在庫管理術
スマート工場に必要なIoTとは【導入する目的やメリット・導入事例・導入する際の課題】
そもそもスマート工場とは?IoTとは?
スマート工場とは、スマートファクトリーとも呼ばれ、工場内にある生産設備や製造機械などの機器や設備をコンピューターネットワーク(インターネット)に接続させた工場のことです。
そして、スマート工場を構築するためには、IoT(Internet of Things・モノのインターネット)の導入が必須とされています。
これまでコンピューター同士でしか繋がっていなかったインターネットですが、IoT機器を導入することで、工場設備などのあらゆる「モノ」とインターネットを繋ぐことが可能になります。
具体的には、工場内のモノとモノがインターネットで繋がり、データを通信すると、これまで入手できなかったさまざまなデータを収集することが可能になり、工場内の見える化が実現できます。
この記事では、スマート工場に必要なIoTを導入する目的やメリット、導入事例、導入する際の課題をわかりやすく解説。
また、スマート工場で実際に導入が進んでいる人気のIoTソリューションもご紹介します。
▼スマートファクトリーの関連記事はこちら
スマートファクトリー|スマートファクトリーの定義とIoT活用事例
インダストリー4.0【設計原則・要となるスマートファクトリー・必要なテクノロジー・取り入れることの目的とメリット】
IoT×在庫管理【特徴・デメリット・その他ソリューションとの比較】
工場にIoTを導入する目的とメリット
工場内の設備にIoTセンサーやカメラなどを取り付けることにより、収集したデータをもとに設備の稼働状況を、遠隔でリアルタイムに収集・監視。工程の流れや異常、無駄を発見することが可能になります。
これにより、以下のようなメリットが生まれます。
工場の効率化・生産性向上
収集したデータをもとに、工場内の課題を早期に発見し、⽣産ライン全体の⽣産完了
予定時間が最短化されるよう、設備の稼動計画、段取り替え計画、作業計画を修正・
最適化。
工場の見える化
IoTセンサーが工場内の稼働状況や異常をデータで通知、そのデータをパソコンだけでなく、タブレットやスマホなどでスタッフで共有、見える化。
品質の向上
不良率の低減、品質の安定化・ばらつきの低減、設計品質の向上。
コストの削減
材料の使⽤量の削減、在庫の削減、設備の管理・状況把握の省⼒化など生産に必要な人材や物資、資金、時間などの経営資源を削減。
製品化・量産化の期間短縮
製品の開発・設計の⾃動化、仕様変更への対応の迅速化、⽣産ラインの設計・構築の短縮化。
新たな付加価値の提供・ 提供価値の向上
収集したデータを使って、多⽤なニーズへの対応⼒の向上、新たな製品・サービスの提供、製品の性能・機能の向上へ。
⼈材不⾜・育成への対応
工場内の作業をIoT機器を導入することで、自動化。多様な⼈材の活⽤、技能の継承
が可能に。
スマート工場IoT導入事例
いち早くIoTによるスマート工場に取り組んでいる国内製造業の事例をいくつかご紹介します。
株式会社⽇⽴製作所
⽇⽴が実現したスマート⼯場、⽣産リードタイムを50%削減へ
⼤みか事業所では⻑年にわたり、モノづくりの効率化と品質向上の取り組みを⾏ってきており、2015年からIoTを活⽤したサプライチェーンと⼯場の⽣産活動のデジタル化に取り組みを開始。
「作業改善⽀援システム」と「⼯場シミュレーター」を導⼊し、これらと従来も取り組んできた「RFID⽣産監視システム」と「モジュラー設計システム」を併せた4つのシステムを連携させることで、⼈、モノ、設備の情報を循環させる⾼効率⽣産モデルを確⽴。
富⼠通株式会社
⼈とロボットが協調する次世代ものづくりの取り組み
部品のばらつきに柔軟に対応する⾃律制御や⼯程変更に迅速に対応する制御プログラムを⾃動⽣成するロボットのシステム開発、IoTを活⽤した⼯場設備の監視、部品特性や湿度など様々な要因による製造品質の予測などを富⼠通のものづくりで実践。
これらをリファレンスモデル*とした新たなソリューションを、2015年10⽉から順次提供。
*リファレンスモデル:メーカーが製造した標準モデルのこと。
工場にIoTを導入する際の課題
