在庫管理術
【テンプレあり】棚卸表を徹底解説!作り方・保存期間・効率化のポイント
決算や確定申告のたびに必要になる「棚卸表」。いざ作ろうとすると、
- ■ どんな項目を書けばいいのか分からない
- ■ 保存期間や手書きのルールがあるのか不安
- ■ 毎回時間がかかって現場の負担が大きい
といった悩みを抱えている方は少なくありません。
この記事では、棚卸表の基本的な意味から、5ステップでの作り方、知らずに済ませると危険な法的知識(保存期間など)、そして作成作業そのものを効率化する方法までを一つずつ解説します。
記事中盤では、そのままコピーして使える無料の棚卸表テンプレートも配布していますので、ぜひ実務にお役立てください。
棚卸表とは?

棚卸表とは、実地棚卸(在庫を実際に数える作業)の結果を記録し、帳簿上の在庫データと照合するための書類です。「いつ・どこで・何が・いくつ・いくらで」あったのかを一覧化したもので、決算書の作成や確定申告に欠かせない公式な記録となります。
棚卸表に一般的に記載する項目は次の通りです。
| 項目 | 内容例 |
|---|---|
| 棚卸実施日 | 2026年8月31日 |
| 品目コード・品名 | A001/〇〇部品 |
| 保管場所(ロケーション) | 第1倉庫 A棚 |
| 数量 | 120個 |
| 単価 | 350円 |
| 金額(数量×単価) | 42,000円 |
| 担当者名 | 記入者・確認者 |
似た言葉に「棚卸資産」がありますが、これは棚卸によって確認された在庫を決算書上で資産として計上する際の会計上の分類・評価の考え方を指します。
棚卸表(記録そのもの)と棚卸資産(会計処理)は役割が異なるので、評価方法や仕訳まで詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご覧ください。
棚卸はなぜ重要?単なる在庫保有量の確認ではない
棚卸表の作成が必要になる前提として、そもそも棚卸自体が法人税法・所得税法上の義務であり、以下のような目的で実施されます。
- 在庫の数量・状態を正確に把握する
- 売上原価を正しく算出し、利益を確定させる
- 滞留在庫・不良在庫を早期に発見する
- 帳簿と実地棚卸の差異から、盗難や不正を察知する

