在庫管理術
循環棚卸|循環棚卸の目的ややり方と効率を上げる方法とは

倉庫や生産ラインを止めず、少人数で精度高く在庫を把握できる循環棚卸。
本記事では一斉棚卸との違い、目的・手順、IoTによる効率化のポイント、導入企業の実例までをわかりやすく解説し、在庫精度向上と工数削減の実践ノウハウを網羅します。決算期の大幅修正やライン停止に悩む担当者必見です。
循環棚卸とは
棚卸の方法には大きく分けて「循環棚卸」と「一斉棚卸」の2種類あります。
循環棚卸とは、倉庫内にある在庫を、場所や種類、作業する日などの項目にわけて、順番に在庫数を調べていく実地棚卸の手法のひとつです。英語では、サイクルカウントやサイクルカウンティングと呼ばれています。
循環棚卸では、在庫カウントを複数回に分けて実施するため、入出庫業務の停止は棚卸対象エリアのみに限定され、全体のオペレーションや物流を止める必要がありません。
循環棚卸の目的
循環棚卸は、在庫精度を維持しながら棚卸による業務停止リスクを最小化することを目的としたプロセスです。循環棚卸の主な目的を整理しました。
在庫精度の向上
循環棚卸は高頻度で在庫を点検するため、在庫差異をすばやく検出します。帳簿と実在庫のズレが累積せず、期末決算時に大規模な修正対応を強いられるリスクを未然に防ぐことが可能です。
業務停止時間の最小化
24時間稼働するラインや多品種少量生産の現場でもライン停止をしないで在庫確認が行えます。業務停止による出荷遅延や生産ロスを回避できます。
ヒューマンエラーの抑制
棚卸範囲を狭めることで少人数かつ短時間で在庫をカウントできます。作業員の疲労から来る人為的ミスを抑えやすくなります。
差異分析と改善のサイクル化
循環棚卸では検知した在庫差異は、期間が区切られているため原因をすぐに分析できます。ピッキングミス・誤登録・盗難等、原因を特定し、改善策を即実行することで、PDCAを短いサイクルで回すことができます。
循環棚卸と一斉棚卸の違い比較【メリット・デメリット】
循環棚卸と一斉棚卸の違いを比較し特徴・メリット・デメリット・注意点を一覧表にまとめました。
観点 | 循環棚卸 | 一斉棚卸 |
---|---|---|
特徴 | • 品目・ロケーション別に分割し、少量ずつ計数 • 通常オペレーションと並行実施 • ABC分析などで頻度をリスク別に設定 |
• 決算前に全在庫を一括カウント • 生産・出荷ラインを停止または夜間対応 • 手順が単純で教育コストが低い |
メリット | • ライン停止や出荷遅延を回避 • 差異を早期発見し、精度を継続的に向上 • 作業負荷・人員・費用を平準化 •差異原因究明が容易 |
• 会計監査と連動しやすい • 集中作業でスケジュール管理が簡単 • システム不要で実施可能 |
デメリット | • 対象ローテーションやルール管理する仕組みが必須 • 継続的に分析・モニタリング工数が発生 |
• ライン停止による機会損失が大きい • 集中作業でヒューマンエラー増加 • 差異発見と原因特定・是正が遅れる |
循環棚卸の方法・やり方
循環棚卸の作業の流れを見ていきましょう。
循環棚卸の方法
- 計画表を作成し、手順を決める
- 入出庫を止める
- 倉庫内にある在庫を場所や種類、作業する日などの項目に分ける
- 棚卸をする棚を決め、在庫を数える
- ミスがないか確認し、ミスがあれば在庫の差異を修正しその棚の在庫を確定させる
- 通常業務の入出庫を再開する
この流れを1つの棚の棚卸が終わったら、また次の棚の入出庫を止め、同様の流れで進めていきます。
循環棚卸を実施するには、日頃から実在庫と誤差なく正確に帳簿の記録ができていることが前提となります。
「在庫管理システムを導入しているけれども、理論在庫と実在庫が合わない」そんな悩みを解決できるソリューションを紹介します。
循環棚卸を効率化する方法のひとつIoT
IoT(アイオーティー)とは、英語のInternet of Thingsの略で、「モノのインターネット」という意味です。
あらゆるモノをインターネット(あるいはネットワーク)に接続する技術のことで、具体的には以下のようなことを可能にします。
- 離れた場所からモノを操作する
- 離れた場所からモノの状態を把握する
- モノや人の動きを検知する
- モノとモノとを繋ぐ
IoTを使った家電や設備には、センサーやカメラなどが搭載されており、モノの状態や周辺環境といった情報を感知・収集し、インターネットを介して、それらのデータを人やモノに伝えます。
製造業やスーパーやコンビニなどの小売業界もIoTを導入することで、在庫状況などを把握し、より効率的な在庫管理や棚卸・発注が可能になります。搭載されているセンサーは、機器によって光センサーや温度センサー、重量センサーなどさまざまです。
棚卸業務の労力を削減し、効率化する!スマートマットクラウド
現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、簡単に棚卸の自動化が可能です。スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。
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API・CSVでのシステム連携実績も多数
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