在庫管理術
建材商社・卸の在庫管理を効率化する方法とは?資材カテゴリ別の課題と棚卸・発注の自動化
建材商社や管材・住設・電材の卸では、住宅設備からセメント、継手、建築金物まで幅広い資材を扱い、しかもその在庫が本社倉庫・支店デポ・屋外ヤード・工事店への預け在庫へと分散します。
この記事では、建材商社・卸や建材メーカー倉庫の担当者に向け、扱う資材を4つの型に整理し、カテゴリ別の在庫管理の課題と、棚卸・発注を自動化する方法を解説します。
建材商社の在庫管理が難しい理由|数えられない4つの型
このパートをまとめると!
建材商社が扱う資材の在庫管理の難しさは、①小物大量型②袋物・粉体型③長尺・巻物型④大型・分散型の4つに整理できます。いずれも目視で数えるという前提そのものが成り立たない点が共通しています。
建材商社・卸の在庫管理がうまくいかない原因は、担当者の努力不足ではありません。そもそも目視で数えて台帳に記入するという方法が成立しない資材を、その方法で管理しようとしていることに原因があります。
建材商社が扱う資材は、管理が難しくなる要因によって次の4つの型に分けられます。自社の主力商材がどの型に当てはまるかを把握すると、打つべき手が見えてきます。
| 型 | 該当する主な資材 | 管理が難しい理由 | 有効な打ち手 |
|---|---|---|---|
| ① 小物大量型 | ボルト・ナット・ビス・アンカー/継手・バルブ/接着剤・コーキング材 | SKUが膨大で1品目の点数も多く、全数カウントが不可能 | 重量から個数を換算 |
| ② 袋物・粉体型 | セメント・モルタル・左官材料・目地材 | 重量物の段積みで下段が見えず、積み替えができない | 重量から袋数・残量を算出 |
| ③ 長尺・巻物型 | パイプ・鉄筋・塩ビ管・鋼管/電線・ケーブル | 平置き段積みで動かせず、巻物は残長が見えない | マルチマットで載せたまま計測 |
| ④ 大型・分散型 | 浴槽・洗面化粧台などの住設/ブロック・舗装材などの外構資材 | 倉庫・屋外・支店・客先に在庫が散在する | 遠隔でのリアルタイム可視化 |
① 小物大量型|数が多すぎて数えられない
ボルト・ナット・ビス・アンカーなどの建築金物、配管の継手やバルブ、コーキング材や接着剤といった副資材が該当します。
1品目あたりの単価は低いものの、規格違い・サイズ違いでSKUが膨大になり、しかも1箱に数百点単位で入っています。棚卸のたびに全数を数えることは現実的に不可能で、多くの現場では、箱がいくつあるかという粗い単位でしか把握できていません。
その結果、開封済みの箱の残数が分からず、在庫があるはずなのに足りないという事態が起こります。
② 袋物・粉体型|重くて動かせない、開封後が分からない
セメント、モルタル、各種左官材料、目地材などが該当します。
25kg袋がパレットに段積みされている状態では、下段が何袋残っているかを確認するだけでも積み替えが必要で、担当者に大きな身体的負担がかかります。
さらに袋物は吸湿による品質劣化があるため先入先出が欠かせませんが、積み替えの負担が大きいほど古い在庫が下に埋もれ、結果として使えない在庫が発生します。開封して一部だけ使った袋の残量も、目分量以上の把握が困難です。
③ 長尺・巻物型|動かせない、残量が見えない
パイプ、鉄筋、塩ビ管や鋼管などの管材、電線・ケーブルが該当します。
平置きで段積みされた長尺物は目視でのカウント精度が低く、ドラムやリールに巻かれた電線に至っては残りが何メートルあるのかを見た目で判断できません。金属価格の高騰を背景に、少量の抜き取りによる盗難・横流しのリスクも高まっています。
この型については、資材ごとの詳しい課題と対策を別記事で解説しています。
関連記事を読む>>「パイプ・鉄筋の在庫管理」
関連記事を読む>>「電線・ケーブルの在庫管理」
④ 大型・分散型|在庫が一箇所にない
浴槽やユニットバス、洗面化粧台といった住宅設備、ブロックや舗装材などのエクステリア・外構資材が該当します。
1点あたりが大きくかさばるため保管場所が倉庫内に収まらず、屋外ヤードや支店デポ、さらには工事店へ預けた客先在庫にまで分散します。在庫が物理的に離れた場所にあると、確認するだけで移動時間が発生し、電話やメールでの問い合わせが常態化します。結果として、全社の在庫総量を誰も正確に把握できない状態に陥ります。
4つの型に共通するのは実在庫が分からないこと
型ごとに理由は異なりますが、行き着く先は同じです。台帳上の理論在庫と、実際にある在庫がズレるという問題です。
在庫差異が常態化すると、欠品を恐れて多めに発注する→滞留在庫が増える→置き場を圧迫する→さらに数えにくくなる、という悪循環に入ります。この循環を断つには、数える作業を人の手から切り離し、実在庫が自動でデータになる仕組みが必要です。
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今すぐ無料ダウンロード小物・副資材の在庫管理|数えるのが物理的に不可能な資材
このパートをまとめると!
