在庫管理術
歩留まりとは?意味・計算方法・改善策を製造業向けにわかりやすく解説
歩留まりとは、製造工程に投入した原材料・部品の量に対する、良品として得られた量の割合です。
改善の第一歩は、どの工程で材料ロスや不良品が発生しているかを把握すること。
原料の投入量や中間品・良品・廃棄品の数量・重量を工程ごとに記録し、通常と異なる変動を早期に捉えることが、原因究明の手掛かりになります。
本記事では、歩留まりの定義や基本的な計算方法、不良率との関係を解説した上で、現場の負担を抑えながら歩留まりを改善するための手法をご紹介します。
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歩留まりとは?わかりやすく解説
製造業における「歩留まり」とは、製造工程に投入した原材料や部品に対して、製品または良品として得られた量の割合を示す指標です。歩留まりを百分率で表したものを「歩留まり率(yield rate)」といいます。
歩留まりの分母・分子は、業界や企業、製品、工程によって異なります。本記事では、投入量に対して最終的に得られた良品量の割合を「良品ベースの歩留まり率」として扱います。一方、完成品全体に占める良品の割合は「良品率」と区別します。
歩留まりは「高い・低い」と表現します。同じ製品・工程・単位・集計条件で比較した場合、歩留まりが高いほど、投入した材料を無駄なく良品に変換できていると評価できます。
一方、歩留まりが低下すると、原材料の廃棄、再加工、追加検査などが増え、単位製品あたりの製造コストが増加する可能性があります。投入量と良品量を正しく把握し、ロスが発生している工程を見直すことが大切です。
歩留まり率の計算方法と計算式
このパートをまとめると!
本記事で扱う歩留まり率は「良品量÷投入量×100」、良品率は「良品量または良品数÷完成品量または完成品数×100」です。分母・分子の単位、対象工程、ロット、期間、検査時点をそろえ、材料ロスと不良によるロスを分けて把握しましょう。
基本の計算式
本記事で扱う良品ベースの歩留まり率は、次の式で算出します。
歩留まり率(%)=(良品量 ÷ 投入量)× 100
たとえば、100kgの原料を投入し、良品が95kg得られた場合、歩留まり率は次のとおりです。
95kg ÷ 100kg × 100 = 95%
計算では、重量同士(kg)など、分母と分子の単位をそろえます。また、対象工程、ロット、期間、検査時点もそろえてください。
個数で計算する場合は、投入部品の個数と完成品の個数を単純に比較できるとは限りません。製品1個分に必要な部品数やBOM(部品表)を考慮し、製品単位・セット単位・部品単位のどの基準で集計するかをあらかじめ定めます。
一方、完成品全体に占める良品の割合である「良品率」は、次の式で求めます。
良品率(%)=(良品量または良品数 ÷ 完成品量または完成品数)× 100
たとえば、100個の完成品を検査し、そのうち95個が良品であれば、個数基準の良品率は95%です。この数値だけでは、材料ロスを含む投入量基準の歩留まり率はわかりません。
材料ロスと不良によるロスを分けて計算する例
薬品や液体・粉体の配合・塗布では、装置内への残留や飛散による原料ロスが発生することがあります。食品加工で可食部以外を取り除く場合や、BOM(部品表)に基づく組立工程でも、原材料・部品のロスを考慮する必要があります。
原料100kgを投入して製品が90kgでき、そのうち不良品が9kgだった場合、良品は81kgです。投入原料に対する良品ベースの歩留まり率は、次のように計算します。
歩留まり率(%)=(良品81kg ÷ 投入原料100kg)× 100 = 81%
この例では、材料歩留まりは90kg÷100kg=90%、完成品に占める良品率は81kg÷90kg×100=90%です。両者を掛け合わせても、良品ベースの歩留まり率が求められます。
良品ベースの歩留まり率(%)=(製品量 ÷ 投入量)×(良品量 ÷ 製品量)× 100
= 0.9 × 0.9 × 100 = 81%
このように分解すると、製品化するまでの材料ロスと、製品のうち不良と判定された分を分けて把握できます。実際の投入量と良品量がわかれば、必ずしも2段階に分けず、直接計算できます。
なお、過去の平均値などから求めた期待値を使う場合、算出されるのは見込みの歩留まり率です。実績を評価する際は、実測した投入量、製品量、良品量を使いましょう。
歩留まりを考える上で外せない「不良率」とは?
不良率とは、対象となる製品または検査対象のうち、品質規格に適合しなかった製品の割合です。製品数を基準とする場合は、次の式で算出します。
不良率(%)=(不良品数 ÷ 検査対象の総数)× 100
同じ母集団を良品と不良品に分け、同じ単位・同じ判定時点で集計した場合は、良品率+不良率=100%になります。一方、投入量基準の歩留まり率には材料ロスも影響するため、歩留まり率と不良率を単純に足して100%になるとは限りません。
先ほどの計算例では、投入量基準の良品ベースの歩留まり率は81%、完成品を分母とした重量基準の不良率は9kg÷90kg×100=10%です。両者は分母が異なります。
過去の実績や管理基準と比較して不良率が大きく上昇した場合は、原材料、設備条件、作業内容、検査条件などに変化がなかったかを確認します。
不良率は、製品の規格不適合の発生状況を把握する指標です。ただし、不良率だけでは、良品の測定値のばらつきや規格限界までの余裕は判断できません。良品の品質を詳しく評価する場合は、測定値の分布や工程能力指数なども確認します。
▶︎関連記事:不良率【定義・PPM・歩留まり・許容範囲・原因と改善策】
歩留まり低下の要因と歩留まり向上のための改善点
歩留まり低下の要因
歩留まりの低下には、以下のようにさまざまな要因があります。
- 原材料・部品そのものの品質不良やロット差
- 原料へのコンタミネーション(異物・不純物の混入)
- 原料の誤投入、計量ミス、機械条件の設定ミスなど準備段階の人的ミス
- 生産時のコンタミネーション
- 生産時のヒューマンエラーによる不良品の発生
- 機械トラブルや再立ち上げに伴う不良品の発生や原料ロス
- 機械の経年劣化による精度低下や不良率の上昇
- 作業条件や加工条件が標準化されていないことによる品質のばらつき
※コンタミネーション(contamination)とは、異物や不純物などが混入することです。

