在庫管理術

棚卸

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  • 棚卸とは【意味や目的】

    棚卸(読み方:たなおろし/英語: Inventory(インベントリー)は、わかりやすくまとめると、実際の商品在庫数を数え、在庫総額を計算する業務のことです。

    棚卸とは
    コンビニやスーパー、アパレルショップ、飲食店や薬局の店頭で「棚卸のためお休みさせていただきます」という告知を目にしたことがあるのではないでしょうか。

    棚卸の目的ですが、在庫の数を把握し、在庫金額から企業の資産を計算するために行われます。棚卸の作業では、数えた在庫の数は棚卸表に記入しておくようにします。

    棚卸は重要ですが、その作業自体が付加価値を生むわけではないため、棚卸の効率化が課題となっています。

    在庫管理・発注を自動化する

     

    棚卸の目的

    棚卸の目的

    では、棚卸は何のためにするのでしょうか?そして棚卸をしないとどんなデメリットがあるのでしょうか?

    棚卸の主な目的を見ていきましょう。

    このように棚卸は、企業・ビジネスにおいて純利益を把握し、現状の経営状態の良し悪しを図るために欠かせない重要な業務です。

    棚卸はいつするのか?

    棚卸は、棚卸資産として、決算書へ記載する必要があるため、一般的に年度末に行われます。

    例えば、3月が決算なら3月31日、9月が決算なら9月30日に棚卸を行います。

    ただし、業種や店舗の規模などによっては、半期末ごとや毎月末ごとに棚卸を行う場合もあります。

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    ちなみに、「棚卸のため、**時で閉店します」という案内などを見かけることもあるスーパーなどでは、棚卸は決算期が多いのは2、3月や8、9月の閉店後、お客さんがいなくなった後に行うのが一般的です。

    棚卸の効率化

    すでにお話したように、棚卸は、最終的に企業経営の状態を把握するために実施される作業です。棚卸は決算業務のひとつであり、期末には必ず行います。


    企業状態を把握するためには、在庫総額から企業の資産を計算することが不可欠です。この目的のために、棚卸の実施の際には以下のようなことを守る必要があります。

    1. 必要な項目を抜けモレなく記入する
    2. 記入のし忘れ、誤記をなくす
    3. 誰でもわかる共通のルールで記入する
    4. 記入の際の手間やコストをできるだけ減らす

    ポイントを押さえて棚卸をミスなく・効率的に行えるようにしましょう。

     

    棚卸の方法【実地棚卸・帳簿棚卸】

    棚卸の方法には実地棚卸帳簿棚卸の2種類があります。
    この二つのやり方の決定的な違いは「どのタイミングで、いつ棚卸をやるか」「在庫の絶対量を記録するか、変化量を記録するか」です。

    実地棚卸と帳簿棚卸

    実地棚卸
    • 営業を止めて定期的に実際の在庫の数を数える作業です。
      大量・多品種の在庫を一度に数えるためミスがつきものです。また、棚卸のために営業を止める必要があり、その間は売り上げが出せないというデメリットもあります。
    帳簿棚卸
    • 在庫の入出庫数に基づいて帳簿や専用ソフト、エクセルなどのデータを使って在庫の変化を管理する作業です。
      常に在庫数を把握しておけるため、資産をすぐに計算しないといけない時にも対応できます。
      また、棚卸のために営業を止める必要もありません。
      一方で、毎回に帳簿の記入漏れや入力ミスすることなくこなさなければ在庫差異が出てしまう難しさがあります。

    実地棚卸と帳簿棚卸の比較

    棚卸資産とは【棚卸の意味】

    棚卸資産とは

    棚卸資産とは社内で保有している販売用資産や消耗品資産の総称で、具体的には以下のようなものが含まれます。

    • 商品または製品
    • 原材料
    • 仕掛品(製造中でまだ販売できないもの)
    • 事務用品
    • 消耗品

    棚卸で棚卸資産の数量や状態を把握して管理することは、経営をスムーズに行う上で重要な意味を持ちます。

     

    棚卸資産の評価とは

    棚卸資産の評価方法

    棚卸資産にどれぐらいの価値があるのかを計算することを棚卸資産の評価と言います。棚卸資産評価方法には原価法低価法があり、原価法には最終仕入原価法、個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、売価還元法の6種類があります。

    【原価法】

    • 最終仕入原価法
    • 個別法
    • 先入先出法
    • 総平均法
    • 移動平均法
    • 売価還元法

    【低価法】

    どの評価方法を採用するか税務署に届け出る必要がありますが、特に届け出をしない場合は最終仕入原価法を採用することになります。

    最終仕入原価法では、同じ種類の在庫については、その年度内で最後に取得したときの価格を使って棚卸資産の評価をします。このように、棚卸と棚卸資産の評価を経て、売上原価が確定します。

      売上原価=年度始めの棚卸資産評価額+年度内の仕入高-年度末の棚卸資産評価額
      利益=売上-売上原価
    売上原価が高ければ利益は下がり売上原価が低ければ利益は上がります。
 

