在庫管理術
QRコード在庫管理の始め方|スマホで安価にDXする全手順とアプリ比較
毎月の棚卸しで、深夜まで残業していませんか?
「帳簿と実在庫が合わない」
「入力ミスがなくならない」
こうした悩みは、担当者のスキルや注意力の問題ではありません。
Excelをベースとした在庫管理そのものに、構造的な限界があることが原因です。
今お持ちのスマートフォンとQRコードを活用すれば、月額数千円から、驚くほど正確で手間のかからない在庫管理を実現できます。
この記事では、現場改善コンサルタントの視点から、自作のExcelによる管理の限界を明らかにし失敗しないQRコード管理アプリの選び方、現場でつまずきがちなラベルシールの運用法まで、低コストでのQRコードDXの全手順を解説します。
なぜExcel自作ではなくQRコード×アプリなのか?
Excelを使った在庫管理は、共有・即時性・運用継続性の点で限界があります。一方、スマートフォン×QRコード管理アプリであれば、低コストのまま、入力ミスを減らし、場所を選ばず在庫データを更新できます。
「コストをかけたくないから、ExcelでQRコード管理システムを自作したい」。
多くの現場担当者様からご相談いただきますが 、私は「まずはQRコードシステムのトライアル導入を検討してください」とお伝えしています。
なぜなら、Excelはあくまで表計算ソフトであり、在庫管理のように常にデータが増減し、複数人が同時に扱う業務を前提とした仕組みではないからです。在庫管理をExcelで続ける限り、どうしても越えられない3つの壁が存在します。
Excel管理を破綻させる3つの壁
1つ目は、同時編集の壁です。 誰かがファイルを開いていると他の人が入力できなかったり、共有設定にしてもデータが競合して先祖返りしたりするリスクが常にあります。
2つ目は、属人化の壁です。 便利なマクロやVBAを組めば組むほど、そのファイルは作った人にしか直せないブラックボックスになります。担当者異動や退職と同時に、運用が止まるケースは珍しくありません
3つ目は、リアルタイム性の欠如の壁です。 現場でメモを取り、事務所に戻ってからExcelに入力する。このタイムラグこそが、在庫ズレの最大の原因です。
✍️ 筆者の経験からの一言アドバイス
今の担当者がいなくなっても回り続ける在庫管理の仕組みを選ぶことが、結果的に会社を守ります。
私自身も過去にVBAで完璧と思える在庫管理ツールを作った経験があります。しかし、私が異動した途端に誰もメンテナンスできなくなり、エラーが出ても放置され、最終的にデータが破損して現場に混乱を招いてしまいました。
仕組みを作れることと運用し続けられることは全く別物。この経験から、属人化しない仕組みを最優先で考えるようになりました。
スマホ×QRコード導入で得られる3つのメリット
クラウド型のQRコード在庫管理アプリを導入すると、在庫管理は記録のないスキャンするだけの業務へと変わります。

実感しやすいQRコード管理の代表的なメリットは、次の3つです。
入力工数の大幅削減
スマートフォンのカメラでQRコードを読み取るだけで、入出庫データがクラウド上の在庫台帳に即時反映されます。
数量を手で打ち込む作業が不要になるため、転記ミス・入力漏れ・桁間違いといったヒューマンエラーは構造的に発生しません。
専用端末不要
従来のように1台10万円以上するハンディターミナルを購入する必要はありません。数千円〜数万円で入手できる中古スマホでも、十分に高性能なQRコードスキャナーとして機能します。
場所を選ばない
倉庫、営業先、店舗、どこからアクセスしても、全員が同じ最新に取得した在庫数を確認できます。
失敗しないQRコード在庫管理システムの選び方
QRコード在庫管理システムの成否は、どのシステムを選ぶかではなく、現場で正確にデータを取り続けられるシステムを選べるかどうかで決まります。
在庫管理アプリで検索すると多くのサービスが出てきますが、企業での現場導入において、必ずチェックすべきポイントは以下の3点です。
必須機能のチェックリスト
まず、必要なのはCSV連携機能です。 現在お使いのExcel台帳データをスムーズに移行でき、また棚卸し結果をExcelで出力して経理に報告できる機能は必須です。
次に、ラベル発行機能です。 ここが意外な盲点なのですが、スマホアプリから直接、現場のプリンターに印刷指示を出せるかどうかが、運用の手間を大きく左右します。PCを経由しないと印刷できない仕様だと、現場の作業効率は落ちてしまいます。
忘れては行けないのがオフライン対応です。 倉庫の奥や地下室、冷蔵庫内など、電波の届きにくい場所でもスキャンデータを保持し、電波が復帰した瞬間に送信できる機能があるか確認しましょう。

