在庫管理術
MROとは?製造業の間接材・副資材管理コストを削減する完全ガイド
「備品棚に行ったら手袋がなかった」
「いつ誰が発注したか分からない」
製造現場ではMRO管理の属人化による欠品・重複発注が後を絶ちません。
MRO(エムアールオー)とは、Maintenance(保守)・Repair(修理)・Operations(運用)の頭文字を取った略語で、企業が日常的に使用する間接材・副資材の総称です。工具・消耗品・保護具・補修部品などが代表例で、製品そのものの製造には直接関与しないものの、生産ラインの安定稼働に欠かせない資材を指します。製造業における間接材の調達コストは、品目数・発注頻度の多さから年間では数百万円規模の隠れコストになることも珍しくありません。
本記事では、MROの意味・種類・管理が難しい理由と、IoTによるコスト削減・効率化の具体的な方法を解説します。
MROとは?
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MROとは「Maintenance・Repair・Operations」の略で、設備保守・修理・運用に必要な間接材の総称。工具・消耗品・補修部品・保護具が代表例で、製品製造には直接関与しません。なお、航空業界のMROとは全く別の概念のため注意が必要です。
MROの定義
MROとは「Maintenance(保守)・Repair(修理)・Operations(運用)」の頭文字を取った略語で、工場や施設の運営・保全に必要な間接材・副資材の総称です。もともとは製造業で使われていた言葉ですが、現在では物流・医療・化学など幅広い業界で「間接材の調達・管理」を意味する概念として定着しています。
日本語では副資材、間接材と呼ばれることも多く、モノタロウ・アスクル・山善などが扱う資材がMROの代表例として知られています。
💡 専門家の視点:MROと間接材コストの実態
製造現場では、直接材の購買プロセスは厳格に管理される一方、MROは現場担当者の裁量で発注されるケースが多く、コスト意識が薄れやすい構造があります。消耗品1点あたりの金額は小さくても、品目数・発注頻度の多さから年間トータルでは数百万円規模の隠れコストになることも珍しくありません。まず全品目の在庫可視化から始めることが改善の第一歩です。
航空業界のMROとは別概念
「MRO」という用語は航空業界でも使われますが、意味が異なります。
航空業界のMROは「Maintenance(整備)・Repair(修理)・Overhaul(オーバーホール)」の略で、航空機の整備・修理を受託する企業・業務を指します。本記事で解説しているMROとは全く別の概念です。
MROと直接材・間接材・副資材の関係
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企業調達物品は直接材(原材料)と間接材(副資材)に大別され、MROは間接材のうち設備保守・修理・運用に関わる資材を指します。
企業が調達する物品は大きく直接材と間接材に分類されます。MROは間接材(副資材)の一部であり、製造業においては間接材の大きな割合を占めます。
| 区分 | 内容 | 代表例 | 会計処理 |
|---|---|---|---|
| 直接材(主資材) | 製品の製造に直接使用される原材料・部品 | 金属部品・樹脂素材・電子部品 | 原材料費 |
| 間接材(MRO) | 製品に直接は含まれないが業務に必要な資材 | 工具・消耗品・補修部品・保護具 | 消耗品費・副資材費 |
MROの種類
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MROは施設MRO、産業用MRO、マテハンMRO、工具・消耗品MROの4種類に大別され、種類ごとに管理担当・保管場所・発注頻度が異なるため一元管理が難しい特徴があります。
① 施設MRO
工場・オフィスなどの建物・設備を維持するための資材です。電球・蛍光灯などの照明器具、空調フィルター・清掃用品、建物の補修材料(コーキング剤・塗料など)が代表例です。
② 産業用MRO
製造設備・機械の保守・修理に使用する部品・消耗品です。ベアリング・ベルト・シール部品、潤滑油・冷却剤・切削油、電気部品・センサー類が含まれます。
③ マテハンMRO
コンベヤ・パレタイザーなどのマテリアルハンドリング設備の保守に使う資材です。コンベヤベルト・ローラー部品、フォークリフトのタイヤ・バッテリーなどが該当します。
④ 工具・消耗品MRO
現場作業員が日常的に使用する工具や保護具・消耗品です。ドリル・スパナなどの工具、手袋・防塵マスク・安全眼鏡などの保護具、接着剤・テープ・結束バンドなどの消耗品です。
▶︎関連記事:副資材の管理【副資材とは?定義・主資材との違いと在庫管理の最適解】
MRO管理が難しい4つの理由
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品目数が数万点規模になることもあり、多品種少量のため一元管理コストが膨大になりがちです。各部門がバラバラに発注するため重複発注・割高購入・サプライヤー乱立が起きやすく、さらに少額ゆえにコスト意識が薄れやすい結果、積み重なると年間数百万円の隠れコストになります。
① 品目数が膨大で多品種少量
自動車工場などでは副資材(MRO)の品目数が数万点に及ぶケースもあります。それぞれの調達先・単価・消費タイミングが異なるため、一元管理が難しく、管理コストが増大しやすい構造になっています。
② 各部門がバラバラに発注
主資材は購買部門が一元管理するのが一般的ですが、MROは現場・各部署が必要に応じて個別に発注するケースが多くあります。その結果、全社的な発注状況が把握できず、重複発注・割高購入・サプライヤーの乱立といった問題が生じやすくなります。
③ 少額ゆえにコスト意識が希薄
MROは1回あたりの発注額が少額なことが多く、現場では「大した金額ではない」と認識されがちです。しかし品目数・発注頻度が多いほど間接労務費や調達コストは積み重なり、年間では数百万円規模の隠れコストになることもあります。