棚卸の意味・目的・実施タイミングについては、下記の記事でより詳しく整理しています。次章からは、「棚卸表そのもの」に焦点を絞って解説します。
【5ステップで完成】棚卸表の具体的な書き方と注意点
棚卸表の作成は、以下の5ステップで進めるとスムーズです。
Step1:基準日を決め、帳簿在庫を確定して関係者に周知
棚卸は決算期末や月末など、あらかじめ基準日を設定して行います。まずは帳簿上の在庫を確定し、担当者に周知しましょう。準備段階を丁寧に行うことで、実地棚卸の精度が高まります。
Step2:実地棚卸で在庫数をカウントする
実際に倉庫や店舗の商品を数え、カウントシートに記録します。このとき「商品名」「型番」「数量」などを明確に残しておくことが重要です。複数人でクロスチェックを行うと、数え間違いや記入漏れを回避できます。
Step3:テンプレートに転記する
カウントシートに記録した内容を棚卸表のテンプレートに転記します。ここでは必ず 「棚卸日」「商品情報(商品名・型番)」「数量」 を正しく入力してください。転記ミスを防ぐため、記入後のダブルチェックを推奨します。
Step4:単価と金額を記入する
数量の次は「単価」と「金額」を記載します。評価方法としては、一般的に中小企業では最終仕入原価法が多く用いられますが、総平均法や移動平均法を採用する企業もあります。最終仕入原価法では、直近で仕入れた価格を基準に単価を設定し、数量×単価で金額を計算します。計算結果が帳簿と合わない場合は、差異の原因を確認しましょう。
Step5:責任者による確認・捺印で完成
すべての項目が記入できたら、最後に責任者が内容を確認し、捺印します。承認プロセスを踏むことで、社内文書としての信頼性が担保されます。監査対応や税務申告に備える意味でも必ず実施してください。
これだけは知っておきたい!棚卸表の法的知識
棚卸表を作るうえで、意外と見落としがちなのが「保存期間」や「様式」に関する法的なルールです。
棚卸表の保存期間
棚卸表を含む帳簿書類は、法人の場合、原則として7年間の保存が義務付けられています(欠損金の繰越控除を受ける事業年度は10年間)。個人事業主の場合も、青色申告・白色申告ともに棚卸表を含む一部書類は7年間の保存が必要です(一部書類は5年)。
保存期間の起点は「作成した日」ではなく、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日からとなる点に注意しましょう。正確な年数や自社の申告区分ごとの詳細は、国税庁の帳簿書類の保存に関する案内で必ず確認することをおすすめします。
これらの期間内に破棄してしまうと、税務調査時に不備を指摘される可能性があるため注意が必要です。
手書きでも有効、ただしデジタル化を推奨
棚卸表は手書きでも法的には有効ですが、実務上は電子保存する方が効率的です。データ加工や再利用がしやすく、転記ミスの防止にもつながります。棚卸表は国税関係書類に該当し、紙の書類を持たず電子保存のみの場合には電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。
改ざん防止のためのタイムスタンプ付与や、検索機能の確保などが保存要件を満たす項目となります。自社の運用が要件を満たしているか、顧問税理士や国税庁の最新のガイドラインで確認しておくと安心です。
数えて終わりは卒業!棚卸表記入後のアクションとは?
棚卸差異の原因分析と改善アクション
棚卸表には帳簿上の在庫数と実地棚卸で数えた在庫数を並べて記載します。
棚卸差異 = 実地棚卸数 - 帳簿在庫数
棚卸差異を放置せず、原因を分析して改善につなげることが、在庫管理全体の質を高めます。棚卸差異の発生時には「入力ミス」「管理体制」「需要予測」の3つの視点で在庫管理を見直すことが効果的です。
1. 入力・カウントミス
棚卸作業の現場では、数え間違い・転記ミスなどの人的エラーが最も多く発生します。
● 改善アクション
・ダブルチェック体制を導入し、複数人で検算する
・ハンディ端末や重量IoTを使い、転記作業そのものをなくす
2. 管理体制の問題
在庫の置き場所が曖昧だったり、誰が責任者なのか不明確な場合、カウント結果に差異が生じやすくなります。
● 改善アクション
・棚やロケーションごとに置き場所ルールを設定
・在庫管理の責任者を明確にし、属人化を防ぐ
3. 需要予測のズレ
販売予測や仕入計画が実態と合わないと、過剰在庫や欠品を引き起こします。在庫の過不足のある状況がオペレーションの乱れや記録精度の低下を招き、棚卸差異として現れます。
● 改善アクション
・POSデータや販売実績を分析して予測精度を高める
・在庫回転率やリードタイムを定期的に見直す
「入力・カウントミス」を根本から減らしたい場合は、ハンディ端末やIoT重量計による自動化も選択肢の一つです。棚卸の負担を仕組みから見直したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
無料でそのまま使えるテンプレート
ここまでの内容を踏まえて、すぐに使える棚卸表テンプレート(Excel)を無料で配布します。会員登録やメールアドレスの入力は不要です。以下のリンクからダウンロード(またはコピー)して、そのままご利用ください。
▼ 棚卸表テンプレートをダウンロードする(Excel形式)📋️📋️▼
■ テンプレートの主な特徴
- 品目・ロケーション・数量・単価を入力すると、金額・小計・合計が自動計算される関数を設定済み
- ロケーション別の集計シートを分けており、複数担当者での分担作業がしやすい構成
- ダブルチェック欄(記入者/確認者)をあらかじめ用意し、STEP2・STEP3のクロスチェックを運用しやすくしています
自社の商品点数や倉庫の構成に合わせて、行の追加やロケーション名の変更など、自由にカスタマイズしてお使いください。
棚卸表に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 棚卸表とは何ですか?
A. 棚卸表とは、倉庫や店舗の在庫を定期的に実地確認し、その数量・金額・状態を記録する帳票のことです。在庫管理の基盤となる資料であり、実在庫と帳簿在庫のズレを把握し、適正在庫の維持や在庫コスト削減に役立ちます。
Q2. 発注のための棚卸の入力で特に注意すべきポイントは何ですか?
A. 発注に直結する棚卸入力では、実地数量だけでなく発注点、最小在庫数、ロケーションまで正確に記録することが重要です。入力の誤差はそのまま過剰発注・欠品につながるため、基準日を揃え、二重チェックを徹底し、可能であればハンディ端末や重量IoTで転記作業を省くことで精度とスピードを両立できます。
Q3. 棚卸表の保存期間はどれくらいですか?
A. 棚卸表は、会計帳簿としての扱いになるため、法人税法などで定められた保存期間に従う必要があります。通常、帳簿書類等の保存期間は7年間以上が目安とされており、電子データがある場合にも法的要件を満たした保存が求められます。
棚卸表を自動作成!在庫管理システム「スマートマットクラウド」

棚卸のたびに倉庫を歩き回って数量を数え、手書きの原始記録を転記。時間とヒューマンエラーの温床となっている従来の棚卸作業を、スマートマットクラウドが刷新します。
IoT重量センサーの上にモノを「置くだけ」で、数量がリアルタイムにクラウドへ同期。在庫の増減が自動で記録されるため、期末に在庫をカウントし直す必要がありません。
スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます
さまざまな自動発注に対応し在庫圧縮にも貢献
お客様の発注先に合わせた文面でメール・FAXの送信が可能です。また在庫の変動データから適切な在庫量をAIが提案し、欠品を防ぎ、過剰在庫や不動在庫をカイゼン。在庫圧縮を促進し、キャッシュ正常化に貢献します。

置く場所を選びません
スマートマットはサイズ展開豊富で、複数枚を組み合わせて使うマルチマットの仕様もあります。ケーブルレスで、Wi-Fi・SIM対応。冷蔵庫・冷凍庫利用も可能でさまざまな場所にレトロフィットします。
API・CSVでのシステム連携実績も多数
自社システムや他社システムと連携を行い、より在庫管理効率UPを実現します。
棚卸表作成+実地棚卸の労力を大幅に削減したSMC導入事例
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(出典)
国税庁 タックスアンサー No.5930「帳簿書類等の保存期間」(令和6年4月1日現在)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm -
「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/index.htm -
決算の手引き(棚卸表の作成ほか)〈PDF/令和6年10月1日現在〉
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/0021012-127_01.pdf















