在庫管理術
循環棚卸とは?一斉棚卸との違い・やり方と「数えない」自動化の実現
循環棚卸とは、倉庫や在庫全体を一度に数えるのではなく、品目をグループに分けて日々・週次など定期的に少しずつ数え続ける棚卸手法です。業務を止めずに精度を維持できるため、特に品目数が多い製造業や物流現場で広く採用されています。
一斉棚卸による工場の稼働停止や、全社総出の残業に限界を感じていませんか?業務を止めずに在庫精度を保つ「循環棚卸」は有効な解決策ですが、手作業やエクセル管理では「数え間違い」や「入力漏れ」という新たなリスクを生みます。
本記事では、循環棚卸の正しい手順(ABC分析)から、IoT重量計を用いて「在庫のカウント工数をほぼゼロにする」完全自動化の仕組みまでを徹底解説します。
この記事でわかること
- 循環棚卸と一斉棚卸の違い、および導入のメリット・デメリット
- ABC分析を用いた具体的な運用手順と、手作業・エクセル管理の限界
- IoT重量計(SmartMat Cloud)による「ゼロクリック棚卸」の実現方法と成功事例
循環棚卸とは?一斉棚卸との違いとメリット・デメリット
👉 このパートをまとめると!
循環棚卸は業務を止めずに在庫差異を防ぐ手法。一斉棚卸の負担を減らすが手作業の精度低下に注意が必要です。

循環棚卸(サイクルカウント)の定義と目的
循環棚卸(サイクルカウント)とは、日々の業務を止めず、計画的に一部の品目を順番に数えていく在庫管理手法です。目的は「在庫差異の早期発見」と「期末の決算修正リスクの最小化」にあります。
一斉棚卸のように全品目を一度に数えるのではなく、毎日あるいは毎週少しずつ棚卸しを行うことで、常に帳簿在庫(システム上の数値)と実在庫(実際の物理的な数)のズレを修正し、在庫精度を維持する特長があります。

※この図はあくまで年間の品目カバレッジのイメージです。Aランクは実際には毎週・毎月の高頻度で都度実施します。
▶︎関連記事:一斉棚卸|正しい在庫を把握する一斉棚卸のメリット・やり方・効率化の方法とは?
一斉棚卸との比較表(メリット・デメリット)
| 比較項目 | 循環棚卸(サイクルカウント) | 一斉棚卸 |
| 実施頻度 | 毎日・毎週・毎月(品目別) | 年1〜2回(期末等) |
| 業務停止の有無 | 不要(通常業務と並行) | 必要(工場・倉庫を停止) |
| 人員負荷 | 少人数・短時間で対応可 | 全社員が一斉に対応 |
| 在庫差異の発見速度 | 早期発見(継続的) | 発見が遅れやすい |
| 全体把握のしやすさ | 把握しにくい | 一度に全体が把握できる |
| 手作業時の精度リスク | 入出庫との重複・漏れリスクあり | 全品目一斉のためヒューマンエラーが集中しやすい |
循環棚卸の最大のメリットは、工場や倉庫の稼働を止めずに済む点です。通常業務と並行して少人数・短時間で実施できるため、業務負荷の平準化や作業負担の軽減につながります。
一方でデメリットとして、全体の在庫状況を一度に把握しづらい点や、手作業で行う場合、日々の入出庫とカウントのタイミングが重なり、数え漏れや重複カウントが発生しやすい点が挙げられます。
【出典・参照】
物流・倉庫業における人手不足と在庫管理業務の課題は、国土交通省「物流を取り巻く現状について」(2024年)や、経済産業省「2023年版ものづくり白書」においても、人手不足の深刻化とデジタル技術活用の必要性として広く指摘されています。
循環棚卸の具体的なやり方(ABC分析)と「手作業の限界」
👉 このパートをまとめると!
ABC分析で重要度に応じた棚卸計画を立てても、手作業やエクセル管理では現場の負担が限界を迎えてしまいます。
ABC分析を用いたカウント頻度の設定
循環棚卸を成功させるには、全品目を均等に数えるのではなく、重要度に応じてメリハリをつける「ABC分析」が不可欠です。
売上高や出庫頻度、単価などを基準に、在庫をA・B・Cの3ランクに分類します。
・Aランク(重要品目): 全体の売上の大部分を占める、または欠品がライン停止に直結する品目。毎日〜毎週の高頻度で棚卸しを実施。
・Bランク(中程度): 月に1回程度の頻度で実施。
・Cランク(重要度が低い品目): 半年に1回など、低頻度で実施。

