当院は在宅医療に力を入れているクリニックです。お一人での通院が難しい方やご自宅で療養する方の元に伺い、そこで診療を行い日々の生活のサポートをすることが主な業務です。
特徴としては24時間365日対応ができる体制を整えており、夜間や早朝であっても患者さまから連絡があれば電話対応を行い、必要に応じて往診に伺います。こうした体制を整えることで、患者さまがご自宅で安心して過ごせるようにサポートしています。
夜間は医師、診療アシスタントなどが待機しており、連絡があればすぐに出動できるようにしています。
一般的な外来のみのクリニックとは異なり、私たちの場合は一日中外に出て往診をするため、院内で在庫管理などの業務にじっくり時間をかけるのが難しいという現状があります。
当初はかなりアナログな管理をしていました。使用した物品が足りなくなると、棚に置いてある発注ノートに「〇〇を〇個発注」と書き、発注担当が発注ノートを確認して電話発注するという仕組みです。
定期的に棚卸はしていましたが、通常の訪問診療業務と並行しなければならないので人手が足りず、欠品が起きやすかったですね。欠品を防ぐために多めに在庫を抱えた結果、使用期限切れの廃棄となるケースも多かったです。
訪問診療はスタッフが日中ほとんど外に出ているため、夕方以降に在庫の確認や翌日の準備をすることが多いのですが、通常業務終了後に行うことが大きな負担となっていました。
さらに、同じ物品が別々の場所に点在していて、どこに何があるか把握できていない状況でした。在庫の「住所」が明確でなかったため、使用する物品を探すのに時間がかかり、無駄な時間が生じていました。
物品にもよりますが、月に2、3回はありました。特に使用頻度は低いが、いざ必要になったときに在庫がない、というケースが厄介でした。
医療現場においては欠品が患者さまの診療に直結してしまうので、絶対に避けなければならない事態です。
診療アシスタントの平松さま
問題があるにもかかわらず在庫管理に人的リソースを割けない状況の中で、「在庫管理をデジタル化するしかない」と考え、Webでいろいろ調べました。
その中でスマートマットクラウドを見つけ、重さを量るだけで在庫を把握して自動で発注までしてくれるというシンプルな点が魅力的でした。
バーコードリーダーを導入して読み取るタイプなど、他にも候補はありましたが、忙しい現場でさらに作業や操作が増えるのは避けたかったですね。
その点、シンプルに置くだけで済むスマートマットクラウドは導入しやすかったです。
業種を選ばなかったこと、操作が直感的で分かりやすかったことが大きかったです。わざわざ作業工程を増やさずに、ただ置くだけで在庫量が計測されるので、スタッフへの説明や教育のハードルが低いことも決め手でした。
SmartMat Cloudは、”置くだけ”で簡単に在庫管理を自動化
現在は使用頻度の高い物品を優先的に管理しています。将来的にはすべての物品をスマートマットクラウドの運用に切り替えていきたいと考えています。
欠品が大幅に減りました。システム上で常に在庫数が把握でき、自動発注もしてくれるので、担当者の目が届かなくても大丈夫です。
単価を登録しておけば在庫金額も把握できるので、経営面でも役立ちます。入出荷の情報はグラフで見えるので、回転率や適正在庫の調整がしやすくなり、過剰在庫の防止にもつながりました。
さらに、スマートマットによって在庫の「置き場所」が明確に決まるので、物品が散乱しにくくなりました。以前は同じ物品が複数箇所に点在していて、新人スタッフがどこにあるか分からないことも多かったのですが、今は「これを使うならここ」という住所がはっきりしたので、格段に分かりやすくなりました。
多種多様な医療物品たちのそれぞれの置き場所が明確になり、整理された物品棚
最初はかなり大変でした。物品が複数箇所にバラバラにあったので、院内のすべての物品をリスト化し一つずつ集めて「この物品はここに置く」と決め直しました。
また、それを機に「使用頻度が高いものや一緒に使用するものはセットでまとめる」など、日常業務での使いやすさを意識した配置ができました。
結果的に、どこに何があるか分かりやすくなりましたし、探す手間も大幅に削減できました。
診療では、1個の物品を患者さんに渡すだけではありません。例えば、点滴なら容器や保護テープなども一緒に必要になります。それらを一塊にして置くように工夫しました。
採血で使用する物品をセットにして配置することで、診療に出掛ける際の準備が楽に
大幅に軽減されました。いつ何が使われてどの時点で発注がかかったか、履歴やグラフで一目瞭然です。
アナログのときのように「ノートを見忘れた」などのヒューマンエラーも減り、欠品リスクが格段に下がりました。
つい最近、追加で60台のスマートマットクラウドを導入しました。いずれは医療物品だけでなく、事務用品などすべての消耗品管理にも広げたいと考えています。
訪問診療は24時間体制なので、できるだけスタッフの負担を減らし、本業に集中できるようにしていきたいと考えています。
医療業界の人手不足の問題も大きいですし、在庫管理のような事務作業はなるべく自動化し、スタッフが残業せずに帰れる環境を作りたいと思っています。
診療アシスタントの川島さま
現時点で特に大きな不満はありません。
最近、在庫金額を確認できる機能が加わったと聞きましたので、データが蓄積されれば適正在庫やコスト管理に活用できると期待しています。
今後も継続して使いこなし、スタッフの負担を減らすことによってより良い在宅医療を提供できる環境を整えていきたいです。