在庫管理術

MES【製造実行システムの導入目的や機能、メリットとは?】

製造実行システム
目次

MES(製造実行システム)とは何か?【製造現場の工程管理を支援】

MESとは「製造実行システム」とも呼ばれ、製造工程の把握、管理、作業者への指示を行うシステムのことです。
生産管理システムのひとつであり、整備・機械・作業者といった生産資源をムダなく活用生産性を向上することを目的として導入されるものです。




製造実行システムの定義

MESは工場の生産ラインの各製造工程と連携しているのが特徴で、リアルタイム在庫状況や工程進捗を把握することができます。

今回はMESの概要や製造業でMESの導入が急速に進んでいる背景、MESの役割と機能について解説。
さらに工程管理の自動化を加速させるシステムを紹介します。

 

在庫管理・発注を自動化する

MESの業務範囲とは?

実行層レイヤーを担当するMES

製造業は大きく、計画層、実行層、制御層の3つの管理レイヤーに分けることができます。MESは2つ目のレイヤーである実行層に該当するシステムです。

3つの管理レイヤー

3つの管理レイヤー

  • 計画層(EPR):基幹系のシステム。 受発注管理や生産計画、販売管理などを担う
  • 実行層(MES・MOM):工程管理・製造管理システム。上下の階層と連携し生産現場で使用される
  • 制御層(SCADA・DCS・PLC):設備・機械の制御システム。

MESは企業全体の経営指標や生産計画を管理する基幹システムと現場の生産設備を動作させる機器制御システムとの中間位置にあり、両者の橋渡しをする役割もMESが担っています。

 

生産管理システムとMESの違い

MESは生産管理システムのひとつと言えます。その違いはMESが製造工程に特化したシステムであるということ。MESは製造業の製造工程を管理する工場管理者のためのシステムで、生産現場で活用されるものです。

MESとMOMの違い

同じ実行層にはMOM「製造オペレーション管理システム」があります。
MOMとMESの違いですが、MESの進化系にあたるのがMOMで、より自動化を推進しスマートファクトリー化を実現します。


→MOMについて詳しくはこちらの記事を参照

 MES普及の背景

労働人口の減少と技術継承の課題

MESは1990年代に発祥し、2000年を過ぎてから日本でも普及が始まりました。

MESの普及の背景に製造業全体の労働人口減少と、製造業従事者の高齢化問題があります。

これまでは、製造計画と工程管理間の情報のやり取りは主に紙ベースで行われていました。必要な情報を手動で処理し、人と人とのやり取りで、伝達し、現場のベテラン作業員の技術と経験に頼って作業する、という製造業従来の方法が使えなくなりつつあります。

製造業は、MESを導入して、生産プロセスの可視化を図る業務改革を余儀なくされています。

MESの機能【MESがデジタル化する11の業務】

     

MESによる製造現場での作業者の指示や支援はどのように行われるのでしょうか。
アメリカのMES推進団体「MESAインターナショナル」は、MESの機能を11項目に区分しています。

  • 作業スケジューリング:生産計画に基づきスケジュールを策定する
  • 生産資源の配分と監視:人や設備のリソースを配分・監視・管理する
  • 作業環境の整備:工場内を集中力を保ちやすい温度・湿度、確認しやすい明るさを保つ
  • 差立て・製造指示:差立て・作業指示を出す
  • 実績分析:計画と実績を比較し現状をレポートする
  • 保全管理:生産設備を保全する
  • 工程管理:工程と工程間を制御する
  • 品質管理:品質情報を収集・分析・管理する
  • データ収集:生産に関するデータを収集・管理・分析する
  • 製品追跡と生産体系管理仕掛品の追跡と次工程管理をする
  • 作業者管理:作業者の作業状況を管理する
  • 文書管理:生産作業に必要な文書・記録を管理する

mesの11の機能


企業はMESで11の機能を全て網羅する必要はありません。自社にあう機能を選択しスクラッチ開発やパッケージ開発で、MESを構築していく方法が一般的です。

MESを導入するメリットとは

MESがもたらす6つのメリット

製造業でMESを導入するメリットは以下のようなものがあります。

MES導入のメリット

 

  • 品質向上
  • 生産業務の標準化
  • トレーサビリティの確立
  • 製造コストの削減
  • 部門間の連携の強化
  • 生産性向上

品質向上

異常検知機能によって不良品を出さないこと、製造データの分析によって改善のスピードをあげることが製品の品質保持や品質向上に役立ちます。

生産性向上

リアルタイムで生産状況を把握し人・モノ・設備の生産資源を適切に分配できます

業務の標準化

技術の高い作業員の作業の進め方を再現可能かどうか確認し共有することで、業務の標準化と技能の伝承が効率よく行えます。

トレーサビリティの確立

製造作業のデータを取得し蓄積します。ロット情報と工程作業の情報を紐づけることができます。

製造コストの削減

作業状況・在庫状況が可視化されるため、ムダを無くし製造コストの削減に貢献します。

部門間連携の強化

生産情報が数値としてデータで蓄積されるため、連絡・報告の負担を負わずに製造部門と設計部門等部門間、工程と工程間の連携を強化できます。

MESを導入をする上での注意点

作業の自動化をすすめるのに役立つMOMですが、運用のために様々なデータを集め登録する作業に工数を取られることが多々あります。

具体的に例を挙げると次のような作業が発生します。

  • 在庫管理のために、膨大な点数の原材料、部品、仕掛品を棚卸し、数値を入力する
  • 入出庫管理のためにバーコードやタグを取り付けスキャナで読み取り、システムにデータを転送する

こうした作業は現場の作業員に作業負担がかかり、スマートファクトリーの実現から遠ざかっているケースも数多くあります。

製造現場を支援するIoTシステム「スマートマットクラウド」

当社のスマートマットクラウド重量センサーを搭載した在庫管理システムです。
スマートマットに載せた物品の重さをリアルタイムで計測し、データを記録するシステムで、製造業をはじめさまざまな業種で導入されています。

工数がかかる部品や中間品をスマートマットに載せると正確に数量を計測しデータ保存するので、棚卸やシステム入力の作業は不要です。

 

スマートマットクラウドのイメージ

現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、簡単に生産管理の効率化が実現できます。スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。

あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます。

さまざまな自動発注に対応

お客様の発注先に合わせた文面でメール・FAXの送信が可能です

在庫圧縮を促進

推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します

置く場所を選びません

スマートマットはA3サイズ〜A6サイズまでの4サイズ展開。ケーブルレスで、冷蔵庫・冷凍庫利用も可能。

API・CSVでのシステム連携実績も多数

自社システムや他社システムと連携を行い、より在庫管理効率UPを実現します。

詳しく見る

 

\3分でわかる!スマートマットクラウド/

  • サービス資料を読んでみる(無料)

関連記事

\3分でわかる!スマートマットクラウド/

  • サービス資料を読んでみる(無料)

人気事例

\3分でわかる!スマートマットクラウド/

  • サービス資料を読んでみる(無料)