在庫管理術
医療消耗品の在庫管理とは?課題と効率化の方法を品目別に事例で解説
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今すぐ無料ダウンロード朝の処置の直前に手袋の箱を開けたら最後の1枚だった、滅菌ガーゼが切れていることに使う寸前で気づいた。
医療現場で消耗品を扱っていれば、一度は経験のある場面ではないでしょうか。手袋やマスク、注射器といった医療消耗品は、低単価で目立たない一方、欠品すれば診療が止まり、患者さんの安全にも直結します。
本記事では、医療消耗品とは何かという基本から、現場が抱えがちな在庫管理の課題、基本的な管理手順、そしてエクセル管理の限界とその先の効率化の方法までを整理して解説します。
医療消耗品とは?
このパートをまとめると!
医療消耗品とは、手袋・ガーゼ・注射器など、医療現場で日常的に使い捨てる低単価・高頻度の物品を指します。患者ごとに個別算定される診療材料とは区別されます。
医療消耗品とは、医療現場で日常的に使用し、使い捨てを前提とする物品の総称です。1点あたりの単価は低いものの、使用頻度が高く、品目数も多いのが特徴です。

主な品目を分類すると次のようになります。
- 衛生・感染防護関連:使い捨て手袋、サージカルマスク、ガウン・エプロン、手指消毒剤など
- 創傷・処置関連:ガーゼ、脱脂綿、絆創膏、サージカルテープ、包帯など
- 注射・採血関連:注射針、シリンジ、採血管、アルコール綿、輸液セットなど
- 検査・診断関連:採尿カップ、検査試薬、検査キット、電極パッドなど
診療材料・医療材料との違い
医療消耗品と混同されやすい言葉に診療材料や特定保険医療材料があります。明確な線引きは制度上の算定区分にも関わりますが、実務上の大まかな違いは次のとおりです。
- 医療消耗品:手袋・ガーゼ・注射器など、低単価で高頻度に使い捨てる物品。診療報酬で個別に算定されず、診療行為の中に包括されるものが中心
- 診療材料・特定保険医療材料:カテーテルやステント、インプラントなど、患者ごとに使用し診療報酬で個別に算定される、相対的に高単価な物品
なお、保険算定上の区分は診療報酬改定によって変わることがあるため、自院での厳密な分類は医事課など制度に基づく情報で確認することをおすすめします。
▶︎関連記事:医療材料の定数管理|病院コスト削減の方法とIoT・RFID・SPD比較
医療消耗品の在庫管理が難しい理由
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医療消耗品は低単価・多品目・複数部署で共有・属人化しやすいという特性から、在庫がズレやすく欠品も起きやすい構造的な難しさを抱えています。
医療消耗品の在庫管理が難しいのは、担当者の努力不足ではなく、消耗品ならではの構造的な特性に理由があります。
低単価ゆえに軽視され、気づけば欠品している
1点あたりの単価が低く小さな物品が多いため、どうしても管理の優先度が下がりがちです。「誰かが発注しているだろう」と互いに思い込んでしまい、実際には誰も発注しておらず欠品寸前まで気づかないケースも少なくありません。さらに、棚の手前にある在庫ばかりが優先的に使われることで、奥には期限切れ間近の在庫が眠ったままになってしまう、といった問題も生じます。
多品目を複数部署で共有し、全体量が見えない
同じ物品が病棟・外来・在宅など複数の部署で使われ、それぞれの棚に点在するように保管されることで、全体としていくつあるのかが誰にも把握できなくなります。
ある部署が一気に持ち出した結果、別の部署で「使いたいときにそこにない」という事態も起こりがちです。
発注が特定の人の経験に依存している
「この物品はいくつまで減ったら発注する」という判断が、ベテランスタッフの勘や経験の中にしかないケースは少なくありません。その人が休んだり異動したりすると、とたんに欠品や発注の混乱が起こります。属人化は、人手不足が続く医療現場にとって大きなリスクです。
外部環境による調達コスト・供給リスクも重なる