人件費の高騰と燃料費の高騰による物流コストの上昇、労働力不足など多くの課題を抱える製造業にとって工場にIoTを導入、スマート工場化を推進していくことは必須と言われています。
早々に着手を考えているかもしれませんが、導入の際には以下のような点に注意が必要です。
導入コスト
IoT機器やネットワーク環境を整えるためにはそれ相応のコストが必要です。
中小企業の多い製造業ではこれはかなりの難題かもしれません。
国をあげてスマート工場を推進しているため、各種補助金が用意されているので、ぜひチェックしてみましょう。
▼補助金の関連記事はこちら
【2023年度版】IT導入補助金2023|IT導入補助金とは?補助の内容と対象、スケジュール、申請の注意点を解説
ネットワークの構築とセキュリティ
IoT機器が収集するデータをしっかり管理するには十分なネットワークの構築が必要です。
また、サイバー攻撃が増加している昨今はセキュリティ対策も忘れていけません。
工場の規模や目的に合ったネットワークを社内や社内外の専門家などとも十分に検討して進めていくことが重要に。
人材の確保
IoTを管理、運営できるデジタルに精通した人材が必要になります。
また、現場とのすり合わせやトラブルに対応する能力も問われるため、専用のチームやリーダーをしっかり選定して進めていくことも大切です。
▼製造業の課題についての関連記事はこちら
人手不足【日本の現状・深刻な業界・影響とデメリット・原因・解消法と成功事例】
製造業の効率化【必要な理由・目安・効率化に欠かせない在庫管理・DX導入で改善・成功事例】
食品製造業の効率化・生産性向上【課題・なぜ生産性が低いのか・生産ロスの原因と改善策・成功事例】
工程内の業務を見える化する「スマートマットクラウド」
現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、簡単に自動化が可能です。スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。
あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます。
生産工程の計画・実績・進捗をクラウドで把握し、欠品などによる生産の遅れを検知してリアルタイムに自動でお知らせ。製造業で欠かせない工程管理をサポートします。
さまざまな自動発注に対応
お客様の発注先に合わせた文面でメール・FAXの送信が可能です。
在庫圧縮を促進
推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します。
置く場所を選びません
スマートマットはA3サイズ〜A6サイズまでの4サイズ展開。ケーブルレスで、冷蔵庫・冷凍庫利用も可能。
API・CSVでのシステム連携実績も多数
自社システムや他社システムと連携を行い、より在庫管理効率UPを実現します。
リアルタイム実在庫のデータを収集、分析、遠隔管理が可能
スマートマットクラウドはリアルタイム実在庫のデータを収集、分析、遠隔で管理。工場内の自動化、スマートファクトリー化をサポートするIoTソリューションです。
IoTで現場のモノの動きを捉え在庫管理を自動化、その上で工程内のモノの流れを分析し問題を見える化します。さらにリアルタイム実在庫データを武器に工程を跨ぐ流れの澱みを特定しDX、現場力の向上に寄与します。
在庫置場に出向くことなくリアルタイムで管理画面から部品と仕掛品の在庫数を確認できます。在庫確認や補充タイミング把握のため、倉庫や工場内を走り回る必要はもうありません。
スマートマットクラウドは生産工程の進捗状況も可視化。
後工程からひとつ前の工程に、必要な部品を、必要なタイミングで、いくつ必要かを自動で伝えることで、製造業の生産プロセスに潜むさまざまな課題を解消します。
◆特徴
- 遠隔で在庫を一元管理:倉庫や各拠点の在庫を管理画面で一元管理
- 需要に見合った供給を実現:ひとつ前の工程に伝え、過不足なく生産できる
- 生産効率を最大化:リアルタイムかつ自動で伝え、ムダがない
IoTソリューション「スマートマットクラウド」でスマート工場化に成功した導入事例