歩留まり向上・改善のために必要なこと
歩留まりを改善するには、どの工程で、どの種類のロスが、いつ発生しているかを把握することが先決です。
まず、使用する原料に異常がないかを確認します。納入時に規格に沿って検品する場合もあれば、化学工業や食品加工では生産ライン投入直前の検品が必要な場合もあります。
製造工程に入った後は、原料の投入量と良品として得られた量を正確に把握します。複数工程がある場合は、中間品、完成品、廃棄品、手直し品の数量を工程ごとに記録し、材料ロスや不良がどの段階で発生したかを確認します。比較するデータは同じロットや期間にそろえ、重量を使う場合は容器などの風袋を除いて集計しましょう。

このような工程間のモノや数量の流れを把握するには、IoT重量計による重量推移の記録が役立ちます。原料・中間品・廃棄品・完成品を工程別に計測することで、通常時と異なる重量変動を把握する手掛かりになります。
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歩留まりが低下しているのに、どの工程が原因かわからない。IoT重量計スマートマットで、原料・中間品・廃棄品・完成品の重量推移を記録。通常時と異なる変動を把握し、検査結果や設備条件などと照合することで、原因候補の絞り込みを支援します。
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IoT重量計で原料・中間品・完成品・廃棄品の重量推移を工程別に記録し、生産管理部署などで一元管理すると、通常時と異なる数量変動を把握する手掛かりになります。対応する機種・設定では、重量変化に応じた計測も利用できます。
蓄積したデータを週次・月次で比較し、検査結果、設備条件、作業履歴、ロット情報などと照合することで、歩留まりが低下した工程や時間帯の絞り込みに役立ちます。ただし、重量データだけで原因を特定できるわけではないため、関連データと組み合わせて検証します。
歩留まり改善に関するよくある質問
Q1. 歩留まりとは何ですか?
A. 歩留まりとは、製造工程に投入した原材料や部品に対して、製品または良品として得られた量の割合です。本記事では、良品量÷投入量×100で算出する「良品ベースの歩留まり率」として説明しています。
Q2. 歩留まりと不良率の違いは何ですか?
A. 本記事では、歩留まりを投入量に対する良品量の割合、不良率を検査対象に対する不良品の割合として区別しています。分母が異なるため、投入量基準の歩留まり率と不良率を単純に足して100%にすることはできません。
Q3. 歩留まりを改善するにはどうすればいいですか?
A. 原料投入量、中間品・完成品・廃棄品・手直し品の数量、良品・不良品の判定結果を記録し、ロスが発生する工程を把握します。重量データを使う場合は、風袋、測定誤差、測定タイミングも確認し、検査結果、設備条件、作業履歴などと照合して原因を検証します。
歩留まり低下の兆候を見える化する「スマートマットクラウド」

歩留まり低下の原因を調べ、継続的な改善につなげるには、原料や仕掛品の実際の数量と、その変動を把握することが重要です。
スマートマットクラウドは、実在庫の見える化によって在庫管理や工程改善、DXを支援するIoT SaaSプロダクトです。IoT重量計で現場のモノの動きを捉え、工程内のモノの流れを分析するためのデータを蓄積します。
原料・中間品・廃棄品・完成品の重量推移をクラウド上で管理し、通常時と異なる変化や工程ごとの傾向を確認できます。これらのデータを検査結果や製造履歴などと組み合わせることで、歩留まり低下の原因候補の絞り込みを支援します。
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お客様の発注先に合わせた文面でメール・FAXを送信できます。利用可能な発注方法や条件は、契約プラン・設定をご確認ください。
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在庫推移をグラフで確認し、適切な在庫量を判断することで、在庫圧縮を支援します。
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スマートマットはA3・A4・A5・A6の4サイズを展開し、電池駆動でケーブルレスに利用できます。冷蔵庫・冷凍庫内での利用事例もあります。
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