在庫管理術
歯科医院の5S|院内の環境整備をすすめる5S活動とは

歯科医院の5Sとは
経営課題として5S活動への取り組みに本腰を入れる歯科医院が急増中です。
歯科医院向けの5Sについて学ぶセミナーや、コンサルタントによるサポートの需要が高まりつつあります。
5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・躾」のことで、もともとは製造業から生まれた活動のこと。
おおまかにいうと、院内の整理・整頓・清掃を行い、その清潔な状態を保つことをスタッフ全員の間でルールとして定め、定着させることを意味しています。今回は歯科の医療現場で5Sに取り組む目的と、5S活動の内容、5S活動の進め方について解説します。
また、院内に5Sへの取り組みをサポートする話題のIoTツールと導入事例もご紹介!
歯科医院が5S活動に取り組む目的
歯科医院やクリニックなど医療現場で、5S活動に取り組む目的は次の3点です。
- 安全な医療の提供
- 働きやすい環境整備
- 患者からの信頼獲得
5Sによって院内の環境整備がすすむと、医療機関でもっとも重要である事故の予防につながるため、医療安全性が向上します。
また歯科経営上のメリットも大きく、モノが少なくなることでスタッフが無駄のない動きが取れるようになり、業務効率の改善が期待できます。
整理整頓の結果、清潔で片付いた空間は、来院している患者に安心感と信頼を与えます。
歯科医院の5Sの内容
「整理」の定義と概要
歯科医院の整理とは、不要なものを捨てること。
不要なものとは、使用していないもの、使用期限が切れたもの、保管義務のないものことをいいます。
歯科医師法により一定期間の保管が義務づけられているものは、期間内は場所を決めて収納します。期間を超過したものについては電子化してから処分など、院内のルールを決めて定期的に整理します。
●一定期間の保管が義務付けられている記録物
記録物 | 法定保管期限 |
---|---|
カルテ | 5 年間 |
エックス線フィルム | 2 年間 |
処方せん※ | 2 年間 |
歯科技工指示書 | 2 年間 |
診断用模型 | 3 年間 |
※現行は医療法施行規則で2年ですが、薬剤師法改正で5年へ延長する方針(2025通常国会提出予定)となっています。
「整頓」の定義と概要
歯科医院の整頓とは、必要なものをすぐに取り出せる状態にすること。次の2工程を経て行います。
- 物品ごとに置き場所を決める
- 決定した置き場所を共有する
整頓のポイントは、誰が見ても分かるように置き場所にラベルやプレートやラベルをつけて見える化を意識することにあります。
歯科医院の中で整頓が特に難しい場所は、キャビネットの中です。キャビネットの中は目が届きにくく、細かい歯科材料が多数収納されているためです。
- 処置ごとに使う物品をまとめて収納する
- 使用頻度が高いものが上段にくるように収納する
- 同じ段の中では使用頻度が高いものが手前にくるように収納する
という具合に基本となるルールを決めて共有しておくと、整頓された状態を維持しやすくなります。
棚の中まで整然と管理されている消耗品(MI総合歯科クリニック様導入事例より)
清掃
歯科医院の清掃とは、院内を掃除してきれいにすること・点検することです。
誰がおこなっても同じレベルのきれいさになるように基準を定め、いつどんな方法で掃除をするかルールを決めます。
また掃除の後に点検を欠かさずおこなうことで、異変があった時に早期に気づくことができます。その際に患者の視点も考慮したチェックシートを作成し、汚れの溜まりやすいポイントが目標に定めた基準まできれいになっているかを確認すると効果的です。
「清潔」の定義と概要
歯科医院の清潔とは、整理・整頓・清掃の3Sを行いクリーンな環境を維持すること。歯科医療現場では、院内感染のリスクを下げ安全に治療をおこなうために、常時清潔な状態をキープする必要があります。
標準予防策であるスタンダードプリコーション※の徹底を心がけます。
※スタンダードプリコーション:医療が提供される現場で実施される標準的な感染対策。手指衛生や個人防護具の適切な使用、血液媒介病原体曝露防止、患者の配置移動などのルール
「しつけ(躾)」の定義と概要
歯科医院のしつけとは、意識しなくても院内に、整理・整頓・清掃・清潔が定着することです。5Sの中ではしつけがもっとも難しいと言われています。
- 院長自らが5S活動に取り組む方針を示す
- 院長・医師・技工士・助手・衛生士・受付全員で分担し取り組む
ことが5S活動を成功させるポイントとなります。
歯科医院の5Sの活動の難しさ
院内スタッフがその重要性を理解していても、定着が難しいのが5S活動です。
歯科医院の5S活動を難しくする原因は以下のようなものです。
- 自院にあった仕組みづくりが難しい
- 5S活動のために十分な時間や人手が確保できない
このような問題を解決し、院内です5S活動の定着に役立つ在庫管理システム「スマートマットクラウド」を紹介します。
●スマートマットクラウドの導入メリット
- 整理されていない環境→品目の定置管理・整理整頓・置き場の見える化
- 期限切れ在庫や不動在庫→発生の予防
- 在庫置場や発注ルールの共有・教育不足→管理画面で在庫情報を簡単共有
- 5S活動の時間がとれない・人手不足→在庫管理と発注の自動化でスタッフの負担を軽減
スマートマットクラウドで発注・在庫管理を自動化
5Sを“置くだけ”で徹底
現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、貴院でも簡単に在庫管理の自動化が可能です。院内の整理・整頓を維持しながら、使い捨て資材や薬剤の残量を自動で見える化。
スマートマットクラウドなら、次の3ステップで在庫管理と発注業務を「5S の仕組み」に組み込めます。
スマートマットを設置
カウンターやキャビネットにマットを敷き、グローブ・消毒液・印象材など載せるだけ。
クラウドで一元管理
重量変化を自動検知し、残量・使用履歴・消費ペースをリアルタイムで可視化。
タイミングを逃さず自動発注
あらかじめ設定した下限値に達すると、貴院で現在お取引のあるCiモール、FEEDデンタル、P.D.R.オンラインなどの主要ディーラーに対し自動で発注を行うことができます。欠品・過剰在庫を同時に防ぎます。
歯科医院が得られるメリット
- 整理・整頓
棚卸し不要でストック場所がすっきり。探し物ゼロへ。 - 清潔・清掃
開封済み箱の放置を防ぎ、交差汚染リスクを低減。 - 躾
発注基準を数値化し、管理の属人化から脱却。新人スタッフも同じ品質で運用可能。 - コスト最適化
過剰購入・緊急手配を削減し、月間コストを圧縮(導入歯科医院実績)。
5S活動の定着に貢献。スマートマットクラウド導入事例
スマートマットクラウドは、現在多くの歯科医院に導入いただいています。導入をきっかけに院内の5Sへの取り組みが加速した事例の一部をご紹介します。
この記事を書いた人

スマートマットクラウド 医療メディア編集部
医師をはじめとする医療従事者、医療業界の課題に精通している日本最大級の医療情報専門サイト 「m3.com」出身のライターが、医療業界の課題から業務効率化・DX推進までわかりやすく解説します!
【スマートマットクラウドとは?】
スマートマットの上にモノを置き続け、重さで数を数えるIoTサービスです。
ネジなどの部品、副資材・仕掛品・粉モノや液体の原材料まで、日々の在庫確認や棚卸・発注まで自動化します。