消耗品の原材料となるナフサなどの価格高騰は、医療消耗品の調達コスト増や欠品リスクとなって現場に降りてきます。外部要因に振り回されないためにも、手元の在庫を可視化し、無駄なく回す仕組みづくりが欠かせません。
欠品・過剰在庫が招くリスク
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欠品は診療の停滞や医療安全のリスクに、過剰在庫は期限切れによる廃棄ロスとコスト増につながります。どちらに偏っても現場と経営の双方に悪影響が及びます。
在庫管理が適切に行われないと、欠品と過剰在庫という両極のリスクが生じます。
- 欠品のリスク:必要な処置がすぐにできない、急な調達で割増の送料・特急対応コストがかかる、職員が切らしてはいけないという精神的プレッシャーを抱える
- 過剰在庫のリスク:使い切れずに期限切れで廃棄する、不安から各自が抱え込んで死蔵在庫になる、保管スペースを圧迫する
低単価な消耗品でも、廃棄ロスは塵も積もれば年間で相当な金額になります。にもかかわらず、その金額を誰も正確に把握していない、というのもよくある状態です。
医療消耗品の在庫管理の基本手順
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定数の設定・発注点の明確化・先入先出の徹底という管理の基本を押さえることで、属人化を減らし在庫のズレを抑えられます。
消耗品の在庫管理は、次の基本手順を押さえることで、誰が担当しても一定の精度で回せるようになります。
- ステップ1:定数を決める 品目ごとに常に保つべき基準量を設定します。使用頻度と納品リードタイムから逆算するのがポイントです。
- ステップ2:発注点を明確にする いくつまで減ったら発注するかをルール化し、特定の人の判断に頼らない状態をつくります。
- ステップ3:先入先出を徹底する 古い在庫から先に使う運用を徹底し、期限切れによる廃棄を防ぎます。棚の手前に古いものを置くなどの工夫が有効です。
- ステップ4:発注担当と記録を共有する 「誰が・いつ・何を発注したか」を共有し、二重発注や発注漏れを防ぎます。

エクセルでの在庫管理表の作り方と限界
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エクセルの在庫管理表は手軽に始められますが、入力の手間と人的ミス、リアルタイム性の欠如という限界があります。まずはテンプレートで運用を整えるのが第一歩です。
多くの現場では、まずエクセルの在庫管理表から始めます。品目名・定数・現在庫・発注点といった項目を列にして管理する方法です。低コストですぐに始められる点が最大のメリットです。
一方で、エクセル管理には次のような限界もあります。
- 在庫を数えてセルに入力する作業が手作業のままで、業務負担が残る
- 入力漏れや数え間違いといった人的ミスが起こりやすい
- いま実際にいくつあるかがリアルタイムには分からず、棚卸の時点でしか正確な数字が出ない
- 複数部署・複数人で同時に最新の状態を共有しづらい
まずは管理表のテンプレートで運用ルールを整え、それでも手間やミスが残る場合に、次に紹介する自動化を検討するのが現実的な進め方です。
医療消耗品の在庫管理を効率化する方法
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IoT重量センサーを使えば、在庫を数える・入力する作業そのものをなくし、減った分を自動で可視化・発注できます。属人化と業務負担を根本から解消する方法です。
エクセル管理の「数える・入力する」手間とミスを根本からなくす方法が、IoT重量センサーによる在庫の自動管理です。物品の下にマットを敷くだけで重量から在庫量を検知し、減った分をリアルタイムに可視化。設定した基準を下回れば自動で発注までつなげられます。
「在庫を数える」という作業自体が不要になるため、職員は本来の業務に集中できます。在庫の全体像が誰にでも見える状態になることで、属人化の解消にも直結します。
💡 ワンポイント