無料プランと有料プランの境界線
多くのアプリには無料プランがありますが、本格運用には月額数千円からの有料プランが必要になるケースが大半です。有料プランも段階設定になっていることが多く、無料でどこまでできるかではなく、予算内でどこまで業務を減らせるかという視点でシステムを選びましょう。
多くのシステムで金額で差が出るのは、
-
登録できるデータ件数
-
利用できるユーザー数
-
出力・連携機能の制限
といった部分です。
✍️ 筆者の経験からの一言アドバイス
月額数千円のコストをもし高いと感じるなら、在庫差異の調査にかかっている残業代と比較してみてください。
月額980円や1,980円といったコストを削減するために、無料プランであることにこだわって機能を制限したり、自作のExcelに戻ったりするのは本末転倒です。有料プランで機能をフル活用し、毎月の棚卸し時間を数時間短縮できれば、トータルコストは圧倒的に安くなります。
おすすめ在庫管理アプリ・システム比較
ここでは、スマホ対応・低コスト・導入実績が豊富で、特に中小企業におすすめできる主要2つのQRコードアプリを比較解説します。
zaico(ザイコ)|QR×在庫管理アプリの定番
zaicoは、在庫管理に特化した、非常にシンプルで直感的に使えるアプリです。 iPhone/Androidの両方に対応しており、マニュアルを見なくても操作できるUIが特徴です。freeeやマネーフォワードといった会計ソフトとの連携も強力です。
• 価格: 無料プランあり / スタンダード月額980円〜
• こんな企業におすすめ: 初めてシステム化する中小企業、備品管理を行いたい総務部
ロジクラ|通販・EC事業に強み
ロジクラは、在庫管理だけでなく入荷・出荷検品の機能が充実しています。 送り状発行システムとの連携が可能で、注文情報と商品を照合し、誤出荷を防止する機能に優れています。
• 価格: 無料プランあり / スターター月額9,000円〜
• こんな企業におすすめ: ECサイトを運営している企業、誤出荷リスクを徹底的に減らしたい現場へ。
導入成功の鍵はラベル運用にあり!実践ステップ
システム導入の壁はQRコード印字・ラベル貼り、にあると言っても過言ではありません。耐久性のあるラベルと専用プリンター選びが定着の秘訣です。
QRコードシステムを選んだ後に待っている最大のハードル、それがQRコードの印字・ラベル貼りといった物理的な運用です。「どのプリンターで印刷するの?」「どこに貼るの?」という現場の疑問に答ます。
【準備】QRコードシールの作り方とプリンター選び
まず前提として、QRコードを家庭用インクジェットプリンターで紙に印刷し、セロハンテープ貼る運用は避けてください。短期的にはコストが安く見えても、長期的には必ず失敗します。
アプリと連携できるブラザーやエプソンの業務用ラベルプリンターを導入する方が、
結果的に貼り替え工数・トラブル対応を含めた総コストは圧倒的に低くなります。
最初から感熱式または熱転写式のラベルプリンターと、耐久性のあるラベル用紙を用意してください。
過去の支援先で、コスト削減のために紙ラベルを使ったところ、倉庫の湿気や段ボールの摩擦でQRコードが擦れて読めなくなり、結局数千枚をすべて貼り直す羽目になったことがあります。現場環境に合わせた耐久性は必須です。
【準備】ここで差が出る!QRコードシールの貼り方
箱や容器で管理する在庫の場合は、積み重ねても見える側面の正面または利き手側が最適です。
フタや開封部、底面は破れや摩擦の原因になるため避けましょう。
棚単位で管理する場合は、個々の箱ではなく棚板の前縁やロケーションプレートに貼ると運用が安定します。