※ 上記の頻度はあくまで目安の例示です。実際の頻度は業種・商材のリードタイムや欠品時の影響度によって調整してください。
エクセル管理と手作業が引き起こす「新たな在庫差異」
理論上は完璧に見えるABC分析ですが、これを「手作業」と「エクセル」で運用しようとすると、現場の運用負荷が高まり、継続が難しくなります。
💡 専門家の視点からアドバイス:現場運用の落とし穴
手作業による循環棚卸は、実在庫と帳簿在庫の差異を発見するだけでなく、新たな在庫差異を生む原因にもなります。システム化による「自動化」を前提に設計するのがおすすめです。
多くの現場で、手書きのチェックシートとエクセル入力による循環棚卸が導入されていますが、「数え間違い」や「入力漏れ・タイムラグ」が原因で、結局期末に大規模な修正を迫られる事態に陥ります。Aランク品目の高頻度な棚卸は、手作業では現場の負担が大きすぎます。「ルールを徹底する」という精神論では解決しません。
ここをIoT等で自動化によって初めて、「業務を止めない棚卸」と「継続的に精度を高める運用」を両立できます。
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循環棚卸のカウント工数を自動化するIoT重量計
👉 このパートをまとめると!
バーコードやRFIDは人的作業が残ってしまいます。SmartMat Cloudなら「置くだけ」で自動計測が実現できます。
バーコード・RFID管理の限界
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手作業の限界を感じた企業が次に検討するのが、WMS(倉庫管理システム)と連携したバーコードスキャンやRFIDの導入です。
確かにデータ入力のタイムラグは減りますが、これらには「バーコードをスキャンする」「全商品にRFIDタグを貼る」という人的作業が一定程度は残ります。
多くの現場では、読み取り作業やタグの貼り付け・管理作業が新たなボトルネックになるケースも見られます。特に単価の安い副資材や細かい部品について、タグ付けを行う運用はコストや手間の面で現実的とは言えません。
現場が本当に求めているのは「数え方の工夫」ではなく「数える作業そのものをいかに減らすか」という視点です。 こうした課題を踏まえると、在庫管理においては「人が数える」という前提そのものを見直す必要があります。
💡 専門家の視点からアドバイス:現場運用の落とし穴
システム化=バーコード/RFIDという固定観念を捨て、商材に合った自動化手法を選定してください。
SmartMat Cloudによる「置くだけ」の在庫管理DX
人的作業を大幅に削減し、循環棚卸を実質的に"ゼロクリック"で運用できるのが、IoT重量計を用いた在庫管理ソリューション「SmartMat Cloud(スマートマットクラウド)」です。
■ 仕組み
IoT重量計の上に在庫を置くだけで、内蔵センサーが重量から個数を算出します(※不定貫などではない、単品重量が一定なもの)。設定したスケジュール(例:1日4回、1時間ごとなど)や重量変化を検知することで自動で計測し、在庫データをクラウドに送信します。電池またはAC電源で動作し、設置場所を選ばず運用できます。
■ 現場の変化
現場のスタッフが「数える」作業を行う必要がなくなり、在庫データが自動で蓄積されます。スマートマットクラウドでの管理対象品目は、従来のような棚卸作業の負担を大幅に削減できます。

