在庫管理術
OCR×在庫管理【特徴・読み取り機・ソフト・メリットとデメリット・OCRによる在庫管理とIoTの比較】

OCRとは
OCR(読み方:オーシーアール)とは、Optical Character Reader(またはRecognition)の略で、画像データのテキスト部分を認識し、文字データに変換する光学文字認識機能のことです。
具体的にいうと、手書きや印刷された文字をハンディスキャナーやイメージスキャナ、デジタルカメラなどの読み取り機で読み込み、書かれている文字を認識してデジタル化する技術です。
コンピュータが自動的に読み取ることができない画像データのテキスト部分を文字データで認識するため、文字を手書きやキーボードで入力する面倒な作業から開放されます。
この記事では、業務効率化、ペーパーレス化、働き方改革をサポートするOCRについて、特徴・読み取り機・OCRソフト・メリットとデメリットをわかりやすく解説していきます。
また、在庫管理をするにあたり、OCRと合わせて検討したいIoTを使った話題のソリューション「スマートマットクラウド」との比較もご紹介!
OCR読み取り機(スキャナー、リーダー、ハンディターミナル)とは
OCRには、手書きや印刷された文字をハンディターミナルやイメージスキャナ、デジタルカメラなどの専用の読み取り機が必要です。
有名メーカー各社から業務用、高速読み取り用などの読み取り機が発売されており、価格も1万円前後から数万円までさまざまです。
OCRソフトとは【市販・フリーソフト・アプリ】
OCRソフトとは、スキャナなどの読み取り機で読み取った画像データを、テキストデータに変換する文字認識ソフトウェアです。
テキストデータなどをスキャンして文字データを作成するOCR専用ソフトのほか、PDFの帳票をエクセルに変換したり、名刺管理を行ったりすることもできるOCR機能付きのPDF編集ソフトまで、こちらも数千円から数万円までさまざまな種類が発売されています。
なお、OCRフリーソフトや無料アプリも多く存在しますが、機能制限や認識精度の面で不十分な場合があるため、導入時は業務要件や品質基準を十分に確認し、慎重に選定することが重要です。
Google ドライブのOCR機能
Google ドライブには、OCR機能が標準で搭載されています。Google アカウントがあれば、誰でもフリーで利用することができます。無料版の場合は15GBの容量制限。有償の契約では定額無制限で利用可能です。
使い方は以下の通りで、とても簡単です。
①Googleドライブに画像をアップする
②右クリックから「アプリで開く>Googleドキュメント」を選択する
ただし、Google ドライブのOCR機能では
- 手書きの文字
- 変わったフォントを使用したファイル
等は、正確に変換出来ない場合もあります。
OCRのメリット・デメリット
OCRを導入、活用することで以下のようなメリットとデメリットがあげられます。
メリット
- 業務効率化
- 手書きや入力作業の削減・人的負担の削減
- 紙資料データの保管スペースが削減
- 過去データの管理・検索や分析がスムーズになる
デメリット
- 文字認識精度は100%ではない
- OCRソフトやOCR読み取り機(スキャナー、リーダー、ハンディターミナルなど)の導入コストがかかる
OCRを使った在庫管理
業務効率化においてメリットの多いOCRが、在庫管理業務の現場ではどのように使用され、どんなメリットやデメリットがあるのかを見ていきましょう。
OCRを使った在庫管理とは、文字認識機能を備えたハンディターミナルを使い、賞味期限、使用期限、ロット情報などを読み取り、棚卸や資材・商品の在庫数を把握し、発注をスムーズに行う方法です。
バーコードや二次元コードが貼られていない場合でも、現品票や作業指示書、段ボールなどに明記されている文字を読み取り在庫管理の業務効率化ができるメリットがあります。
一方でOCRは紙・ラベル・伝票に記載された情報を読み取って在庫管理に反映するには有効ですが、以下のような在庫には不向きです。
- ラベルがない在庫(部品・小物・生鮮食品)
- 数量変動が激しい在庫(ディスポーザル品)
- 印字が汚れやすい在庫(粉体・液体・屋外資材)
新技術「AI OCR」の登場
AI OCRとは?
AI OCRとは、従来のOCRにAI(人工知能)を組み合わせた技術です。手書きや印刷のばらつきや、画像解像度の低さ、複雑なレイアウトや多言語が混在したテキストにも対応し、従来よりも高い認識精度を実現します。
AI OCR活用のメリット
AI技術の導入により、OCRを活用した在庫管理業務には次のような付加価値やメリットがあります。
- 高度な認識精度:読み取りエラーを大幅に減少させます
- 高速処理:ドキュメント処理を自動化し作業時間とヒューマンエラーを削減します
- 柔軟な対応力:多言語や多様な文書フォーマットに対応しグローバルに適用できます
- 物流部門への適用:配送ラベルや納品書を読み取り、入出庫を即時反映します
OCR管理が難しい在庫管理の課題を解消するIoTとは
OCRは帳票やラベルを読み取ることで在庫情報をデジタル化できる便利な技術ですが、すべての在庫に対応できるわけではありません。特に以下のような在庫は、OCRでの管理に限界があります。
これらの在庫に対して有効なのが重量IoTによる在庫管理です。商品の重さをIoTセンサーで常時計測することで、ラベルの有無や文字の読取精度に依存せず、数量の変動をリアルタイムに把握することが可能になります。
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