在庫管理術
在庫管理表【作り方と作成時の注意点を解説】
在庫管理表とは?
在庫管理表(inventory control form) とは、在庫管理の際に必要な在庫リストの要素を記録し計算するための表のことをいいます。
この記事では在庫管理表の概要と作成の目的、作成の注意点や、効率のよい作成方法を解説します。
在庫管理表を利用する目的
在庫管理の目的は
- 適正な在庫を持って欠品を防ぐこと
- 在庫の無駄を無くして利益を最大化すること
にあります。在庫管理表はこの在庫最適化のプロセスで活用します。
在庫管理には、
- 在庫状況や消費スピードを正確に把握する
- 理想的な在庫の状態を考える
- 適正な個数を適正なタイミングで発注する
という3つの段階があります。まず棚卸や入出庫の際に、在庫管理表に在庫数を記入することで、消費スピードのデータを取得できます。適切な在庫数を割り出して発注の閾値や発注量を改善し、欠品や過剰在庫を回避します。
在庫管理表の種類
在庫管理表は在庫管理の業務によって形式が異なります。ひとつの在庫をひとつの表で管理する単票タイプと、複数の在庫をひとつの表で管理する在庫移動タイプとがあります。
在庫管理表作成時の注意点
在庫管理表を記入する際にどのような点に注意すればよいのでしょうか。
- 必要な項目を網羅して記録する
- 在庫管理にかかるコスト(時間、お金、手間)を可能な限り減らす
- 在庫処理を行う際には、毎回必ず在庫管理表に記入する
- データを登録・入力する場合はファイルを上書きをしない
- 全員が理解できる、共通の記入ルールにのっとって記入する
それぞれについて少し詳しく見てみましょう。
在庫管理表の作り方
①必要な項目を網羅して記録する
在庫管理表を作成する際は以下の7つの項目を含めるようにします。
- 処理日 *入庫・出庫の処理を行った日付を記録
- 品目
- 入庫数
- 出庫数
- 現在庫数
- 場所
- 状態 *良品と不良品を分ける
②在庫管理にかけるコストを減らす
在庫置き場は整頓され、どこに何があるのかわかる状態になっていることが必須です。
③在庫処理を行う際には、毎回必ず在庫管理表に記入する
記入しやすい場所に在庫管理表を置く、記入されているかを定期的に確認する工夫で、記入を忘れることがないようにします。
④データを入力する場合は上書きをしない
Excelで在庫管理表を作るときは、数量は上書きではなくデータを追加していく形式にします。履歴を残すことで、誤差が発生した場合、さかのぼって調査することができます。
⑤全員が理解できる、共通の記入ルールにのっとって記入する
在庫管理表の記入のルールはシンプルにし内容は全員に周知するようにします。
在庫管理表の手動作成のリスク
手書きやExcelで在庫管理表を作る場合
紙ベースの在庫管理表、関数やマクロを使ったExcelシート、無料で配布されているテンプレートの在庫管理表は現在も中小企業や個人経営の店舗を中心に広く活用されています。 簡単に在庫管理表を作れる反面、運用面でのデメリットがあります。
- 記入ミスや集計の間違い、漏れが起きる
- 在庫管理表の紛失やデータ消失が起きる
- リアルタイムの数値を見ることができない
手動管理で多いのは入力・記入ミスや漏れ、表そのものの紛失といった人的なミスです。チェック体制を導入しても、完全に防ぐことはできません。
そこで、近年注目されているのがより効率的に在庫管理を行うことができる在庫管理システムによる作業の自動化です。
在庫管理表作成ツールを比較
手書きや、Excelを使う以外にも在庫管理表を作成できるシステムがあります。
代表的なものは以下の通りです。
- 在庫管理専用システム
- ERP(統合基幹業務システム)
- WMS(倉庫管理システム)
- スマートマットクラウド
在庫管理表を作成する上で、Excel、在庫管理システム/ERP/WMS、スマートマットクラウドそれぞれの特徴を比較してみました。
Excel | 在庫管理システム | スマートマットクラウド | |
---|---|---|---|
計測する在庫の種類 | × (理論在庫) | × (理論在庫) | ◯ (実在庫) |
在庫計測業務負担 | × (手動で計測) | △ (手動・ハンディで計測) | ◎ (無人で自動計測・反映) |
入力業務負担 | × (手動で入力) | △ (手動入力もしくはデータ取得) | ◎ (計測した数を自動で反映) |
在庫管理表作成の難易度 | × (マクロ編集スキルが必要) | ◯ (帳票機能がある製品はスキル不要) | ◯ (スキル不要) |
在庫管理表の共有 | × (共有機能なし) | – (製品によって異なる) | ◎ (管理画面・メールで簡単共有) |
在庫管理表を簡単作成できるIoTとは
在庫管理の課題・リスクを克服し、シンプルで見やすい在庫管理表の作成で注目されているのが、
● DX(デジタルトランスフォーメーション)
企業の営みや産業全体をデジタルの力でよりよくしていく取り組み
● IoT(Internet of Things)
IoT=「モノのインターネット化」
です。
IoT機器を導入することにより、「自動化」や「見える化」が可能になり、現場作業の改善、在庫管理、工程管理、品質管理なども効率的に行えるようになります。このように稼働状況や生産状況、在庫などのデータを分析することで、人力では発見しにくい問題や傾向なども把握できるようになり、生産性の向上やロスタイムの削減につながります。
デジタルテクノロジーを駆使して、企業経営や業務プロセスそのものを根本的に改善していくDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するためにIoTは欠かせない要素となります。
そして、在庫管理システムは製造業や小売業、アパレル、薬局や医療業界などにとって大きな関心事項であるにもかかわらず、なかなか成果を出せないという課題を解決するために必要なIoT機器が、大きな注目を集めています。
在庫管理表を自動作成!「スマートマットクラウド」
在庫管理表作成に必要な在庫確認を自動で
IoT重量計「スマートマット」の上に管理したいモノを載せるだけ。自動で24時間365日重量から在庫を記録します。実在庫の記録データはいつでもPCから確認できます。これまで目視で確認し、手書きで数量を記入していた在庫管理作成を自動で行います。
画像入りでわかりやすい在庫一覧
在庫一覧の画面では、在庫のリアルタイムの数量と閾値が表示されます。
商品画像の表示で、数字と文字のみで構成された在庫管理表よりも在庫状況がわかりやすく表示。複数の在庫状況を表示する一覧画面で、確認したい在庫を簡単に見つけることができます。
グラフページ活用で在庫最適化
グラフページに切り替えると、在庫の変動を折れ線グラフで表示。信号と同じ3色で示された在庫の水準を確認し、直感的に在庫補充が必要かどうか判断できます。在庫量残量が少なくなると自動発注もしくはアラートを受信できるので、確実に欠品を回避できます。