在庫管理術
歯科医院の患者対応【他医院との差別化や集客を左右する接遇の重要性と課題解決に必要な歯科DX】

歯科医院の患者対応の重要性
日本には 66,818 件の歯科診療所があり(2023年10月時点)、主要コンビニ5社の 57,984 店(2023年3月末)を大きく上回ります。都市部では同一エリアに複数院が並ぶケースが珍しくなく、医院同士の比較検討”は患者の当たり前になりました。
こうした環境で生き残るには、診療内容以外の体験価値で差別化することが不可欠です。近年の成功院が強化している主な打ち手は次の3つに集約できます。
- インプラントや審美歯科(ホワイトニングや歯並びの矯正など美しさに焦点を当てた歯科医療)といった専門性の高い技術を提供
- 患者に清潔さをアピールするようなインテリアや内装デザイン
- 院長、歯科衛生士や歯科助手、受付などの各スタッフの患者への対応=接遇*
とりわけ、医院の印象を左右し、患者に選ばれるか否かを大き左右する患者への対応=接遇は近年、どの歯科医院も重要視しています。
この記事では、歯科院の患者誘導の流れや話し方や会話などのポイント、患者対応の課題をわかりやすく解説していきます。
また、患者対応の課題を解決するために欠かせない今、話題のIoTや歯科DXについてわかりやすく解説していきます。
*接遇:おもてなしの心を持って相手に接すること。販売業やサービス業など「接客」を行う業界で必要なスキル。最近ではサービス面で差別化を図りたい医療業界や教育業界などでも重要視されている。
歯科医院の患者対応のポイント【誘導・寄り添う接し方や会話】
歯科医院の患者対応=接遇には以下のようなことを意識し、徹底することがポイントになります。
- 患者が安心して治療を受けられる笑顔、挨拶、身だしなみ、態度、言葉使いやコミュニケーション
- 5S(整理・整頓・清>掃・清潔・躾)の徹底
- 患者さんに好印象を与えるスタッフのチームワーク
対応がバラバラ、連携の取れていない状態は、患者の不安につながる。
このように歯科医院では患者が一歩、足を踏み入れた瞬間から、受付・誘導・待合室の待機・治療・会計・薬の受け渡し・次回予約…まで、好印象を抱いてもらい、安心してリピーターになってもらうための各種接遇が必要です。
近年では、この需要の高まりを受け、歯科医院の接遇マニュアルやセミナーなども数多く用意されています。
歯科医院の患者対応の課題
ここまでご紹介してきたように、歯科医院の患者対応=接遇は、クリニックの口コミや評判を大きく左右し、他の歯科医院との差別化、集患に関わるため、健全な経営には欠かせません。
ですが、実際の歯科医院の現場では以下のような点から、患者対応=接遇になかなか取り組めないとう声も…。
- 働き方改革が進まず、歯科衛生士、歯科助手、受付などスタッフが定着しない
- 在庫管理や発注といった本来の業務ではない雑務に追われ、患者対応に集中できない
次の章では、このような歯科医院が抱える業務課題を解決し、患者対応を円滑にすすめるために今、注目を集めているIoTや歯科DXについて解説していきます。
歯科医院の患者対応の課題をサポートするIoTとDX
患者満足度を伸ばすうえで最も大きな障壁になっているのが、スタッフが本来業務とは別に抱え込む雑務です。歯科医院では消毒液や手袋、マスクなどの医療材料を欠かさないよう管理しなければならず、在庫数の確認や棚卸、発注の転記作業が診療の合間を埋めてしまいます。新型コロナ以降は検温や動線分離などの感染対策も加わり、院長を含む全スタッフの時間と注意力が細切れになりました。
結果として、患者の質問に十分な説明ができなかったり、受付の待ち時間が伸びたりといった形でサービスにしわ寄せが出ます。
スタッフ定着と患者満足度を高める自動化の効果
こうした負荷を根本から減らす切り札が、デジタルトランスフォーメーション(DX)とモノのインターネット(IoT)の組み合わせです。
DXは業務や経営そのものをデジタル化で作り替える取り組みを指し、IoTは現場の「モノ」をネットワークにつないで自動計測や遠隔制御を実現する技術基盤です。センサー付きデバイスを導入すれば、在庫数はリアルタイムでクラウドに記録され、人がメモを取りながら歩き回る必要がなくなります。消費ペースに応じた自動発注も可能になるため、欠品や過発注のリスクは大幅に下がり、緊急注文にかかるコストも抑えられます。
スタッフ側には雑務をこなすために時間を割くという心理的負担がなくなり、患者への説明やヒアリングに集中できる余裕が生まれます。
受付や助手のように離職率が高いポジションでも、働きやすさが向上することで定着率が上がり、慢性的な人材不足を緩和する効果が期待できます。
スマートマットクラウドで発注・在庫管理を自動化
重量IoT在庫管理システム「スマートマットクラウド」がムダな在庫と欠品の両方を抑え、急な追加注文に追われるコストやストレスを削減します。
管理したい材料や消耗品の数がリアルタイムでクラウドに記録され、手書きメモは不要になります。消費ペースに応じた自動発注も可能になり、欠品や過発注のリスクが大幅に下がります。こうして生まれた時間的・心理的余裕は、患者さまへの説明やヒアリングに充てられ、スタッフ定着と満足度の向上にもつながります。
さまざまな自動発注に対応
「スマートマットクラウド」は、メール・FAXに加え、医薬品やディスポーザブル製品の受発注などに広く使われている標準商品コード「メディコード」を使ったAPI連携により、貴院で現在お取引のあるCiモール、FEEDデンタル、P.D.R.オンラインなどの主要ディーラーに対し自動で発注を行うことができます。
スマートマットのサイズは、A6サイズ〜A3サイズまで
- 倉庫室のラック上
- 診療エリア備え付けの棚の中
- 引き出しの中
貴院のスペースや使用状況、導線に合わせた設置が可能です。
スマートマットクラウド導入事例
スマートマットクラウドは、現在多くの歯科医院に導入いただいています。スタッフの業務負担削減効果に貢献し、本来の患者対応業務に集中できるようになった事例をご紹介します。
▼材料を数える時間を1/3に抑え歯科衛生士のモチベーション向上へ(医療法人瑞翔会 栄駅前矯正歯科クリニック)

在庫管理業務は、業務量が多く、診療の合間に行うと大きなストレスがかかります。スマートマットクラウドを導入した後、在庫管理が自動化され、在庫管理業務を採用の難しい歯科衛生士から事務スタッフへ任せられるようになりました。
(参考)
厚生労働省「令和5年 医療施設(静態・動態)調査」
都道府県データランキング「コンビニエンスストア店舗数」
厚生労働省/日本歯科衛生士会「歯科衛生士勤務実態調査」
この記事を書いた人

スマートマットクラウド 医療メディア編集部
医師をはじめとする医療従事者、医療業界の課題に精通している日本最大級の医療情報専門サイト 「m3.com」出身のライターが、医療業界の課題から業務効率化・DX推進までわかりやすく解説します!
【スマートマットクラウドとは?】
スマートマットの上にモノを置き続け、重さで数を数えるIoTサービスです。
ネジなどの部品、副資材・仕掛品・粉モノや液体の原材料まで、日々の在庫確認や棚卸・発注まで自動化します。