在庫管理術
IT導入補助金×製造業【2024年度版課題と現状・補助金の対象・ツールとIoT・DX】
この記事では、2024年度のIT導入補助金の活用を検討している製造業企業に向けて、製造業DX化の現状や課題、IT導入補助金の内容についてわかりやすく解説していきます。
製造業のDX化を支援するIT導入補助金
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者がITツール導入するための経費の一部を国が補助する支援制度です。
企業が抱えている課題や今後の事業計画に適したITツールを導入し、業務の自動化や効率化、働き方改革、売り上げアップを支援することを目的としています。
製造業のDX化の課題と現状
製造業は、少子高齢化による人手不足、IT化の遅れ、新型コロナウイルス流行や国際紛争、原料の値上がりや半導体の不足など刻々と変化する社会情勢の対応をはじめさまざまな課題に直面しています。
その解決策として最も有効とされているのは製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化です。
現在日本では、国を挙げて製造業のITツール活用によるスマートファクトリー*化やDXが推進されています。
製造業においては、資本力のある大企業ではIT化が進んでいます。一方で資金や人材不足、IT化への知識不足などから、中小企業・小規模事業者では、導入に消極的な企業が多く見受けられます。
このような課題を解消するために、国によるサポートが受けられるよう、経済産業省・中小企業庁によってIT導入補助金制度がスタートしました。
*スマートファクトリー:IoTやAIなどの先進技術を用いてデータ活用・分析を行い、製造プロセスの改善や稼働の効率化を実現する工場のこと。
IT導入補助金の対象類型【2024年度版】
2023年との変更点はインボイス枠の新設
IT導入補助金は毎年制度に変更があり、受けられる補助内容や対象が異なります。2024年度IT導入補助金の概要について説明します。
2024年度はインボイス枠が新規に設立されました。インボイス枠とはインボイス制度に対応しデジタル化を一挙に推進するため、会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフトの導入費用に加え、PC・タブレット、レジ・券売機等の導入費用を支援する制度です。
導入費は、ソフトウェア購入費・クラウド利用料最大2年分、導入関連費が申請の対象となります。インボイス枠ではインボイス制度に対応していないソフトウェアやECサイト制作は対象になりませんので注意が必要です。
通常型
通常枠では、生産性向上に役立つITツールの導入支援を受けられます。対象は中小企業と小規模事業者です。補助額は2段階に区分され、「5万円以上150万円未満」、「150万円以上450万円以内」となっています。
補助率は、2分の1以内。ソフトウェア購入費・クラウド利用料最大2年分・導入関連費の自己負担が約半額になります。
生産性向上に役立つスマートマットクラウド!3分でわかる資料はこちら>>
【新設】インボイス枠電子取引類型
- 取引関係における発注者(大企業を含む)が費用を負担してインボイス対応済みの受発注ソフトを導入し、受注者である中小企業・小規模事業者等が無償で利用できるケースを支援します。
補助額 | 補助率 | 補助対象経費 | ||
中小企業・小規模事業者等 | インボイス制度に対応した受発注 |
2/3 |
350万円以下 |
クラウド利用料(最大2年分) |
大企業等 | 1/2 |
*参照:IT導入補助金制度概要詳細 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r5/r5_it.pdf
【新設】インボイス枠インボイス対応類型
- 2023年10月に開始されたインボイス制度への対応に特化した支援枠です。
- 会計・受発注・決済ソフトに加えPC・タブレット・レジ・発券機等のハードウェア導入費用も支援します。
- 小規模事業者は最大4/5補助し、補助下限はなく安価なITツール導入も支援します 。
補助額 | 補助率 | 補助対象経費 | |
インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト |
4/5,3/4※1 |
50万円以下 |
ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費、ハードウェア購入費 |
2/3※2 | 50万円超〜350万円 | ||
PC・タブレット等 |
1/2 |
〜10万円 | |
レジ・発券機等 |
〜20万円 |
*参照:IT導入補助金制度概要詳細 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r5/r5_it.pdf