ボルト・継手・接着剤・コーキング材といった小物副資材は、SKUが膨大で1品目あたりの点数も多いため全数カウントが成立しません。欠品すれば工程が止まる一方で、単価が低いため管理が後回しにされやすい点が最大のリスクです。
小物副資材は安いから多めに持っておけばいいと考えられがちですが、実際には欠品したときの影響が最も大きいカテゴリです。ボルト1本、継手1個が足りないだけで施工が進まず、緊急手配のコストが資材単価の何倍にもなります。にもかかわらず単価が低いため管理の優先度が上がらず、結果的に一番放置されているのがこの領域です。
ボルト・ナット・建築金物の在庫管理
ボルト・ナット・ビス・アンカー・プレートなどの建築金物は、規格の組み合わせでSKUが爆発的に増えるという特徴があります。同じM10のボルトでも長さ違い、ユニクロ・ステンレス・溶融亜鉛めっき等の材質違い、頭部形状違いが存在し、1つのカテゴリで数十〜数百SKUに膨らみます。
| 分化する軸 | 例 | SKUへの影響 |
|---|---|---|
| 呼び径 | M6/M8/M10/M12/M16… | 基本の品目数を決定 |
| 長さ | 20/25/30/40/50mm… | 呼び径ごとに掛け算で増える |
| 材質・表面処理 | ユニクロ/ステンレス/溶融亜鉛めっき/生地 | さらに数倍に増加。見た目での判別が困難 |
| 頭部・形状 | 六角/キャップ/皿/フランジ | 用途別に併存し集約できない |
さらに厄介なのは、見た目がほぼ同じで判別しにくいことです。1サイズ違い、めっき違いのボルトが隣の棚にあり、ピッキングミスがそのまま在庫差異になります。
在庫数の把握については、そもそも1箱に数百本入っている資材を全数カウントすることは現実的ではありません。多くの現場では箱単位で数え、開封済みの箱は「だいたい半分くらい」という感覚で処理しています。これでは発注点の判断ができず、気づいたときには空になっているという欠品が繰り返されます。
小物大量の資材こそ、重量から本数を自動換算する管理が最も効果を発揮する対象です。
配管継手・バルブの在庫管理
配管部材は、建築資材の中でもSKUの多さが際立つカテゴリです。継手ひとつを取っても、材質(VP・VU・HIVP・鋼管・ステンレス・銅)、呼び径、形状(エルボ・チーズ・ソケット・キャップ・ユニオン)の掛け合わせで品目が構成されます。材質と呼び径の組み合わせだけで数百品目に達することも珍しくありません。
| 分化する軸 | 例 | 現場で起きる問題 |
|---|---|---|
| 材質 | VP/VU/HIVP/鋼管/ステンレス/銅 | 色味が近く目視判別が難しい |
| 呼び径 | 13/16/20/25/30/40… | 隣接サイズの誤ピッキング |
| 形状 | エルボ/チーズ/ソケット/キャップ/ユニオン | 形状×材質×径で品目が乗算的に増加 |
| 単価帯 | 継手=低単価多点数/バルブ=高単価少点数 | 管理すべき理由が品目で異なる |
現場でよく起きる問題は次の3つです。
- 目視での材質判別が難しい:VPとVU、HIVPは色味が近く、慣れた担当者でなければ見分けがつかない
- 呼び径の1サイズ違いを取り違える:13と16、20と25など、隣接サイズの誤ピッキングが起きやすい
- バルブは点数が少ないが単価が高い:紛失や不明在庫が金額インパクトを持つ
継手のような小物は棚やコンテナにバラ積みされることが多く、棚卸のたびに1つずつ数えるか、目分量で済ませるかの二択になっています。バルブは点数が少ないため数えられますが、どの現場に持ち出されたかが追えず、理論在庫と合わなくなります。
接着剤・コーキング材の在庫管理
接着剤やコーキング材(シーリング材)は、数量管理に加えて使用期限の管理が必要になる点が他の副資材と異なります。
コーキング材は色番によるSKU分化が激しく、施工色に合わせて多数の色を在庫として抱えることになります。ところが色番ごとの消費量には大きな偏りがあり、動きの遅い色が期限切れで死蔵在庫化します。使えない在庫が置き場を占有し、しかも帳簿上は在庫として残り続けるという状態です。
さらに、現場への持ち出しで本数管理が崩れやすいという課題もあります。1ケース単位で現場に出し、余った分が返却されるかどうかが担当者次第になっていると、実在庫は把握不能になります。
接着剤については、有機溶剤系のものは消防法上の危険物にあたり、保管数量の上限管理が求められる場合があります。数量を正確に把握できていないことは、単なる在庫管理の問題ではなく法令遵守上のリスクにもなります。
期限管理・数量管理・法令上の数量把握という3つの要件を満たすには、在庫の増減が自動で記録され、いつどれだけ動いたかが履歴として残る仕組みが有効です。
セメント・左官材料の在庫管理|重量物・袋物の課題
このパートをまとめると!