■ API・CSV連携
既存の基幹システムやWMSとAPI連携・CSV連携・Webhookを行うことで、大規模なシステム改修なしに在庫データの同期や自動発注までをシームレスに実現します。
■ すぐに始められる
Wi-Fi環境と電源(または電池)があれば、既存の棚に設置するだけで短期間で運用を開始できます。

※頻度や分類基準はあくまで一例であり、実際は業種や在庫特性に応じて調整が必要です。
SmartMat Cloud 導入事例:現場の課題と解決の実例
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自動車・製造業・インフラなど多様な業種で、棚卸工数・欠品リスク・発注業務を大幅に削減した実績事例を紹介します。
事例① 株式会社SUBARU | 自動車部品70種の検数を完全自動化
課題: 消費スピードが予測困難な選択勘合部品を、若手社員が毎日1.5時間をかけて手作業で在庫を確認・発注していた。計画と実際の使用数にブレが生じ、緊急手配が発生することも。
SmartMat導入後: バランスウェイトなど70種類におよぶ部品の検数を完全に自動化。従来比1.5倍の費用対効果を実現し、若手社員の従業員体験も向上しました。
💡 循環棚卸との関連: 消費速度が不規則なAランク部品の日次監視を、人手ゼロで継続できるようになった典型例です。
事例② 積水成型工業株式会社 | 月80時間の発注・在庫確認業務を削減
課題: 在庫管理が特定担当者に依存(属人化)しており、日勤・夜勤間の引き継ぎが不十分。クリーンルーム入室を要する保管場所への移動時間・入室準備に、余計なコストが発生していた。
SmartMat導入後: 月80時間の発注業務を削減。日勤・夜勤間の在庫情報共有もリアルタイムで実現し、欠品による生産停止リスクを解消。
💡 循環棚卸との関連: アクセスしにくい保管場所の在庫を「行かずに確認」できることで、ABC分類カテゴリーに限らず、さまざまな品目の循環確認コストが大幅に低下。
循環棚卸に関するよくある質問(FAQ)
Q. 循環棚卸を実施しても、期末の一斉棚卸は不要になりますか?
A. 対象品目・運用方法によります。循環棚卸により帳簿在庫と実在庫のズレを継続的に修正していれば、期末の修正差異を大幅に縮小できます。ただし、法人税法上の棚卸資産の評価や、会計監査の要件によっては、全品目の実地棚卸を年に一度は実施することが求められるケースがあります。自社の会計・監査方針に合わせて顧問税理士・会計士に確認することを推奨します。
Q. 循環棚卸を英語で何と言いますか?
A. 「Cycle Counting(サイクルカウント)」と呼ばれます。外資系企業やグローバルなWMS(倉庫管理システム)、SCM(サプライチェーンマネジメント)ツールではこの呼称が標準的です。
Q3. 循環棚卸の対象外にすべき品目はありますか?
A. 以下のような品目は、循環棚卸の対象外とするか、別の管理手法と併用することを推奨します。
・季節変動が極端な特売品・限定品
在庫の増減幅が大きく、カウント頻度の設定が難しいため、一斉棚卸や都度カウントが適切な場合があります。
・厳密なロット・使用期限管理が必要な品目(一部の化学薬品・医薬品など)
ロット管理(FIFO/FEFO)や使用期限の個別管理が必要な品目は、循環棚卸と「ロット管理」を組み合わせて運用してください。
・超低頻度出庫品(年1回以下)
Cランクとして一斉棚卸に組み込むほうが効率的です。
まとめ:循環棚卸のシステム化で、現場を「数える苦労」から解放する
循環棚卸は、一斉棚卸による業務停止を防ぐ有効な手段ですが、手作業やエクセル管理のままでは「数え間違い」という新たなリスクを生み、現場の疲弊は解消されません。
真の業務効率化(DX)を実現するには、バーコードスキャンすら不要な、IoT重量計による「ゼロクリック棚卸」が現実的な選択肢のひとつです。
現場を「数える苦労」から解放し、コア業務にリソースを集中させるために、まずは自社の環境でどれだけ工数が削減できるか、具体的なシミュレーションを始めてみませんか?


















