在庫管理術
ハンディターミナル×在庫管理|ハンディターミナルの使い方や種類・機能・メリット・デメリット

ハンディターミナルを使った在庫管理とは
*画像はイメージです
ハンディターミナル(HHT)とは、携帯性に優れたデータ収集用端末のことです。宅配業者が、荷物の集荷や配達の時に小型の端末でピッとバーコードを読んでいる様子はおなじみの光景ではないでしょうか。
在庫管理では、バーコードやQRコードををハンディターミナルで読み込み、管理の作業効率を高めることができます。
現在ハンディターミナルは、物流・製造・小売業などさまざまな業界の在庫管理の現場で使用されています。
この記事ではハンディターミナルを使った在庫管理の方法や、在庫管理にハンディターミナルを導入するメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
また、ハンディターミナルのデメリットを解消し、スムーズかつ効率的に在庫管理を行うことができる話題のIoTを使った在庫管理システムもご紹介!
ハンディターミナルを使った在庫管理の方法
ハンディターミナルを使った在庫管理の方法について実際の流れを見てみましょう。
- 商品のバーコードやQRコードをハンディターミナルでスキャンする
- スキャンした商品情報をパソコンへ送信する
- 商品情報を在庫データに反映させ、パソコンで管理する
このように、パソコンの画面上で在庫数などの確認が行えるため、棚卸、入出庫管理、発注業務などもスムーズに行えます。
ハンディターミナルの種類
ハンディターミナルには、通信方式の違いにより、データをリアルタイムに連動できる「無線タイプ」と、本体にデータを溜めておき、中継機を通じて後でまとめてデータ通信する「メモリタイプ(バッチタイプ)」の2種類に分けられます。
無線タイプ
読み込んだデータを蓄積するのでなく、その都度、無線でデータを送受信していくタイプ。各作業の進捗状況や商品の在庫数などをリアルタイムに把握できます。
メモリタイプ(バッチタイプ)
データを読み取るごとに無線で転送する無線タイプとは異なり、ハンディターミナルにデータを蓄積し、後でまとめてパソコンにデータを受け渡すので、データにややタイムラグが生じます。
中継器(置台・通信ユニット)にデータを蓄積したハンディターミナルを置いて、ファイル転送によりシステムと連携。Wi-Fi(無線LAN)がなくても利用できるというのが大きな特徴です。
ハンディターミナルの機能
ハンディターミナルの基本的な機能は次の5つ。
- バーコードやQRコードの読み取り
- キー入力
- 読み取ったデータの蓄積
- 読み取ったデータをリアルタイムにWi-Fi(無線LAN)で送受信
- 送受信したデータをパソコン画面などに表示
ハンディターミナルとハンディスキャナーの違い
ハンディターミナルとハンディスキャナー。2つともデータ処理に使う端末ですが、できることに違いがあります。
ハンディスキャナーがデータの読み取りだけ行うのに対して、ハンディターミナルはキー入力、データ処理、データ送受信、データの蓄積まで幅広い業務をこなすことができます。
ハンディスキャナーの例がPOSレジ。レジのスキャナーは単体では使用できず、本体であるレジと連携が必要です。ハンディスキャナーでは在庫管理はできません。
一方ハンディターミナルは、端末単体で使えるのが大きな特徴です。データの蓄積やパソコンに送信できるため、在庫管理も行えます。
ハンディターミナルで在庫管理を行うメリット
ハンディターミナルを在庫管理に導入するメリットをまとめてみました。
▼ ハンディターミナル導入のメリット
- 入出庫管理が簡単になる
- 棚卸の精度が向上する
- トレーサビリティ*管理やロット管理が可能になる
ハンディターミナルを導入すると、バーコード読み取りで半自動で入出庫数を記録、把握することができます。
無線タイプなら情報をシステムに自動で反映。データの転記が不要になり、目視確認に比べると人為的ミスが少なくなります。
棚卸ではカウントミスの防止や、不正を防止するために通常2人1組で在庫をチェックする必要がありますが、バーコード読み取りなら1人で棚卸作業を進めることが可能です。
さらに、QRコードなら、標準のバーコードの約20倍の情報が保存できるため、賞味期限や製品ロットなどの商品情報までより詳細な在庫管理が可能になります。
その製品がいつどこで誰の手によって製造されたかという情報が搭載されたQRコードを、ハンディターミナルで読み込むだけで、それらの情報をパソコンで管理することもできます。
*トレーサビリティ:製品が「いつ、どこで、どのように、誰によって、何で」作られたのかという部分を見える化し、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすること。
ハンディターミナルで在庫管理を行うデメリット