すべての物品を一度に自動化する必要はありません。まずは毎日使う、減りが早い・欠品すると困る衛生資材や消耗品から優先的に対象にすると、導入効果を実感しやすくなります。検査試薬など冷蔵保管が必要な消耗品も、冷蔵・冷凍に対応した機器であれば、庫内に置いたまま同じように在庫を自動管理できます。
▶︎関連記事:冷凍庫・冷蔵庫内の在庫管理【低温管理の課題、注意すべきポイント、おすすめのシステムとは?】
【品目別】医療消耗品の在庫管理 導入事例
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注射器・包帯から紙おむつ、歯科材料、点滴・採血セットまで、さまざまな医療消耗品の在庫管理を自動化した現場の事例を品目別に紹介します。
ひとくちに医療消耗品といっても、施設によって扱う品目は多様。ここでは代表的な管理品目ごとに、その品目ならではの管理の難しさと、実際に在庫管理を自動化した現場の事例を紹介します。自院でも使っている、消耗品をイメージし、在庫管理の課題を再認識しましょう。
注射器・包帯・チューブ
注射器や包帯、チューブ類は使用頻度が高く、品目数も多いため、手で数えて手書きで記録する運用では時間も労力もかかります。棚卸のたびに期限切れの在庫が見つかりやすいのも、消費が読みにくいこれらの品目ならではの課題です。
衛生資材(手袋・マスクなど)
手袋やマスクなどの衛生資材は、ほぼ毎日使われ、サイズも異なり、消費スピードが速いため、本来なら頻繁に数えて発注し続けなければなりません。その負担が特定の担当者に集中し、在庫管理が担当者しか分からない属人化を招きやすい品目です。
紙おむつ・リネン
紙おむつやリネン類はかさばるため保管スペースを大きく取り、適正在庫が把握しづらい品目です。欠品への不安から過剰に発注してしまい、倉庫を圧迫したり在庫が点在したりしやすいのも特徴です。
点滴・採血で使う物品
点滴や採血では、針・容器・保護テープなど複数の物品をセットで使うため、ひとつでも欠けると処置が滞ります。同じ物品が複数箇所に点在しやすく、必要なときに探し回る手間が生じやすい品目です。
歯科材料・グローブ・紙コップ
歯科医院では、治療用のグローブ・紙コップ・ノズルや各種歯科材料など、管理点数が非常に多いのが特徴です。置き場が雑然としやすく、マニュアルがないと担当者に在庫管理の業務が集中しがちな品目です。
まとめ
医療消耗品は低単価で多品目、複数部署で共有され属人化しやすいという特性から、在庫がズレやすく欠品も起きやすい構造を抱えています。まずは定数・発注点・先入先出という基本ルールを整え、エクセルの在庫管理表で運用を可視化することが第一歩です。
そのうえで、数える・入力する手間やミスが残る場合は、IoT重量センサーによる自動管理を検討することで、現場の負担と属人化を根本から解消できます。スマートマットクラウドの詳しい仕組みや導入効果は、以下の資料からご確認いただけます。
医療消耗品に関するよくある質問
医療消耗品と診療材料はどう違いますか?
医療消耗品は手袋やガーゼ、注射器のように低単価で高頻度に使い捨てる物品で、診療報酬に包括されるものが中心です。一方、診療材料・特定保険医療材料はカテーテルやステントなど、患者ごとに使用して診療報酬で個別に算定される、相対的に高単価な物品を指します。厳密な算定区分は診療報酬改定で変わることがあるため、自院での分類は医事課等でご確認ください。
医療消耗品の在庫管理はエクセルでもできますか?
可能です。品目・定数・現在庫・発注点を列にした管理表を作れば、低コストですぐに始められます。ただし、数えて入力する手間や人的ミス、リアルタイムに在庫が分からないといった限界があるため、規模や品目が増えると自動化の検討が現実的になります。
どの品目から在庫管理を見直すとよいですか?
「毎日使う」「減りが早い」「欠品すると困る」物品から優先的に見直すのが効果的です。手袋やマスク、ガーゼといった消費スピードの速い衛生資材は、管理の改善効果を最も実感しやすい品目です。
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