セメントや左官材料などの袋物は、段積みによる下段の視認性の悪さ、積み替えの身体的負担、吸湿による品質劣化という3つが重なります。棚卸の負担が大きいほど古い在庫が埋もれ、先入先出が崩れて廃棄が発生する構造です。
セメント・モルタル・左官材料といった袋物・粉体資材は、「重い」という一点がすべての管理課題の原因になっています。数えられないのではなく、数えるために動かすことができないのです。
| 課題 | 発生する理由 | 放置した場合の影響 |
|---|---|---|
| 下段の袋数が分からない | パレット段積みで最上段しか見えない | パレット単位の粗い把握しかできず発注判断が鈍る |
| 積み替えの負担が大きい | 1袋25kgの重量物 | 棚卸が半日〜1日の作業になり頻度が下がる |
| 先入先出が崩れる | 積み替え負担を避け新しい袋を手前・上に置く | 吸湿硬化で使用不能となり廃棄・産廃コストが発生 |
| 開封済みの残量が不明 | 袋数という管理単位が使えない | 帳簿1袋/実物3分の1という差異が常態化 |
段積みされた袋物は下段が確認できない
25kg袋がパレットに10段積みされていれば、上から見えるのは最上段だけです。何袋残っているかを正確に知るには積み替えるしかなく、1パレットあたりの作業だけでも相当な負担になります。品目数が増えれば、棚卸は半日〜1日を要する作業になります。
その結果、多くの現場では「パレット何枚分あるか」という単位でしか在庫を把握していません。1パレット未満の端数、つまり実際に使われている山の残数が最も知りたい情報であるにもかかわらず、そこが一番見えないという状態です。
積み替えの負担が先入先出を崩す
セメント・左官材料は吸湿による硬化・品質劣化が起こるため、先入先出(FIFO)が原則です。しかし積み替えに大きな負担がかかるため、新しく入荷した袋を古い在庫の上や手前に置いてしまうことが起こります。
こうして古い在庫が下段や奥に埋もれると、次に触られるまでの期間がさらに延び、最終的に使えない状態で発見されることになります。廃棄コストだけでなく、産廃処理の手間も発生します。棚卸の負担と品質劣化は、別々の問題ではなく因果関係でつながっています。
開封済みの袋・バラ在庫の残量が分からない
左官材料は必要量だけを取り出して使うため、開封した袋が残ります。この開封済み在庫は袋数としてカウントできず、帳簿上は1袋、実際には3分の1というズレが常に生じます。
粉体を扱う左官材料では、袋のまま保管せずホッパーや容器に移すケースもあり、この場合は袋数という管理単位自体が使えません。目分量以外に把握手段がなく、発注判断が担当者の経験に依存します。
重量物であるがゆえに「重量」で管理する意味が大きい
袋物・粉体資材は、1袋あたりの重量が規格として明確に決まっているカテゴリです(普通ポルトランドセメント25kg袋など)。つまり総重量が分かれば袋数が計算できるという関係が成立します。
さらに、開封して一部を使った袋についても、重量から残量を割り出せます。数える対象として最も厄介だった袋物が、重量で測るという方法に切り替えた瞬間に最も管理しやすい資材に変わるのが、このカテゴリの特徴です。
関連記事を読む>>「数えにくい在庫を正確に管理する方法【部品・液体・粉物】」
住宅設備・エクステリア資材の管理|大型・分散型の在庫
このパートをまとめると!
