- 工程管理
製品を生産する際に一定の品質と数量を保つために、生産に関わる労働力、資材・原料、設備などを管理し、効率的に計画・運営する。 - 品質検証
製品や工程が確かなものであるかを検証し、保証する。 - 品質改善
不良品ができてしまった場合の再発防止・未然防止のために原因の追求と対策、改善を行う。
品質管理(英語:Quality Control/略してQC)とは、製品やサービスを生産する際に、一定の品質を備えていることを検査・検証し、保証することです。
主に製造業の現場などで不良品を出さないために実施する管理方法です。
この記事では、品質管理の基本、ISO 9001、手法、品質管理検定、総合的品質管理、トヨタの品質管理、品質管理に役立つIoTソリューションについてわかりやすく解説していきます。
品質マネジメントに関する国際的な規格がISO9001です。
業種・業態を問わず組織が利用・認証を取得することができる規格で、現在全世界で170ヵ国以上、100万以上の組織が利用しています。
ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関 International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称です。ISOの主な活動は国際的に通用する規格を制定することであり、ISOが制定した規格をISO規格といいます。
ISO規格は、国際的な取り引きをスムーズにするために、何らかの製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにする」という国際的な基準です。
身近な例として、非常口のマーク(ISO 7010)やカードのサイズ(ISO/IEC 7810)、ネジ(ISO 68)といったISO規格が挙げられます。これらは製品そのものを対象とする、「モノ規格」です。
ISO 9001は、製品そのものではなく、組織の品質活動や環境活動を管理するための仕組みについて制定されているISO規格で、品質マネジメントシステムと呼ばれています。
品質管理の手法には以下のようなものがあります。
QC7つ道具とは、統計的な観点でデータを分析し、品質管理(Quality Control)を行う手法の総称で、その名の通り、以下の7つの分析ツールを使用します。
品質管理の4Mとは、製品の品質を管理するために必要な4つの要素のことです。
これらの頭文字をまとめたものが4Mであり、不良品を出さずに、正常な製造を行うために4つの要素に分解し分析を行います。
品質管理検定(QC検定)とは、品質管理に関する知識をどのくらいあるかを全国で筆記試験を行い、客観的に評価を行うことができる資格試験です。
2005年に第1回試験が実施され、現在は年に2回(9月・3月)に実施、平成28年には全国で約12万6千名(内、高校生は約9,000名)が申し込んでいる人気の検定で、合格者は累計43万9千名を超えています。
品質管理検定は、下記のポイントにおいて必要な品質管理の知識が問われるもので、4つの級が設定されています。
級 | 対象者 |
1級/準1級 | 品質管理部門のスタッフ、技術系部門のスタッフなど企業内において品質管理全般についての知識が要求される業務にたずさわる人 |
2級 | QC七つ道具などを使って品質に関わる問題を解決することを自らできることが求められる人、小集団活動などでリーダー的な役割を担っており、改善活動をリードしている人 |
3級 | QC七つ道具などの個別の手法を理解している人、小集団活動などでメンバーとして活動をしている人、大学生、高専生、工業高校生など |
4級 | これから企業で働こうとする人、人材派遣企業などに登録されている派遣社員の人、大学生、高専生、高校生など |
※2023年11月現在の情報です。
品質管理の仕事は不良品が見つかった場合の対応や社内処理、対策など多忙を極めることもあり、「キツイ仕事だ、ストレスだ」と感じてしまう人もいるかもしれません。
各企業では品質管理に関する社員教育を行い、適した人材を品質管理の現場に配置していますが、育成した人材の転職や退職が多いという課題を抱えています。
品質管理の仕事は自社の製品の品質やサービスを守る重要な仕事であり、顧客満足度にも大きく関わる大変やりがいのある仕事です。品質管理についての基礎知識を持つ人材を即戦力として求める企業が増えているため、キャリアアップを考えている社会人だけでなく、就職活動をする学生の受験も増えている注目の資格検定の一つに挙げられているのが品質管理検定(QC検定)なのです。品質管理のあるべき姿、基本をしっかりマスターできるので、興味のある人はぜひ受験の検討を。
品質管理の現場では現在、総合的品質管理(TQM)が主流になっています。1990年のバブル崩壊以降、グローバル化に直面した企業が、それに対処するために、TQCの考え方をベースに経営陣の業務にまで拡大、発展させ状況に適応するために生まれたのがTQMです。
JISC(日本産業標準調査会)によると、
と定義されています。わかりやすくいうと、
とまとめることができます。
品質管理と品質保証の違いをまとめると、このようになります。
最後に日本の品質の高さの象徴的存在、トヨタの品質管理についてみてみましょう。
トヨタの品質管理の原点は、1937年(昭和12年)の創業から1950年代までの会社の基盤づくりの時代に形成されました。1960年代の高度成長の時代に入ると、総合的品質管理が導入され、方針管理やQCサークル活動などの会社発展の基盤となる仕組みを構築。
1990年代のバブル経済崩壊後は、本格的なグローバル化を前にして会社の体質強化の時代となり、TQCを「人と組織の活力を高める活動」として浸透させるべく、TQMへの進化が図られました。2000年代以降は、一層のグローバル化の進展のなか、品質問題を契機として「原点に立ち返ったTQMの実践」が図られています。
トヨタの品質管理に関するメカニズムや手法は、書籍化され詳しく紹介されています。興味のある人は一読してみましょう。
IoTの技術を活用して、品質管理体制を強化することが可能です。作業の自動化で人為的ミスを無くし、管理の精度向上を測ることができます。
重量IoTを搭載した工程管理ツール「スマートマットクラウド」は、見えにくい工程内の在庫をリアルタイムで見える化します。
重量センサを搭載したデバイスが重さで在庫量を検知するため、数えにくい在庫、管理の難しい液体や粉末、細かい部品を正確に管理できます。
在庫管理はもちろん、原材料の誤投入、部品のとりちがえ、レシピずれの防止、不良品のカウントによる工程内のボトルネック特定に役立ちます。
スマートマットクラウドはリアルタイム実在庫の見える化で在庫管理、工程カイゼン・DXを進めるIoT SaaSプロダクトです。IoTで現場のモノの動きを捉え在庫管理を自動化、その上で工程内のモノの流れを分析し問題を見える化します。さらにリアルタイム実在庫データを武器に工程を跨ぐ流れの澱みを特定しDX、現場力の向上に寄与します。
在庫置き場に出向くことなくリアルタイムで管理画面から部品と仕掛品の在庫数を確認できます。在庫確認や補充タイミング把握のため、倉庫や工場内を走り回る必要はもうありません。
スマートマットクラウドは生産工程の進捗状況も可視化。
後工程からひとつ前の工程に、必要な部品を、必要なタイミングで、いくつ必要かを自動で伝えることで、製造業の生産プロセスに潜むさまざまな課題を解消します。
◆特徴
スマートマットクラウドは、現在多くの製造業の現場で導入されています。実際に品質管理に貢献している事例をご紹介します。