MESとは「製造実行システム」とも呼ばれ、製造工程の把握、管理、作業者への指示を行うシステムのことです。
生産管理システムのひとつであり、整備・機械・作業者といった生産資源をムダなく活用し生産性を向上することを目的として導入されるものです。
MESは工場の生産ラインの各製造工程と連携しているのが特徴で、リアルタイムで在庫状況や工程進捗を把握することができます。
今回はMESの概要や製造業でMESの導入が急速に進んでいる背景、MESの役割と機能について解説。
さらに工程管理の自動化を加速させるシステムを紹介します。
製造業は大きく、計画層、実行層、制御層の3つの管理レイヤーに分けることができます。MESは2つ目のレイヤーである実行層に該当するシステムです。
【3つの管理レイヤー】
MESは企業全体の経営指標や生産計画を管理する基幹システムと現場の生産設備を動作させる機器制御システムとの中間位置にあり、両者の橋渡しをする役割もMESが担っています。
MESは生産管理システムのひとつと言えます。その違いはMESが製造工程に特化したシステムであるということ。MESは製造業の製造工程を管理する工場管理者のためのシステムで、生産現場で活用されるものです。
同じ実行層にはMOM「製造オペレーション管理システム」があります。
MOMとMESの違いですが、MESの進化系にあたるのがMOMで、より自動化を推進しスマートファクトリー化を実現します。
→MOMについて詳しくはこちらの記事を参照
MESは1990年代に発祥し、2000年を過ぎてから日本でも普及が始まりました。
MESの普及の背景に製造業全体の労働人口減少と、製造業従事者の高齢化問題があります。
これまでは、製造計画と工程管理間の情報のやり取りは主に紙ベースで行われていました。必要な情報を手動で処理し、人と人とのやり取りで、伝達し、現場のベテラン作業員の技術と経験に頼って作業する、という製造業従来の方法が使えなくなりつつあります。
製造業は、MESを導入して、生産プロセスの可視化を図る業務改革を余儀なくされています。
MESによる製造現場での作業者の指示や支援はどのように行われるのでしょうか。
アメリカのMES推進団体「MESAインターナショナル」は、MESの機能を11項目に区分しています。
企業はMESで11の機能を全て網羅する必要はありません。自社にあう機能を選択しスクラッチ開発やパッケージ開発で、MESを構築していく方法が一般的です。
製造業でMESを導入するメリットは以下のようなものがあります。
異常検知機能によって不良品を出さないこと、製造データの分析によって改善のスピードをあげることが製品の品質保持や品質向上に役立ちます。
リアルタイムで生産状況を把握し人・モノ・設備の生産資源を適切に分配できます
技術の高い作業員の作業の進め方を再現可能かどうか確認し共有することで、業務の標準化と技能の伝承が効率よく行えます。
製造作業のデータを取得し蓄積します。ロット情報と工程作業の情報を紐づけることができます。
作業状況・在庫状況が可視化されるため、ムダを無くし製造コストの削減に貢献します。
生産情報が数値としてデータで蓄積されるため、連絡・報告の負担を負わずに製造部門と設計部門等部門間、工程と工程間の連携を強化できます。
作業の自動化をすすめるのに役立つMOMですが、運用のために様々なデータを集め登録する作業に工数を取られることが多々あります。
具体的に例を挙げると次のような作業が発生します。
こうした作業は現場の作業員に作業負担がかかり、スマートファクトリーの実現から遠ざかっているケースも数多くあります。
当社のスマートマットクラウドは重量センサーを搭載した在庫管理システムです。
スマートマットに載せた物品の重さをリアルタイムで計測し、データを記録するシステムで、製造業をはじめさまざまな業種で導入されています。
工数がかかる部品や中間品をスマートマットに載せると正確に数量を計測しデータ保存するので、棚卸やシステム入力の作業は不要です。
現場のあらゆるモノをIoTで見える化し、発注を自動化するDXソリューション「スマートマットクラウド」を使えば、簡単に生産管理の効率化が実現できます。スマートマットの上に管理したいモノを載せるだけで設置が完了。
あとはマットが自動でモノの在庫を検知、クラウド上でデータを管理し、適切なタイミングで自動発注してくれます。
お客様の発注先に合わせた文面でメール・FAXの送信が可能です
推移を把握できるグラフで適切な在庫量を判断し、在庫圧縮を促進します
スマートマットはA3サイズ〜A6サイズまでの4サイズ展開。ケーブルレスで、冷蔵庫・冷凍庫利用も可能。
自社システムや他社システムと連携を行い、より在庫管理効率UPを実現します。