棚卸資産回転期間

棚卸資産回転期間とは、売上高に対する棚卸資産の割合を指します。

所有している棚卸資産がどれくらいの期間で販売されたかを知るための目安でもあります。

一般的に、棚卸資産回転期間が短い場合は、棚卸資産が効率的に収益につながっているとされ、逆に棚卸資産回転期間が長い場合は、在庫の増加や販売までの期間が長く、収益を得るまでに時間がかかっているとされます。

棚卸資産回転期間は以下の計算式で求めます。

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  • 棚卸資産回転期間(日) = 棚卸資産 ÷ 1日あたりの売上原価
  • 1日あたりの売上原価 = 売上原価 ÷ 365日
 

棚卸の課題や注意点

実際の棚卸の現場でよく起こりがちなミスや課題の事例を見ていきましょう。

棚卸の課題や注意点

● カウントミス=在庫の数え忘れ

棚の奥に在庫が隠れていたり、置き場所が変わっていたり、整理整頓されていない場合に発生します。

● カウント漏れ=数量の数え間違い

数量が多くて分かりにくい、梱包されているものを取り出さずに表記されている個数を記入した際や単純作業の連続で集中力が低下した場合に起こります。

● 目視では数えにくいものがある

液体や気体、粉ものなど目で中身がしにくい原材料などの棚卸。中身をいちいち開けて確認したりする手間がかかります。容器によっては中身を確認できない場合も。

● 誤品カウント=似ている品番で発生

紛らわしい品番やカラー・仕様・素材などの表示が間違っていたり、見誤った際などに起こります。

● 入力漏れ

データ入力を忘れてしまったり、うっかり飛ばしてしまったりした際に発生します。集中力と根気力の持続が大切です。

● 転記ミス

在庫の番号や収納場所、種類を書き写すときに発生します。慎重に確認しながら転記することが求められます。

● 読み取りミス

数えた数字や収納場所、種類などを書き写したり、入力する際に起こります。例えば、間違えやすいのは、0と6や3と8などです。癖のある数字の書き方や乱暴な書き方には注意しましょう。

● エクセル入力ミス

目視で在庫を計測し、エクセルなどの表に入力する、もっとも基本的な方法は、人手がかかる上、数え間違いや入力ミスも多くなってしまいます。

RFIDハンディターミナル読み取り不可や導入経費

商品に貼り付けたICタグをハンディターミナルやRFIDなどで読み取る方法は、全商品にICタグを貼り付ける必要があり、手間がかかるうえ、貼り付けられない商品も。また、それらの機器を導入する費用がかさんでしまいます。

このように棚卸はアナログで行うと、どうしても抜けや漏れの可能性が高くなります。扱っている商品数が多いほど、ミスが発生しやすくなり、作業する人の労力やプレッシャーも大きくなってしまうため、近年では在庫管理を自動化する試みが進んでいます。

棚卸の課題をIoTで解決

 

IoT機器は棚卸課題の有効な解決策に

IoTで棚卸

棚卸は、在庫の数をもとに売上原価を確定、正確な利益を把握するために欠かせない業務です。ただし、実際の作業には時間と労力がかかり、ズレやミスが発生することも多く、在庫管理において課題もさまざまあるのが実情です。

新型コロナウイルス、人手不足などさまざまな問題に直面している状況下において、いかに効率化して正確に棚卸を行うことができるかが重要となります。そこで注目され、近年続々と各企業で導入されているのが棚卸の自動化であり、その最も有効な方法として以下の2つが大きなキーワードとされています。

● DX(デジタルトランスフォーメーション)

企業の営みや産業全体をデジタルの力でよりよくしていく取り組み

● IoT(Internet of Things)

IoT=「モノのインターネット化」

IoT機器を導入することにより、「自動化」や「見える化」が可能になり、棚卸、現場作業の改善、在庫管理、工程管理、品質管理なども効率的に行えるようになります。このように稼働状況や生産状況、在庫などのデータを分析することで、人力では発見しにくい問題や傾向なども把握できるようになり、生産性の向上やロスタイムの削減につながります。

デジタルテクノロジーを駆使して、企業経営や業務プロセスそのものを根本的に改善していくDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するためにIoTは欠かせない要素となります。

また、新型コロナウイルス対応などで業務に忙殺されている医療分野や調剤薬局、リモートワークを取り入れたい現場スタッフをサポートすることも大いに期待されています。

 

棚卸の課題を解消!IoT機器スマートマットクラウド

スマートマットクラウドのイメージ

現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、簡単に自動化が可能です。スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。

あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます

さまざまな自動発注に対応

お客様の発注先に合わせた文面でメール・FAXの送信が可能です

在庫圧縮を促進

推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します

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スマートマットはA3サイズ〜A6サイズまでの4サイズ展開。ケーブルレスで、冷蔵庫・冷凍庫利用も可能。

API・CSVでのシステム連携実績も多数

自社システムや他社システムと連携を行い、より在庫管理効率UPを実現します。

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