住宅設備やエクステリア資材は1点が大きく、倉庫・屋外ヤード・支店デポ・客先へと在庫が分散します。確認のたびに移動や問い合わせが発生し、全社の在庫総量を誰も把握できない状態に陥りやすいカテゴリです。
住設・エクステリア資材の難しさは、数えることではなく在庫が一箇所にないことにあります。1点ずつは大きく数えられるのに、全体像が把握できないという逆の構造です。
| 住宅設備 | エクステリア・外構資材 | |
|---|---|---|
| 主な資材 | 浴槽・ユニットバス・洗面化粧台・キッチン・便器 | ブロック・平板・インターロッキング・砂・砂利・フェンス材 |
| 保管形態 | 梱包状態で屋内保管 | 屋外ヤードに平置き・パレット積み |
| 固有の課題 | 受注品と在庫品の混在/移動による破損リスク | 屋外での退色・汚れ/重量物で積み替え不可 |
| 管理単位 | 台・セット | 枚・パレット・㎡・トンが混在 |
| 共通の課題 | 置き場が分散し全体在庫が見えない | 同左(さらに棚卸対象外になりやすい) |
住宅設備|受注品と在庫品が混在する
浴槽・ユニットバス、洗面化粧台、キッチン、便器などの住設機器は、梱包状態で大きなスペースを占有します。倉庫の容積制約から保管場所が複数に分かれ、どこに何があるかを探す時間が日常的に発生します。
さらに住設特有の問題として、受注品(特定の物件向けに確保された在庫)と在庫品(自由に出せる在庫)が同じ場所に混在するという点があります。見た目では区別できないため、他物件向けに確保していた製品を出荷してしまい、後から手配し直すという事故が起こります。
また大型かつ陶器・樹脂部材を含むため、移動のたびに破損リスクがあります。棚卸のために動かすこと自体がリスクになるという、他カテゴリにはない制約を抱えています。
エクステリア・外構資材|屋外保管と重量物の掛け合わせ
コンクリートブロック、平板、インターロッキング、砂・砂利、フェンス材といった外構資材は、屋外ヤードに平置き・パレット積みで保管されます。
- 屋外保管による劣化:日射・降雨による退色や汚れが発生し、A品として出せない在庫が生まれる
- 重量物で動かせない:ブロックや舗装材は1枚あたりが重く、袋物と同様に積み替えができない
- 数量単位が混在する:枚数・パレット数・㎡・トンと管理単位が資材ごとに異なり、集計が煩雑
屋外ヤードは在庫の「置き場」であって「管理された保管場所」になっていないケースが多く、そもそも棚卸の対象から外れている資材も見受けられます。
支店デポ・客先預け在庫が見えない
建材商社・卸にとって最も大きな課題は、自社の倉庫外にある在庫です。支店や営業所のデポ在庫、工事店・施工店に預けた在庫、現場に納品済みで未使用の資材などが該当します。
これらの在庫を把握する手段が電話・メール・訪問しかない状態では、確認するだけでコミュニケーションコストが発生し、しかも情報が届いた時点で既に古くなっています。結果として、他拠点には余っているのに別拠点で緊急手配するという無駄が繰り返されます。
さらに商社・卸の場合、預け在庫が見えないことは営業機会の損失にも直結します。客先の在庫が減っていることに気づけなければ補充提案のタイミングを逃し、逆に把握できていれば「そろそろ切れる頃ですね」という先回りの提案ができます。在庫の見える化は、管理工数の削減だけでなく取引深耕の手段にもなります。
客先在庫(預け在庫・VMI)を遠隔でリアルタイムに把握できれば、拠点間の在庫融通と補充タイミングの最適化が同時に実現します。
長尺物・巻物の在庫管理
このパートをまとめると!
