在庫管理術
国民皆歯科健診|健診の概要と歯科医院の準備ポイントとは?

国民皆歯科健診とは?
いつから実施?
国民皆歯科健診(読み方:こくみんかいしかけんしん)は、すべての世代が生涯にわたり定期的な歯科健診を受けられるようにする制度です。
2025年5月現在、制度の詳細(費用負担の有無や開始時期など)はまだ確定していません。政府・関係団体で制度設計が進められている段階です。
一般に「歯科健診」と聞くと歯科医師が口腔内を直接診るスタイルを想像しがちですが、コスト低減策として唾液検査を組み込む方式も検討されています。唾液中のバイオマーカー測定は歯科医師不在でも実施でき、歯周病の早期スクリーニングに有効です。スクリーニング陽性者を歯科受診に結び付けることで、早期治療の機会を拡大できます。
国民皆歯科健診のねらいと背景
日本人の歯の喪失原因のうち、約9割がう蝕(虫歯)と歯周病で占められています。
厚生労働省はこれまでも歯の喪失リスクを下げるため、定期的な歯科検診を受信し、う蝕や歯周病などの歯科疾患早期治療を呼びかけてきました。
定期検診受診は歯の健康の維持だけでなく、全身の病気を抑制することにもつながります。特に歯周病は、狭心症・心筋梗塞、糖尿病や認知症など全身の疾患に深い関係があることが研究で明らかになっています。
国民皆歯科健診の実施によって将来的に国民の健康寿命を延ばし、国民医療費の大幅な削減をしたいという考えが、国民皆歯科健診導入の背景にあります。
国民皆歯科健診の影響
歯科業界への影響
国民皆歯科健診制度が始まると、次の変化が見込まれます
- 新規患者の増加
- 来院目的のシフト – 「治療中心」から「予防中心」へ
健診結果をきっかけに自覚症状のない人が通院を開始し、歯周病と全身疾患の関係を知った患者は自発的・定期的に検診を受けるようになるでしょう。
自費の予防ケアや口腔ケア用品への支出も伸びると予想されます。
各歯科医院は、こうした需要増を見越して計画的な受け入れ体制の整備が急務です。
これまでかかりつけ医を持っていなかった新規患者から、選ばれる体制づくりをいち早くスタートしましょう。
取り組んでおきたい準備
国民皆歯科健診が本格的にはじまると、予防処置やクリーニングを担当する歯科衛生士の需要が今以上に高くなることが予想されます。しかし現段階で既に、歯科衛生士の人数が足りない、募集をかけても採用できない等、院内の人手不足に直面している歯科経営者は少なくありません。
人手不足のため新規の患者の受け入れが難しい、定期検診のリコールまで手が回らない、ということにならないように、手を打つ必要があります。
検診受診先として選ばれるには?
集患で差をつけるポイント
さらに今後は患者側は、虫歯が進行し痛みに耐えかねて駆け込んだ歯医者にそのまま通い続けるというより、信頼できる歯医者を探し、長期に渡って足を運ぶという受診スタイルに変わっていくと予測できます。かかりつけ医への要求水準は、今より高くなることは避けられそうにありません。
新たなボリュームゾーンと目されているのが「社会人世代」。働き盛りで多忙なこの世代に選ばれる歯科医院には次の要素が求められます。
- 丁寧でわかりやすい説明
- 親切な受付・電話対応
- アクセスの良さ
- 忙しくても通える予約枠
- 待ち時間の最小化
選ばれるためのポイントにいち早く着目し、ホスピタリティ向上にむけて院内改革に着手するクリニックが急増しています。
国民皆歯科健診への備え
院内DXの推進
限られたスタッフで高品質な医療を提供する鍵は、DXによる業務効率化。まずは在庫管理や予約管理など日常業務から自動化すると効果が大きいです。
スタッフを診療と並行して行っていた定例業務から解放することで、業務負担もストレスも軽減し、離職を予防する効果が期待できます。
さらに、本業である技術向上や接遇のスキルアップが可能になります。
栄駅前矯正歯科クリニック 理事長芝崎龍典先生導入インタビューより
在庫管理は歯科衛生士にとって、最もストレスが大きく、時間も使う仕事。採用が難しく人手不足になりがちな衛生士が抱えている地味な仕事をどうにかしてコンパクトにしてあげたい、という願いを叶えることができました。
在庫に費やしていた時間は、私がスタッフの技術を見て直接指導する時間にあてていきたいのです。
人手不足を在庫管理ツール「スマートマットクラウド」で解消
発注ミスを解消する在庫管理システム、スマートマットクラウドを紹介します。
スマートマットクラウドは、在庫確認だけでなく発注まで自動化。
スマートマットクラウドを経由したFAXや発注メールによる自動注文に切り替えることで、看護師、歯科助手、医療事務スタッフを手間がかかる発注書作成や確認作業から解放。
スマートマットクラウドが歯科医院の人手不足を解消、重要業務に集中できる環境作りをお手伝いします。
在庫管理システム「スマートマットクラウド」で業務効率化
現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化する「スマートマットクラウド」を使えば、貴院でも簡単に自動化が可能です。スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。
あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます。
さまざまな自動発注に対応
「スマートマットクラウド」は、メール・FAXに加え、医薬品やディスポーザブル製品の受発注などに広く使われている標準商品コード「メディコード」を使ったAPI連携により、貴院で現在お取引のあるCiモール、FEEDデンタル、P.D.R.オンラインなどの主要ディーラーに対し自動で発注を行うことができます。
豊富なサイズ展開のスマートマット
- 倉庫室のラック上
- 診療エリア備え付けの棚の中
- 引き出しの中
貴院のスペースや使用状況、導線に合わせた設置が可能です。
次の章では、実際にスマートマットクラウドを導入した歯科医院の導入事例をいくつかご紹介します。
スマートマットクラウド導入事例
スマートマットクラウドは、現在多くの歯科医院にご利用いただいています。スマートマットクラウド導入によって業務効率化を実現した事例をご紹介します。
(参照)
- 厚生労働省「歯科口腔保健の推進に向けた取組等について」(令和7年度予算案説明資料・2025年3月10日公表)
- 厚生労働省「就労世代の歯科健康診査等推進事業(モデル歯科健診)実施要領」(2025年3月公表
- 厚生労働省「歯科口腔保健の推進に向けた取組等について―骨太の方針2024 関連資料」(2025年3月)
- 厚生労働省「歯科口腔保健の推進に向けた取組等について―骨太の方針2023 関連資料」(2024年)
- 厚生労働省「就労世代の歯科健康診査等推進事業 成果報告書(費用試算:1人あたり平均4,328円)」(2025年)
- 相沢歯科医院コラム「国民皆歯科健診とは?そのなかで行われる唾液検査についても解説」(2025年3月掲載)
この記事を書いた人

スマートマットクラウド 医療メディア編集部
医師をはじめとする医療従事者、医療業界の課題に精通している日本最大級の医療情報専門サイト 「m3.com」出身のライターが、医療業界の課題から業務効率化・DX推進までわかりやすく解説します!
【スマートマットクラウドとは?】
スマートマットの上にモノを置き続け、重さで数を数えるIoTサービスです。
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