スマートマットクラウドを導入する前の在庫管理の課題はどのようなものだったのでしょうか?
高原様:
在庫の管理は3人体制で行っています。
在庫数の確認は、現場スタッフが診療の合間に分担してこなしていました。
また、発注は在庫がなくなったらノートに書き出し、それをみて材料屋さんに注文をだすという方式でした。
発注する人が必ずしも在庫の担当者というわけではないので、ごくたまにですが、二重に注文が出てしまうことがありましたね。
一番困るのは欠品です。診療のトラブルにつながりますので、材料が切れることがないように注意を払っていましたが、ゼロではありませんでした。スペースに限りがあるので、多めに在庫を持っておくことが難しくて。
必要な材料がなくなっていることに気がついて、材料屋さんに電話して急いで取り寄せをお願いしたり、お付き合いのある別の歯科医院さんからお借りしたりすることも、かなり以前ですがありましたね。他の材料では代用が効かないものもあり、治療の合間に取りに行く事態は避けたい、と感じていました。
あと、担当者は在庫情報の伝達や共有の難しさを感じていました。
人の入れ替わりがあった時、担当者は同じ説明を繰り返しする必要があります。
特定のスタッフが管理をしていると、そのスタッフが休みを取った時には、他のスタッフが在庫の置き場や注文状況がわからなくなってしまう、という問題もありました。
スマートマットクラウドで管理しているものを教えてください
高原様:
一番多いのが医療消耗品、次に歯科材料です。
置き場所は、バックヤード、診療室と院内に点在しています。マスクやグローブなどかさばるものはバックヤードにあり、目が届きにくかったですね。

院内バックヤード内の消耗品管理の様子
現在は消費の多いものを中心に、スマートマットで管理しています。
今後、自動発注だけでなく、マットに乗せていないものも管理画面に登録して、発注をすべてクラウド上で行えるよう整備していく予定になっています。
導入の際や運用を開始した当時に大変だったことはありますか
高原様:
最初の設定は、カスタマーサポートの担当者の方にかなりお世話になりました。
今でもわからないことが出てきたときは、担当の方に質問すると教えてもらえますし、いただいだマニュアルを見たりして解決できています。
そのため導入してからも、特に「大変」と思うことはなかったですね。
スマートマットクラウドを導入した感想をお願いします
高原様:
在庫を数える時間が短くなりました。
これまでは、点在する在庫を毎日3人で部門ごとに手分けして見て回り、1人につきだいたい15分ぐらいの時間がかかっていました。
マットを導入してからは現物のチェックにかける時間は2〜3日に1度、5分くらいです。基本は管理画面で確認できるので、毎回在庫の置いてあるところまで歩いていかないでいいのが楽ですね。

写真を多く取り込んだ管理画面。在庫の一元管理を可能にする
スマートマットクラウドの管理画面は新人の研修にも使っています。
アナログに現物をチェックしていた頃と違って、画面を一緒に見ながら「この材料は、ここの色が変わったら◯個発注」と伝えられるようになり、教える側の負担が軽くなりました。

管理画面の簡易表示モードは研修に活用
あとは、今はまだ導入して半年なので実際に経験してはいないのですが、棚卸がかなり簡単になりそうですね。
棚卸は毎年3月に実施して、こちらも手分けして3名がそれぞれ1時間程度かけてやっていました。紙ベースのアナログ作業だったので、棚卸の最中に材料が1個使われて、数量が変わってしまうこともありました。
前年の棚卸表に増えた在庫を手書きで追加する作業もなくなる、と思うと「本当に便利だな」と感じています。
インタビューのご協力ありがとうございました。インタビューの間も患者様が途絶えることがなく、「治療の合間をぬって」在庫管理する大変さを実感いたしました。今後も現場の皆様の負担をもっと軽くできますよう、さらに使いやすいシステム作りに注力してまいります。