④ 在庫量の把握が困難
工具・消耗品・補修部品など形状・サイズがバラバラなMROは、目視での残量確認が難しく、「あると思っていたのになかった」という欠品が発生しがちです。一方で念のため多めに確保する、過剰在庫も発生しやすく、在庫精度の低さが慢性的な課題となっています。
MRO管理の課題を解消する方法
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まず全品目・保管場所・発注先を棚卸して可視化することが改善の出発点です。次に発注ルールを標準化・集中購買へ移行することで価格交渉力が向上しコストを削減できます。さらにIoT重量センサーで残量を自動検知し発注点管理を自動化すると、属人化を根本から解消できます。
Step1|現状の棚卸と品目の一元把握
まず自社のMRO品目・保管場所・発注先を網羅的に把握します。現場・倉庫・各部署に分散している資材の全体像を可視化することが、改善の第一歩です。ExcelやスプレッドシートでMROマスタを作成し、品目コード・保管場所・発注先・単価・消費量を一元管理できる状態を目指しましょう。
Step2|発注ルールの標準化・集中購買への移行
部署ごとにバラバラな発注を統一し、購買プロセスをマニュアル化します。サプライヤーを集約して集中購買に移行することで、価格交渉力が上がり調達コストの削減が期待できます。モノタロウのようなMRO専門ECの活用も有効です。
Step3|IoT・システムによる在庫の自動管理
人手による棚卸・発注判断をシステムに任せることで、管理工数と属人化を同時に解消できます。特にIoT重量センサーを活用すると、目視では把握しにくい消耗品・液体・巻物素材の残量も自動検知できます。バーコード管理やRFID管理が手動の読み取りが前提であるのに対し、IoT重量センサーは、置くだけで自動記録されるため、現場の運用負担がほぼゼロになります。
スマートマットクラウドによるMRO管理の効率化

在庫管理システム「スマートマットクラウド」は、IoT重量センサーの上にMRO資材を置くだけで設置が完了します。あとはマットが自動でモノの重量変化を検知し、リアルタイムで在庫量をクラウドに記録。残量が設定した安全在庫量を下回ると、アラート送信または自動発注を実行します。
他の在庫管理手法との最大の違いは人の操作が不要であることです。バーコード管理・RFID管理・Excel管理はいずれも人がスキャンする・入力するという前提があり、現場担当者の負担と属人化が残り続けます。スマートマットクラウドはその前提を取り除いたソリューションです。

MRO管理における主な活用シーン
▼ 工具・消耗品の残量管理
手袋・テープ・接着剤など細かい消耗品を重量で自動カウント。補充のタイミングを見逃しません。担当者が現場を巡回して目視確認する手間が不要になります。
▼ 補修部品・予備品の欠品防止
設備停止につながる重要な保守部品の残量をリアルタイムで監視。欠品による稼働ロスを防ぎます。設備ごとに重要部品の在庫アラートを設定することで、計画的な補充が可能になります。
▼ 遠隔管理・属人化の解消
工場内の複数拠点・複数棚の在庫をクラウドで一元管理。「担当者しか把握していない」属人化を解消します。管理画面はブラウザからいつでもアクセス可能で、在庫量の推移グラフも確認できます。【画像】管理画面スクリーンショットをここに挿入
▶ 機能詳細はこちら:https://www.smartmat.io/function_list
7. 導入事例
工具類・副資材の重複発注と欠品を解消(井上工具株式会社様)
製品梱包用の副資材(MRO)を手動管理していたため、重複発注や欠品が頻発していました。スマートマットクラウドを100台導入し、商材ごとに閾値(発注点)を設定した自動発注に切り替えた結果、管理時間を大幅削減し在庫状況の一元把握を実現しました。
▶ 製造業・物流業の導入事例一覧をみる:https://www.smartmat.io/case
MROに関するよくある質問(FAQ)
Q1. MROとは何の略ですか?
A. MROはMaintenance(保守)・Repair(修理)・Operations(運用)の頭文字を取った略語です。工場や施設の運営・保全に必要な間接材・副資材の総称で、工具・消耗品・補修部品・保護具などが代表例です。
Q2. MROと副資材・間接材はどう違いますか?
A. 大まかには同義で使われることが多いですが、厳密には「間接材」が最も広い概念で、その中に「副資材」が含まれ、さらに設備の保守・修理・稼働維持に関わるものを「MRO」と呼ぶ関係性です。実務ではほぼ同義として使われるケースも多くあります。
Q3. MRO管理をデジタル化するメリットは何ですか?
A. 在庫のリアルタイム可視化・自動発注・属人化解消の3点が主なメリットです。アナログ管理では担当者の経験と勘に頼っていた発注判断をデータに基づいて行えるようになり、欠品・過剰在庫・重複発注の防止に直結します。また棚卸工数の大幅削減も期待できます。
Q4. 航空業界のMROと製造業のMROは何が違いますか?
A. 航空業界のMROは「Maintenance(整備)・Repair(修理)・Overhaul(オーバーホール)」の略で、航空機の整備・修理を受託する企業・業務を指します。製造業で使われる「MRO(Maintenance Repair and Operations)」とは略語の一部と意味が異なる全く別の概念です。
まとめ:MRO管理をIoTで自動化する
MROは製造現場の隠れコストの温床であり、属人化・欠品・重複発注といった課題が慢性的に残りやすい領域です。解決には品目の可視化→発注標準化→IoT自動管理という3ステップのアプローチが有効です。
スマートマットクラウドは置くだけでMRO在庫を自動記録し、発注点を下回ると自動でアラート・発注を実行します。バーコード・RFIDと異なり人の操作が一切不要なため、属人化を根本から解消できる唯一のソリューションです。