パイプ・鉄筋などの長尺物、電線・ケーブルなどの巻物は、それぞれ固有の管理課題があります。詳細は専用記事で解説しているため、あわせてご参照ください。
| パイプ・鉄筋・管材 | 電線・ケーブル | |
|---|---|---|
| 保管形態 | 平置き×段積み(りん木を挟む) | ドラム・リール巻き/端材はケース収納 |
| 数量の把握 | 束の本数が返却時に不揃いになり判別不能 | 残りの長さが目視で判断できない |
| 品質リスク | たわみ・曲がり・錆 | 断線/銅・アルミの酸化変色 |
| 盗難リスク | 数十本から数本抜かれても気づけない | 銅線・アルミ線が金属盗の標的 |
パイプ・鉄筋・管材(塩ビ管・鋼管)
平置き段積みで保管されるため目視カウントの精度が低く、20〜50本単位で結束された束は返却時に本数が不揃いになって判別できなくなります。素材違い・径違いの判別も難しく、数十本の中から数本抜き取られても気づけないため、盗難・横流しの早期発見が困難です。
詳しくはこちら>>「パイプ・鉄筋の在庫管理|正確なカウントが難しい長尺物の管理を重量センサで解決!」
電線・ケーブル
ドラムやリールに巻かれた状態では残りの長さが目視で判断できないのが最大の課題です。銅・アルミが酸化変色するため取り扱いにも注意が必要で、端材の保管ロケーションが増えることで管理工数がさらに膨らみます。金属価格高騰により盗難の標的にもなりやすい資材です。
詳しくはこちら>>「電線・ケーブルの在庫管理【数えにくい電設資材の管理課題を解消】」
建材の在庫を「重量」で管理する「スマートマットクラウド」
ここまで見てきた4つの型は、原因が異なるにもかかわらず解決の方向は同じです。数えるという作業を人の手から切り離すことです。
スマートマットクラウドは、IoT重量計(スマートマット)の上に資材を載せておくだけで、重量の変化から実在庫を自動計測する在庫管理サービスです。人が数えて入力する必要がないため、これまで「数えられない」とされてきた資材こそ効果が大きくなります。
重量から本数・袋数・残量を自動換算
1個あたりの重量を登録しておけば、総重量から数量が自動算出され、管理画面に表示されます。
| 資材 | 管理単位 | 換算の考え方 | 解決される課題 |
|---|---|---|---|
| ボルト・ナット・建築金物 | 本・個 | 1個あたり重量から本数を算出 | 開封後の箱の残数が分かる |
| 配管継手・バルブ | 個 | SKUごとにマットを割り当て個数を算出 | 数百SKUの棚卸が不要になる |
| セメント・左官材料 | 袋・kg | 規格重量(25kg等)から袋数を算出 | 下段の袋数・開封済みの残量が分かる |
| コーキング材・接着剤 | 本 | 1本あたり重量から本数を算出 | 使用履歴が残り期限・法令数量を管理できる |
| 粉体・バラ在庫 | % | 満量比の残量を%表示 | 目分量から数値管理へ移行できる |
| 住設・重量物 | 台・kg | マルチマット構成で最大約1トンまで対応 | 動かさずに在庫を確認できる |
箱を開けた後の残数、パレット下段の袋数、開封済みの袋の残量という、これまで最も見えなかった情報が数値として取れるようになります。
倉庫・屋外ヤード・客先在庫を遠隔で確認
計測されたデータはクラウド上に集約され、管理画面から一括で確認できます。本社倉庫、支店デポ、屋外ヤード、工事店に預けた客先在庫まで、現地に行かずに同じ画面で在庫状況を把握できます。
拠点をまたいだ在庫の偏りが可視化されるため、余剰在庫の融通が可能になり、拠点ごとの緊急手配を減らせます。客先在庫についても、相手企業への問い合わせなしにリアルタイムで残量を確認できます。
発注点を下回れば自動発注
品目ごとにしきい値を設定すると、在庫がその水準を下回った時点でアラートを通知し、そのまま自動発注につなげられます。発注先に合わせた文面でのメール・FAX送信にも対応しています。
発注判断を担当者の勘や気づきに委ねないことで、小物副資材の突発的な欠品と、恐れによる過剰発注の両方を防げます。
在庫推移から滞留在庫・異常消費を検知
計測履歴が蓄積されると、在庫推移グラフから消費パターンが把握できます。動きの止まった資材を特定できるため、色番違いのコーキング材や期限切れリスクのある接着剤の死蔵化を早期に発見できます。
また理論在庫との乖離や不自然な減少が可視化されるため、金属資材の盗難・横流しにも早期に対応できます。
屋外・重量物にも対応
