- 自働化
異常が発生したら機械をただちに停止し不良品を造らないという考え方 - ジャスト・イン・タイム (JIT)
各工程が必要なものだけを、流れるように停滞なく生産するという考え方
かんばん方式とは、必要なものを、必要なときに、必要なだけ作ることを目的とし、タスク管理や進捗管理を効果的に行うためにトヨタ自動車が開発した生産管理方式です。
製造する商品に「かんばん」と呼ばれる商品管理カードをとりつけ、商品名・品番・保管場所など詳細な情報を記入します。
かんばんの指示通りに生産することで無駄がなくなり、その後の工程もかんばんを確認することで詳細を把握できるという仕組みで、かんばん方式は製造業だけでなく、さまざまな業界でのプロジェクト管理にも採用されています。
トヨタ生産方式は、トヨタ自動車の創業者で2代目社長の豊田喜一郎氏によって考案されました。自働化※とジャストインタイムという2つの考え方を柱とし確立されています。この2つの基本的な考え方にもとづき、顧客の要望に合ったクルマを1台ずつ「確かな品質」で手際よく「タイムリー」に造ることを可能にしています。
ジャスト・イン・タイム3原則のひとつに、後工程引取方式があります。
後工程引取方式とは、前工程に対して必要な時に必要な物品だけを発注し、前工程は引き取られたのと同じものについて後工程から受注した分だけ生産するという方式で、プル・システムともいいます。このとき工程間で情報伝達するときに、使用する道具が「かんばん」です。
かんばん方式で使用するかんばんには、「引き取りかんばん」と「仕掛けかんばん(生産指示かんばん)」があります。
引き取りかんばん | 納入管理用 | 後工程から前工程に部品を引き取るときに使い、引き取る部品を指示する |
仕掛けかんばん | 生産管理用 | 補充生産する部品を指示する |
かんばん方式の流れは以下の図解の通り。
かんばん方式は、生産同様、在庫管理にも活用できます。在庫管理に使用されるかんばんには部品の名前や数量等、補充に必要な情報が書かれています。
かんばんをつかった発注は定量発注方式に分類されます。定量発注方式とは、在庫が決められた発注点を下回った時点で決められた量を発注する方式で、発注点方式ともいいます。
●かんばん方式による在庫管理の流れ
かんばん方式は、シンプル仕組みでリードタイムや消費スピードの知識がなくてもムダなく効率よく生産管理や在庫管理をすすめられるのが特徴です。
一方、かんばん方式では余分な在庫を持たないため、欠品や不良品の発生といったトラブルの影響を受けやすく、かんばん設計や変更の都度、大きな手間がかかるといったデメリットがあります。
そもそもかんばん方式は管理対象となる製品に制限があります。需要変動が大きい製品、使用期限や賞味期限が短い製品には不向きな生産管理方式です。
製造業でかんばん方式の運用がうまくいかない背景に手動管理があります。
"在庫の見える化"をしようと思いまして、自動車のトヨタ生産方式でも使用されていた「信号かんばん」を導入させてもらいました。
しかし、結果として、「信号かんばん」を運用するのも"人"。人の手を介入するとどうしてもミスが出てしまい、在庫の数が合わないことがしばしばありました。
ミズタニバルブ工業株式会社 事例インタビュー
人的ミスの発生等かんばん方式の運用がうまくいかない場合、IoT活用による生産管理の自動化が効果的です。
IoTは、センサーが搭載されており、モノの状態や周辺環境といった情報を感知・収集し、インターネットを介して、それらのデータを人やモノに伝えます。
当社の在庫管理システム「スマートマットクラウド」も、重量センサを活用したシステムです。重量センサを搭載する工程管理・在庫管理IoTソリューション「スマートマットクラウド」の機能を紹介します。
スマートマットクラウドはリアルタイム実在庫の見える化で在庫管理、工程カイゼン・DXを進めるIoT SaaSプロダクトです。IoTで現場のモノの動きを捉え在庫管理を自動化、その上で工程内のモノの流れを分析し問題を見える化します。さらにリアルタイム実在庫データを武器に工程を跨ぐ流れの澱みを特定しDX、現場力の向上に寄与します。
在庫置き場に出向くことなくリアルタイムで管理画面から部品と仕掛品の在庫数を確認できます。在庫確認や補充タイミング把握のため、倉庫や工場内を走り回る必要はもうありません。
スマートマットクラウドは生産工程の進捗状況も可視化。
後工程からひとつ前の工程に、必要な部品を、必要なタイミングで、いくつ必要かを自動で伝えることで、製造業の生産プロセスに潜むさまざまな課題を解消します。
◆特徴