在庫管理術
ロジスティクス【ロジスティクスとは何か?物流との違いとは】

本記事ではロジスティクスとは何か、その詳しい定義と物流との違いを分かりやすく解説します。
またロジスティクスを構築した際の経営上のメリットやサプライチェーンマネジメント(SCM)との関係に加え、ロジスティクスの今後と課題についても触れています。またロジスティクスの有効なソリューションとなる最新のIoT機器について紹介しているので、ぜひご一読ください。
ロジスティクスとは
ロジスティクス(英語:logistics)とは、運送・保管・荷役・包装などの物流活動を含む、より広範で戦略的な経営管理手法です。企業がモノや情報の流れを最適化することで、在庫の適正化、コスト削減、リードタイム短縮などの効果をもたらし、企業全体の競争力を高めます。
現在では、調達・生産・販売・回収・サービス提供といった活動すべてを統合管理し、顧客満足度を最大化する取り組みとして注目されています。また、環境負荷の軽減や持続可能な物流網の構築といったESG視点※1の経営課題への対応も、ロジスティクスの重要な役割です。
※1:ESG視点とは
上図のように、ロジスティクスは「調達・生産・販売」の調整をも含む、「物流」の上位概念に当たり、「戦略的物流設計」「需要のマネジメント」「顧客体験向上」が重要視されます。
ロジスティクスと物流の違い
まず「物流」とは、モノを供給者から需要者へ運ぶ過程を指し、以下のような機能を含んだ一連の流れです。
- 輸送・運送
- 保管
- 荷役(積み下ろしなど)
- 包装
- 流通加工
- 情報システ物流
一方で「ロジスティクス」は、これら物流活動全体を戦略的に計画・統制・最適化する経営手法です。
物流とロジスティクスの違いは、物流=オペレーション(活動)、ロジスティクス=マネジメント(管理)と捉えると理解しやすいでしょう。
ロジスティクスの経営上のメリット
ロジスティクスを経営に取り入れることで、以下のようなメリットが期待できます。
在庫の適正化と機会損失の防止
情報や内部データを整理し、最適化することで正確な需要予測が可能となります。需要予測が適切であれば、適正な在庫量の維持や的確な配置・補充に貢献し、欠品や過剰在庫を防ぐことが可能です。
さらに在庫適正化が実現すれば、顧客の期待に応える供給体制を構築でき、結果的に機会損失の防止に繋がります。
コスト削減とキャッシュフローの改善
適正在庫を維持することで、ムダな仕入費用・運搬費・保管費・廃棄コスト、それに関わる人件費の抑制が可能です。結果的に、総コストの圧縮と資金繰りの健全化が実現されます。
顧客満足度向上
リードタイム短縮や配送精度アップにより、顧客体験の質が向上します。こういった状態が継続されることで、顧客ロイヤリティが上がり、結果的に経営基盤の強化にもつながります。
QCD(品質・コスト・納期)バランスの最適化
モノとデータの流れが的確に管理されることで、企業内での物流・在庫管理関連の業務効率化が進みます。すると現場が重要業務に専念しやすい環境が生まれ、QCDバランスが整います。
ロジスティクスとサプライチェーンマネジメント
ロジスティクスが企業内部の活動最適化であるのに対し、サプライチェーンマネジメント(SCM)は企業間連携による最適化を目指すものです。具体的に述べると、SCMは原材料から最終製品の間にある数々の企業間の枠やムダを取り払い、最大限に効率化された供給体制の構築を示しています。
SCMを実現するには、供給先から最終顧客までのモノ・情報・金の流れを一元的に管理し、業務プロセスを合理化・可視化する仕組みが必要です。
近年では、グローバル化・少子高齢化・需給変動の激化などを背景に、ロジスティクス強化からSCM構築へ発展する企業が増えています。
ロジスティクスの今後と課題
ロジスティクスは、以下のような目的で進化を続けています。
- 生産から販売、配送までのトータル最適化
- データ活用による在庫削減・欠品回避
- 業務の省人化・自動化
しかし、従来型のロジスティクスシステムは、初期コストが高く導入ハードルが高いという課題がありました。こうした課題に対し、IoTやクラウド活用による“クイックなロジスティクス強化”が現実的な選択肢なりつつあります。
IoTがロジスティクスを変革する
IoT機器を導入することにより、さまざまな業務の「自動化」や「見える化」ができるだけでなく、今までは採れなかったようなデータの収集・蓄積が可能です。特に情報とモノの流れを整備し、データ収集できるIoT機器は、戦略的なロジスティクスの大きな一助となります。
導入効果の例
例えば在庫管理や工程管理業務にIoT機器を導入すると、以下のような効果が期待できます。
- リアルタイムでの在庫・工程状況の可視化
- 人的工数(数量確認など)不要で発注・補充の自動通知
- 現場の異常や傾向をデータで把握し、対策を即実行
DXの入り口としてのIoT導入
特に、生産・物流・販売の各現場でデジタルデータを活用することで、属人的な業務の脱却が進みます。これにより、DX(デジタルトランスフォーメーション)の第一歩として、ロジスティクス改革を小さく始めることが可能になります。
スマートマットクラウドで“すぐ始められる”ロジスティクスDX
「スマートマットクラウド」は、モノの在庫をマットに“置くだけ”で自動計測・発注できるIoT在庫管理システムです。現場のあらゆるモノをIoT重量計(スマートマット)で自動計測し数量を見える化。発注の自動化やあらゆる在庫の一元管理、在庫圧縮に活用できます。
簡単にモノの流れとデータを見える化。最適な在庫管理DXソリューションであり、ロジスティクス強化にも繋がります。
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スマートマットの上にモノを置くだけで、在庫の変動を自動で把握。人手いらずで在庫をリアルタイム管理。
●タイミングを逃さない自動発注
在庫が減ったタイミングで、FAX・メールなどお客様に応じた発注手段を自動実行。
●在庫圧縮を促進
推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します
●多拠点・冷蔵庫・工場・倉庫で活用可能
ケーブルレス設計。A3〜A6サイズまであり、工場ラインや医療倉庫、厨房内でも柔軟に配置。棚や引き出しの中にも設置可能で、複数組み合わせるマルチマッチ仕様なら、~2tまでの重量物にも対応できます。
●API・CSV連携でシステム拡張もカンタン
生産管理システムや購買管理システムとの連携実績も多数。全体最適の在庫管理に対応可能です。
スマートマットクラウドによるロジスティクス強化の成功事例
スマートマットクラウドは、現在多くの企業様に導入いただいています。導入により、より戦略的かつ顧客満足度向上につながる在庫管理が実現した事例をご紹介します。
この記事を書いた人

スマートマットクラウド メディア編集部
スマートマットクラウド メディア編集部です。業務効率化や業務の課題解決などをわかりやすく解説します!
【スマートマットクラウドとは?】
スマートマットの上にモノを置き続け、重さで数を数えるIoTサービスです。
ネジなどの部品、副資材・仕掛品・粉モノや液体の原材料まで、日々の在庫確認や棚卸・発注まで自動化します。