スマートマットはサイズ展開が豊富で、g単位の小物からマルチマット構成で重量物に対応します。ケーブルレスで設置場所を選ばないため、屋外ヤードやパレット下への設置も可能です。
袋物・重量物・長尺物といった、これまで計測をあきらめていた資材こそが対象になります。
| 業務 | 従来のアナログ管理 | スマートマットクラウド導入後 |
|---|---|---|
| 日々の在庫確認 | 倉庫・ヤードを見回り、目視で確認 | 管理画面でリアルタイムに確認 |
| 棚卸 | 積み替え・全数カウントで半日〜1日 | 実地カウント作業が不要 |
| 発注判断 | 担当者の経験と気づきに依存 | 発注点を下回れば自動でアラート・発注 |
| 客先・拠点在庫 | 電話・メール・訪問で確認 | 同一画面で遠隔確認 |
| 滞留在庫 | 気づいた時には期限切れ・劣化 | 在庫推移グラフで動かない在庫を特定 |
| 盗難・異常消費 | 抜き取りに気づけない | 不自然な減少を早期検知 |
建材商社・卸の在庫管理を効率化した導入事例
倉庫まで足を運ばず、パソコンで在庫を確認!半日がかりだった棚卸もたった5分で終了(亀栄建材株式会社様)
住宅設備の卸売・設置工事から、セメントや建築金物などの土木建築資材、外構・エクステリア工事、管材やバルブの卸売まで手がける建材会社の事例です。週2回・1回30分かけて倉庫まで足を運び、目視で数えて発注する運用のため発注ミスによる欠品が発生し、年1回の棚卸は6〜7人で半日を要していました。スマートマットクラウドを200台導入し、10g〜30gと小さく点数の多い水道の継手を重量で管理。発注業務はパソコンで完結し、半日がかりだった棚卸はわずか5分で終了。年1回だった実在庫との照合が毎日行える状態になり、在庫変動グラフの活用で在庫数の適正化も進んでいます。
建材商社の在庫管理に関するよくある質問
Q.管材や継手の在庫管理を自動化する方法は?
継手・バルブなどの管材は、材質と呼び径の組み合わせでSKUが数百に達し、全数カウントによる棚卸は現実的ではありません。自動化の現実的な方法は、1個あたりの重量から個数を換算する重量管理です。SKUごとにIoT重量計を割り当てて品目情報を紐づけておけば、コンテナに入れたまま個数が自動で計測されます。棚卸作業そのものが不要になり、発注点を下回った時点でのアラート・自動発注まで一貫して自動化できます。
Q.倉庫や現場の資材在庫を遠隔で確認する方法は?
現地に行かずに在庫を把握するには、現物の増減が自動でデータ化され、クラウド上で共有される仕組みが必要です。スマートマットクラウドは資材を載せておくだけで重量変化を検知し、クラウド経由で管理画面に反映するため、本社・支店・倉庫・屋外ヤードの在庫を同じ画面でリアルタイムに確認できます。発注担当者が倉庫まで足を運んで数える必要がなくなり、複数拠点を掛け持ちする担当者の移動・問い合わせ工数を削減できます。
Q.建材の客先在庫を見える化するには?
工事店や施工店に預けた在庫は、電話・メールでの確認に頼ると情報が常に古くなります。客先にIoT重量計を設置して在庫を載せておけば、相手企業に確認の手間をかけずにリアルタイムで残量を把握できます。補充のタイミングを供給側が判断できるようになるため、欠品による現場停止と、過剰納品による回収の両方を防げます。VMI(ベンダー主導型在庫管理)の実現手段としても活用されています。
Q.長尺物や重量物の在庫管理はどうすればよい?
長尺物や重量物は「動かして数える」ことが難しいため、動かさずに測る方法に切り替えるのが基本です。複数のIoT重量計を組み合わせるマルチマット構成を使えば、パレットやラックの下に設置したまま、載せ替えなしで数量を計測できます。
まとめ
建材商社・卸の在庫管理は、①小物大量型②袋物・粉体型③長尺・巻物型④大型・分散型という4つの型に整理できます。ボルトや継手は数が多すぎて数えられず、セメントや左官材料は重くて動かせず、住設・エクステリア資材は在庫が拠点や客先に分散する。原因はそれぞれ異なりますが、理論在庫と実在庫がズレるという結果は共通しています。
このズレを解消する鍵は、数える作業を人の手から切り離すことです。
重量という測定可能な指標に置き換えれば、これまで最も管理が難しかった資材が、最も正確に把握できる資材に変わります。
まずは自社が扱う資材を4つの型に当てはめて整理し、これまで「数えられない」と見過ごしてきた品目から改善に着手してみてください。
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