【運用】現場の負荷を軽減するルールの作り方
新しい仕組みを導入すると、現場から反発が出るのは自然なことです。 新しいQRコードシステムの運用を定着させるコツはルールを増やさないこと。
例えば、入庫時と出庫時だけは必ずスキャンする、という一点だけを徹底します。また、個人のスマホを業務利用することに抵抗がある場合は、Wi-Fi運用のみの安価な中古スマホを会社で数台用意し、共有端末として使うのがスムーズです。
QRコードを使った在庫管理でよくある質問 (FAQ)
Q. QRコードとバーコード(JANコード)はどちらがいいですか
A. 既存の商品にJANコードが付いているなら、それをそのままアプリで読み取るのが一番楽です。 自社製品や備品など、コードがないものにはQRコードを新規発行しましょう。QRコードはバーコードよりも情報量が多く、多少の汚れや破損があっても読み取れる補正機能があるため、現場利用に向いています。
Q.QRコードとRFID(ICタグ)との違いは?
A. RFIDは、箱を開けずに一括読み取りができる強力な技術ですが、導入コストが数十万〜数百万円かかります。 数千個の在庫を一瞬で数えたい大規模倉庫ならRFIDですが、コスト重視でスモールスタートするならQRコードが最適です。
Q. クラウド型在庫管理アプリのセキュリティは大丈夫ですか?
A. クラウド型アプリは、基本的なセキュリティ対策が標準で実装されています。 自社のPC内にExcelファイルを保存し、バックアップも取らずに管理するよりも、結果的にセキュリティレベルとデータ保全性は高まるケースが多いです。
まとめ:まずは無料トライアルで「スマホで在庫が減る」体験を
在庫管理のDXは、決して大掛かりなプロジェクトではありません。 高額なシステム投資をしなくても、月額数千円のアプリとスマホがあれば、明日からでも始められます。
まずは、今回紹介したアプリの無料プランやトライアルを利用し、ご自身のスマホでQRコードを読み取って、クラウド上の在庫数がリアルタイムに変わる便利さを体験してみてください。
その小さな成功体験こそが、会社全体の業務効率化への第一歩です。
もし、現状が
「QRコードをスキャンすること自体が負担になっている」
「消耗品や副資材が多く、管理点数が増え続けている」
のであれば、
次に検討すべき選択肢が、人の操作を前提としない在庫管理です。
スキャン不要の在庫管理「スマートマットクラウド」
QRコード在庫管理は、入力ミスを減らし、在庫を見える化する有効な手段です。
一方で、管理点数が増えたり、消耗品・副資材のように頻繁に消費される在庫では、
「貼る・スキャンする」という作業そのものが新たな負担になるケースも少なくありません。
そこで注目されているのが、IoT重量センサを活用した在庫管理という次の選択肢です。

スマートマットクラウド は、IoT重量センサで在庫の重さを常時計測し、数量の変化を自動で検知・記録する在庫管理システムです。
QRコードの貼り付け・スキャン工数をゼロにし、ヒューマンエラーを抑制。人的負担を大きく削減し、より効率的な在庫管理を実現します。

数えない。スキャンしない。
スマートマットクラウドなら在庫をひとつずつスキャンする、QRコードを生成したり貼り付けたりする工程は一切不要。
数えることなく、実在庫数を自動で把握。物流をストップし時間をかけて実施していた棚卸の労力を大幅に削減できます。
さらにリアルタイム。今の在庫情報を見える化
スマートマットクラウドは、わざわざ在庫保管場所に行き、数える手間を省いて、遠隔からリアルタイムで実在庫データを取得。
欠品を早期に発見し、生産停止による機会損失の防止にも役立ちます。
QRコードと併用も可能
スマートマットクラウドは、単体で導入に加え、他のシステムとの併用も可能です。
- QRコードでは管理が難しい在庫はスマートマットクラウドで管理。
- スキャンが効率的な在庫はQRコードで管理
これにより、在庫種類や運用条件に応じて最適な管理方法を選択できます。導入・ランニングコストやかかる労力を考慮し、最適な在庫管理方法を選びましょう。

スマートマットクラウドによる在庫管理改善事例