※1 小規模事業者については補助率は4/5。中小企業については補助率は3/4。
※2 補助額50万円超の場合、補助率は補助額のうち50万円以下については3/4(小規模事業者は4/5、50万円超については2/3)。
複数社連携IT導入類型枠
- 10社以上の中小企業・小規模事業者が連携したインボイス制度への対応やキャッシュレス決済を導入する取り組み等を支援します。
- 連携のための事務費・専門家費も補助対象です。
補助額 | 補助対象経費 |
(1)インボイス枠インボイス対応型の対象経費※ (2)消費動向分析費 上記(1)以外の経費) 50万円×参画事業者数 補助上限:(1)+(2)で3,000万円 (3)事務費・専門家費 補助上限:200万円 |
ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費・ハードウェア購入費 |
*参照:IT導入補助金制度概要詳細 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r5/r5_it.pdf
※消費者動向等分析経費のクラウド利用率は1年分が補助対象
セキュリティ対策推進室
- 生産性の資するITツール(ソフトウェア・サービス)の導入を支援します
- クラウド利用料を最大2年分補助し、保守運営等の導入関連費用も支援します
補助率 | 補助額 | 補助対象経費 | |
1/2 | 5万円〜100万円 | サイバーセキュリティサービス利用料(最大2年分)※ |
*参照:IT導入補助金制度概要詳細 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r5/r5_it.pdf
※(独)情報処理推進機構(IPA)【サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト】に掲載されたサービス
IT導入補助金のスケジュールと申請方法
IT導入補助金の内容や昨年との変更点申請方法は、こちらの記事でご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
IT導入支援事業者とは
IT導入支援事業者とは、補助事業を申請者とともに実施する、補助事業を実施するうえでの共同事業者のことです。
中小企業・小規模事業者の生産性向上のために、ITツールの提案・導入及び経営診断ツールを利用した事業計画の策定の支援をはじめとし、各種申請等の手続きのサポートを行います。
このIT導入支援事業者が事務局に登録し、認定を受けたITツールのみが、IT導入補助金の補助対象となります。
審査を経て、事務局に登録されたIT導入支援事業者の一覧はIT導入補助金事務局のポータルサイトで公表されます。
ITツール「スマートマットクラウド」を提供する株式会社スマートショッピングは、2021年度からIT導入支援事業者に採択されています。
IT導入補助金を利用して製造業が取り組みたいDX化
スマートマットクラウドを導入すると製造現場のものの流れの見える化が実現します。
資材を重量センサーを搭載したスマートマットに載せるだけ。棚卸、在庫管理にとどまらず工程管理、品質管理まで効率的に行えます。
製造現場で稼働状況や生産状況、在庫などのデータを分析することで、人力では発見しにくい問題や傾向なども把握できるようになり、生産性の向上やロスタイムの削減につながります。
スマートマットクラウドがリアルタイムで工程を見える化
IoTで在庫管理を自動化、工程カイゼン・DX推進
スマートマットクラウドはリアルタイム実在庫の見える化で在庫管理、工程カイゼン・DXを進めるIoT SaaSプロダクトです。IoTで現場のモノの動きを捉え在庫管理を自動化、その上で工程内のモノの流れを分析し問題を見える化します。さらにリアルタイム実在庫データを武器に工程を跨ぐ流れの澱みを特定しDX、現場力の向上に寄与します。
在庫置き場に出向くことなくリアルタイムで管理画面から部品や仕掛品の在庫数を確認できます。在庫確認や補充タイミング把握のため、倉庫や工場内を走り回る必要はもうありません。
スマートマットクラウドは生産工程の進捗状況も可視化。
後工程からひとつ前の工程に、必要な部品を、必要なタイミングで、いくつ必要かを自動で伝えることで、製造業の生産プロセスに潜むさまざまな課題を解消します。
◆特徴
- 遠隔で在庫を一元管理:倉庫や各拠点の在庫を管理画面で一元管理
- 需要に見合った供給を実現:ひとつ前の工程に伝え、過不足なく生産できる
- 生産効率を最大化:リアルタイムかつ自動で伝え、ムダがない
製造業のDX化をサポートするスマートマットクラウド導入事例
スマートマットクラウドは、製造業をはじめ現在多くの企業様に導入いただいています。導入をきっかけに在庫管理をDX化した事例をご紹介します。