多機能なハンディターミナルによる在庫管理にはデメリットもあります。
▼ ハンディターミナル導入のデメリットと課題
- 導入や運営に費用がかかる
- システム設計や作業の標準化に時間がかかる
- スキャン漏れ・通信エラーがある
- 管理商材が多いとバーコードを貼る作業が逆に負担になる
- 食材や細かくて数の多いもの、液体など、バーコードを貼れない商材の管理ができない
ハンディターミナル端末はやや価格が高いのが欠点。端末を用意するだけでなくシステムの設計・設定にも費用がかかり、既存のシステムとの連携や従業員が作業に慣れるまでに時間もかかります。
また、ハンディターミナルを導入するには商品情報を読み込むためのバーコード二次元コードが不可欠で、コードが貼り付けられるものしか管理ができません。
読み取り自体は人間が行うため、スキャン漏れや、入力ミス、環境による通信エラーが発生する可能性があります。
ハンディターミナルより簡単に在庫管理!スマートマットクラウド
在庫管理の課題をヒアリングする際、「ハンディターミナルの導入を検討したけれど、バーコードやQRコードの取り付けの手間や入出庫のたびに、スキャンをする手間を考えると現実的ではない」という声をたくさんお聞きしました。
ハンディターミナルよりもコストを抑えて導入でき、しかも業務負担がかからない在庫管理システムがIoTを使ったシステム「 スマートマットクラウド」です。
現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、簡単に自動化が可能です。スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。
あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます。
さまざまな自動発注に対応
お客様の発注先に合わせた文面でメール・FAXの送信が可能です
在庫圧縮を促進
推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します
置く場所を選びません
スマートマットはA3サイズ〜A6サイズまでの4サイズ展開。ケーブルレスで、冷蔵庫・冷凍庫利用も可能。
API・CSVでのシステム連携実績も多数
自社システムや他社システムと連携を行い、より在庫管理効率UPを実現します。
ハンディターミナルとその他のソリューションとの比較表
導入済企業からのヒアリングに基づいて、ハンディターミナルを使ったバーコードやQRコードシステム・ICタグを読み込むRFIDシステム・スマートマットクラウドの機能や業務負担や導入スピードについて比較表を作成しました。
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バーコード |
RFID |
スマートマットクラウド |
業務負担 |
毎回スキャン |
毎回スキャン |
マットの上に在庫を載せるだけ |
遠隔管理 |
できない |
できない |
できる |
コスト |
導入費用が比較的安価 |
導入費用・導入後の費用共に高額 |
導入費用が比較的安価 |
*RFIDを使った在庫管理の詳細については「RFID×在庫管理」の記事を参照してください。
業務負担
ハンディターミナルを使った在庫管理は、
・その都度、人によるスキャン作業が発生。
・バーコードが貼られていない在庫に、バーコードを発行し、貼るという手間もかかる
一方、スマートマットクラウドは、重量を自動計測するためスキャンする手間が発生しません。
遠隔管理
ハンディターミナル は在庫保管場所付近でバーコードを読み込む作業が必要です。
スマートマットクラウドは自動で在庫数を検知し、クラウド上で確認できるので、在庫保管場所まで行くことなく遠隔から残数を確認できます。
導入コスト・運用負担
ハンディターミナル導入には、ハンディターミナル やシステム、ソフトウェアの購入費がかかります。
一方、スマートマットクラウドは、自動でモノの在庫を検知するマットと、クラウド上でデータを管理し、自動発注まで行うシステム利用料までが含まれています。
新たにその他の機器やソフトウェアが必要ないので、導入コストも抑えられます。
ハンディターミナルの費用負担が大きく運用にも手間がかかる、とお悩みの企業様、ぜひ一度お問い合わせください。
ハンディターミナルとスマートマットクラウドの併用も可能!
・トレサービリティ管理が必要な一部の製品はハンディターミナルで管理
・在庫数をリアルタイムで管理したい場合は、コストを抑えて手間をかけることなくスマートマットクラウドで管理
という具合に、在庫の特性に合わせてハンディターミナル とスマートマットクラウドを併用し、使い分ける導入事例もあります。
在庫の性質によって管理方法を変え、在庫管理トータルのコストと手間を最適化しましょう。