには、リアルタイムで在庫量を可視化し、適正在庫を維持する仕組みが不可欠です。
●実際にお客様が抱えていた課題
「欠品に気づいて、急に近くの材料屋さんに在庫があったら持ってきてもらえませんかとお願いすることもあり、慌ててしまうこともありました。」(MI総合歯科クリニック様導入事例より)
週に1回しか在庫を見ていないため、治療に使うものが緊急取り寄せになってしまうことがありました。(中略)他のメーカーに電話で確認して慌てて確保する、ということが導入以前にはありました。(うなやま整形外科様導入事例より)
衛生材料の在庫管理の課題
コスト面以外にも、衛生材料の在庫管理にはさまざまな課題があります。当社にご相談いただいた病院やクリニックが抱える衛生材料の在庫管理の課題は、次のようなものでした。
- かさばりやすいため収納場所が点在しがちで、在庫管理に手間がかかる
- 汚染予防のため、キャビネットや引き出し、蓋つき容器に収納されることが多く、目が届きにくい
- 消費が激しいため需要予測が外れやすく、欠品する
- 欠品を恐れるあまり、過剰在庫になりやすい
- 人的ミスで誤発注しても、返品不可のことが多い
- 新型コロナウィルス流行以来、材料の供給が安定せず、価格も高騰している
衛生材料の確保を難しくする社会状況
新型コロナウイルス感染症流行や円安、国際紛争等の影響を受け、病院・クリニックは、衛生材料の不足や価格の高騰に悩まされ続けています。これまで材料メーカーが生産する衛生材料の多くが海外で製造されたものでした。供給のほとんどを輸入に頼っていたため、
- 生産国でラインが停止し、製造ができなくなった
- 世界的にマスクやグローブ、ガウンの需要が高まり、生産が追いついていない
などの影響を病院では強く受けています。
衛生用品の供給が安定しない状況は長引き、販売価格の水準は新型コロナウイルス流行以前に比べて高くなっています。
矯正用の材料では珍しいことですが、コロナウイルス流行の影響で、アメリカ製の矯正材料が大きく高騰しました。材料メーカーの合併があったり、製造するラインナップの大幅な見直しがあったりした影響を受けてのことでした。(医療法人瑞翔会栄駅前矯正歯科クリニック様導入事例より)
病院にとって衛生材料は必要不可欠な消耗品であるにも関わらず、このような状況は完全な収束にはいたっていません。
いかにして衛生材料を必要数確保し、そのコストを抑えていくかが、病院にとって重要課題となっています。
衛生材料のコスト削減方法
病院では、次のような取り組みをして、衛生材料にかかるコスト削減をはかっています。
衛生材料の在庫管理費や人件費は「見えないコスト」と呼ばれています。DX化は在庫管理コスト削減に有効ですが、ソリューション導入には初期費用が発生します。そのため個人経営の病院・クリニック・歯科医では、DX化が後回しになりやすい傾向があります。
在庫管理専用IoT、スマートマットクラウドなら、このような課題を解決することができます。
衛生材料管理コスト削減に貢献!スマートマットクラウド
在庫管理システム「スマートマットクラウド」を導入すれば、衛生材料の残量はマットが自動で計量し、クラウド上にリアルタイムで表示されます。設定した下限値を下回った瞬間に取引ディーラーへ自動発注が送信されるため、欠品が起きて診療が止まる心配はありません。
院内在庫は画面上で一元管理できるため、月次棚卸しの手作業が大幅に削減されます。看護師や歯科衛生士など貴重な有資格のスタッフを煩雑な在庫確認から解放、本来の業務に専念できる環境づくりをお手伝いします。
さまざまな自動発注に対応
「スマートマットクラウド」は、メール・FAXに加え、医薬品やディスポーザブル製品の受発注などに広く使われている標準商品コード「メディコード」を使ったAPI連携により、貴院で現在お取引のある主要ディーラーに対し自動で発注を行うことができます。
スマートマットは、サイズ展開豊富
- 倉庫室のラック上
- 診療エリア備え付けの棚の中
- 引き出しの中
貴院のスペースや使用状況、導線に合わせた設置が可能です。
衛生材料の管理課題を解消した事例
スマートマットクラウドは、現在多くの医療機関に導入いただいています。導入をきっかけに衛生材料の在庫管理効率化に成功した事例をご紹介します。
この記事を書いた人

スマートマットクラウド 医療メディア編集部
医師をはじめとする医療従事者、医療業界の課題に精通している日本最大級の医療情報専門サイト 「m3.com」出身のライターが、医療業界の課題から業務効率化・DX推進までわかりやすく解説します!
【スマートマットクラウドとは?】
スマートマットの上にモノを置き続け、重さで数を数えるIoTサービスです。
ネジなどの部品、副資材・仕掛品・粉モノや液体の原材料まで、日々の在庫確認や棚卸・発注まで自動化します。